【文徒】2020年(令和2)1月20日(第8巻10号・通巻1667号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】JOC「全員団結」プロジェクトに批判が殺到してい
2)【記事】ドコモショップ「クソ野郎」と顧客をメモで侮辱する
3)【記事】「女性専用車両」報道はミソジニーの可能性が大であ
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】JOC「全員団結」プロジェクトに批判が殺到してい

日本オリンピック委員会(JOC)がこんなツイートを公開した。
Twitterハッシュタグ「#全員団結」をつけて投稿すると東京2020大会「がんばれ!ニッポン!全員団結プロジェクト」団結ロゴの絵字が出るようになりました。ぜひ #全員団結 をつけて日本代表選手団への応援メッセージをツイートしてください!》
https://twitter.com/Japan_Olympic/status/1216187154474254336
Twitter Japanも協力している。
《2020年の9月30日まで #全員団結 をツイートしていただくと、4色の折紙で構成されている特別にデザインされた絵字が出現します。それぞれの色には意味合いが込められていて、#オリンピック に参加することで湧き上がる気持ちや、みなで力をあわせることの素晴らしさが表れています。》
https://twitter.com/TwitterJP/status/1216299950058897409
これが「全員団結」のサイトだ。私の感性からするとついていけない世界だ。違和感を覚えてしまうのは私だけではあるまい。
https://danketsu.jp/about/
毎日新聞は1月14日付で「まるで戦時中? JOCの『全員団結』キャンペーン、なぜ『炎上』したのか」を掲載している。
《今夏の東京五輪に向け、日本オリンピック委員会JOC)が人々に団結を呼びかけるキャンペーン「がんばれ!ニッポン!全員団結プロジェクト」に対し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で「戦時中のよう」「勝手に『全員』に加えるな」などと批判の声が上がっている。「団結」の強制のように受け止められたようだ。実はこのキャンペーンは昨年から続いている。》
辻田真佐憲がインタビューに応じて、こう語っている。
《私たちの自発的な参加を促すような章が散見される。促されてから動く時点で自発的ではないので矛盾しているが、私たちの行動を誘発しようという思いが透けて見える》
https://mainichi.jp/articles/20200114/k00/00m/040/304000c
辻田はツイッターにこう投稿している。
《#全員団結 についてコメントしました。そういえば、某国には「一心団結」なんてスローガンもありました。公式サイトの謎ポエムは失笑ものでしたね。》
https://twitter.com/reichsneet/status/1217285159168274437
「4色の折紙で構成されている特別にデザインされた絵字」について津原泰水ツイッターで、こう指摘している。
《このシンボルマーク、なぜ五輪なのに黒が無い4色の八芒星? 八紘一宇を表してる?》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1216827159563517952
武田砂鉄のツイート。私の気分に近い。
《じっとしていようと思う。》
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1216878389912465408
毎日新聞統合デジタル取材センター記者の大村健一がツイートしている。
《団結すること自体は別にいいと思うんですけど、上から強制的に団結を促されるのは違うんですよね。時期的にもさじ加減の難しい事柄に土足で踏み込んでしまった感じがします。》
https://twitter.com/k_oomura/status/1217247762531549185
毎日新聞統合デジタル取材センター長の齊藤信宏も私と同じであった。
《#全員団結 ってやっぱり私は違和感を覚えます。》
https://twitter.com/nobusaitoh/status/1217078273844211712
毎日新聞新潟支局ま井口彩はツイッターで指摘している。
ラグビーW杯の「ワンチーム」は、人々の違いや多様性を認める、すごく素敵な言葉。「全員団結」はこれと似ているようで全く逆の視点から作られた言葉なんじゃないかと思う》
https://twitter.com/IguchiAya/status/1217483295476240385
松井計のツイートには皮肉がこもっている。
《1億3千万が全員、団結してオリンピックに集中すべし!てのは何? その間の生産活動なんぞは全部、止めてオリンピック一筋! て話しかね。んなことしたら、オリンピックが終わったあとにみんなが困ると思うけどね。》
https://twitter.com/matsuikei/status/1217227346207338496
こんなツイートも発見した。
《党中央を核心とする安倍晋三の領導下、日本人民が #全員団結  し、オリンピック闘争を完遂することによって、新時代日本は力強い一歩を踏みしめます。二千年間一つの民族として団結した日本民族の誇りと力を今こそ全世界にアピールしなければなりません。》
https://twitter.com/1919dondon_/status/1217310448686514177
毎日新聞統合デジタル取材センター記者の大村は、こうもツイートしている。
《あと取材してちょっと驚いたのは、このキャンペーン、パラリンピックは実は含まれてないんですよね。》
https://twitter.com/k_oomura/status/1217256820277837825
毎日新聞記者佐野格は、こう結論付けている。
《五輪を東京で開くことにそもそも否定的なんだが、全員団結といいながらパラリンピックと一緒じゃないというところから既にキャンペーンとして破綻しているような気がするのは気のせい?》
https://twitter.com/tadashi0712mai1/status/1217686985432653824
異議なし!

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2)【記事】ドコモショップ「クソ野郎」と顧客をメモで侮辱する

1月8日に投稿された、このツイートが総ての始まりだった。2.2万のリツイート、3.4万のいいねがついている。
《知人が携帯の機種変しに行ったら、書類に店長からのセールス指示書がまぎれていたと。内容がひどすぎる。》
https://twitter.com/tide_watcher/status/1214831805255188481
「ねとらぼ」は1月9日付「『親が支払いしてるクソ野郎』 ドコモ代理店の書類に信じられないメモ書き 受け取った本人に話を聞いた」を公開した。
ドコモショップの書類に残されていた信じられないメモ書きがTwitterで拡散されています。「親が支払いしてるから、お金に無トンチャク」「つまりクソ野郎」と利用客を侮辱したうえで、プランの追加を勧めるよう指示が記されています。
編集部では、メモを受け取ったAさんに取材。あわせてNTTドコモ本社にコメントを求めました。》
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2001/09/news126.html
当然のことながらツイッターのタイムラインで反響を呼ぶことになった。こんな感じである。
《えっ、ドコモ社員って客のことをクソ野郎だと思ってたんですか?僕もドコモ社員のことをスマホのプランを変えにきただけなのにしつこく光回線のことを勧めてきてクソ野郎だと思ってたので、これでお互いにクソ野郎ですね!》
https://twitter.com/yuzutz/status/1215427523594448896
《ドコモ代理店の書類で「親が支払いしているクソ野郎」とか書かれているよりも嫌われていそうな「ひとりで何回線も契約しているのキモいし、やたらプランとか案件に詳しくて最低料金しか払わないクソドケチオタク野郎」とか言われてそうなガジェクラの皆さん》
https://twitter.com/tana_p/status/1215424199797420033
《これは酷いですよ! docomoショップに直営店はありません。全てF.Cです。店によって対応が全然違います!ハッキリ申し上げて社員さんのレベルが低いです。去年、凄い格安でタブレットが付いてきますから如何ですか?と店員さんに勧められて契約しました。それがファウェイ》
https://twitter.com/yuka551550/status/1215562352017305600
NTTドコモは1月10日には「一部報道における不適切なお客様応対に関するお詫び」を発表している。
《このたび報道にあるようなお客様を侮辱した不適切な応対が発生し、お客様にご不快な思いをさせてしまったことは、誠に申し訳なく、深くお詫び申し上げます。
 ドコモとして、今回の事態を重く受け止め、徹底した原因究明を行い、再発防止に向け早急に対策を実施してまいります。》
https://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/page/200110_00_m.html
しかし、事態はこれで収まらない。むしろマスメディアをも巻き込みながら拡散、炎上していった。
1月13日には、テレビ朝日系の「羽鳥慎一モーニングショー」が取り上げた。スポーツ報知は1月13日付で「ドコモショップ侮辱メモ問題、『モーニングショー』で被害男性同席で店側を取材…『たまたま、たまたまああいうことをしてしまった』」を掲載している。
《番組では、侮辱された男性を取材。さらに当該のドコモショップを取材した際に、男性の希望で同席する映像を放送した。運営会社の担当者は番組のインタビューで男性へ「お客様には不快な思いをさせまして心より反省しております。申し訳ございませんでした」などと謝罪した。》
https://hochi.news/articles/20200113-OHT1T50037.html
ITmedia NEWS」は 1月14日付で「『あれがドコモショップのリアル』──“クソ野郎”事件はなぜ起きたのか 現役店員が漏らした本音」を公開した。
《「クソ野郎」などと客を侮辱する内容で、当該ツイートは2万RTされるなど話題に。メディアも9日には報道し始め、NTTドコモは10日に謝罪を発表。問題の発生した「ドコモショップ市川インター店」を運営する兼松コミュニケーションズは、当該店舗を「社員研修のため、11~14日の間お休みする」とした後、「当面の間臨時休業」にあらためた。》
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/14/news128.html
スポーツ報知は1月15日付で「ドコモショップ『クソ野郎』侮辱メモ問題…毒舌・有吉は『クソ野朗』やくみつるが明かす」を公開している。
《漫画家のやくみつるが、11日放送のTBSラジオ「ナイツのちゃきちゃき大放送」(土曜・前9時)に出演し、NTTドコモが千葉県内のドコモショップで、従業員が来店者を侮辱する対応を行っていたことについて、パーソナリティーのナイツ・塙宣之、土屋伸之とトークを繰り広げた。》
https://hochi.news/articles/20200115-OHT1T50073.html
「NEWSポストセブン」は1月16日付で「女性セブン」1月30日号に掲載された「ドコモ『クソ野郎』メモ事件に見る『外面』を守る重要性」を公開した。
《1月6日、千葉県に住む男性・Aさんが、携帯電話の機種変更をしようとドコモショップを訪れた。その時、販売員から手渡された3枚の用紙の中に、「クソ野郎」「親が支払いしてるからお金に無トンチャク」などと、客を侮辱する手書きメモがあった。販売員の不注意で内部資料を、いちばん見せてはいけない客に見せてしまったわけ。
と、ここまでなら、ありそうな話よ。驚くのはこの後。「クソ野郎」と書いた本人、店長が「私がメモを書きました」と出てきて、へらへら笑いながら謝罪の言葉を述べた。そして「うちの社員にも同じような人間がいて、その人間のことを『クソ野郎』って呼んでいるんです」と。》
https://www.news-postseven.com/archives/20200116_1526143.html

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3)【記事】「女性専用車両」報道はミソジニーの可能性が大であ

毎日新聞は1月17日付で「女性専用車両『男性の目がないから…』TV番組炎上 『痴漢こそ問題視すべきだ』声も」を掲載している。
《「化粧や香水の匂いがきつい」「男性の目がないからマナーが悪い」――。テレビ朝日やTBSの情報番組で最近、電車の女性専用車両でのトラブルや「乗りたくない女性」を取り上げる特集が相次いで放映された。ネット上では「トラブルは一般車両でも起きる」「専用車両をネタにした女性たたき」などと炎上。電車内の痴漢被害が多いにもかかわらず、専用車両を「男性差別」と訴え廃止を求める動きも根強くあり、「メディアは痴漢こそ問題視すべきだ」と警戒する声も上がった。ツイッター上では、ハッシュタグ「#女性専用車両は必要です」も登場し、性被害の実態を訴える声が広がっている。》
https://mainichi.jp/articles/20200117/k00/00m/040/227000c
テレビ朝日系の「羽鳥慎一モーニングショー」が1月13日の放映で特集したことから炎上が始まった。次いでTBS系の「グッとラック!」と「Nスタ」で取り上げた。毎日新聞の記事を書いた毎日新聞統合デジタル取材センター記者の中川聡子がツイッターに次のように投稿している。
《放送を確認するのが苦痛で苦痛で
2020年にもなって「男がいないからこそ起きるオンナのバトル!」、ほんとついていけない。痴漢が止まず、適切に処罰もされない国では #女性専用車両は必要です 。そして、女性がどの車両に乗ろうが勝手だし指図される筋合いもありません。》
https://twitter.com/nakagawas1/status/1218149726316453888
北原みのりが中川をリツイートしたうえで喝破する。
女性専用車両批判で気持ち悪いのは「男がいないから女がだらしなくなる」という発想。「男様中心」の歪んだ認知を、恥ずかしげもなく披露出来ることも含めて、ジェンダーギャップ121位である所以だ。「男の視線」のなかに、女の人生小さく押し込めるの、やめろ。》
https://twitter.com/minorikitahara/status/1218409996943331328
小説家の福田和代もやはり中川をリツイートしている。
女性専用車両については、「痴漢なんかする男性がいるせいで、俺たちが世界中で恥ずかしい」と、まともな男性が一番怒って当たり前だと思うのですが。どうして女性に矛先を向けようとするんですかね?》
https://twitter.com/kazuyo_fuku/status/1218476218523107329
ミソジニーを疑わざるを得まい。小川たまかが「YAHOO!ニュース」に1月17日付で「番組制作者は『女同士のバトル』がお好き? ミソジニーまみれの女性専用車両バッシング」を寄稿している。
《ちなみに私が2015年頃から痴漢を含む性暴力の取材を始めたきっかけは、「女性専用車両が必要と答えた60代女性が7割いる」という調査結果について男性ライターが「痴漢も人を選ぶと思いますけどね」と書いたネット記事を見て、心から悲しく感じたからです。
女性専用車両に乗る女性に向けて、そのような嘲笑が浴びせられることがある。番組の出演者はこのような背景をまったく知らなかったのでしょうか。そうであるとすれば、彼らが女性専用車両についてまず知らなければならないのは、このことなのでは……?》
《女性の口から女性専用車両の「問題点」を語らせ、利用しづらさの原因は女性たちの行動にあるという流れを作り、番組の趣旨に合わせて共感を示した女性アナウンサーをいったんからかってから、「あなたは普通車両に乗らなくていいよ」と「許可」を与える。
今年も1月からとんでもないものを見たなと思いました。テレ朝さん、大丈夫ですか。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/20200117-00159238/
「BUSINESS INSIDER」は1月17日付で「『女性専用車両は戦場』報道に批判の声。TBS取材に答えた女性が『誤解』と告白、局は謝罪」(竹下郁子)を公開している。
女性専用車両でトラブルが起きる背景について、インタビューを受けた女性たちやスタジオの出演者からは、「男性の目がないから好き放題やっちゃう」「男性がいたらある程度は遠慮するんじゃないか」という意見が出ていたが、そもそも女性専用車両は痴漢被害対策の一環だ。その加害行為を透明化し、一部の女性が主張するマナーの悪い女性を取り上げ、「女 vs. 女」の構図を強調するような特集そのものが女性差別的だという意見もある。》
https://www.businessinsider.jp/post-205904
中部大学教授の玉田敦子は、日本では女性にとっては暴力も性暴力も日常だとツイートして自らの次のような経験をツイッターで報告している。
《報復が怖く黙ってたけど、先日、日中、電車で思いっきり膝を蹴られた。酔っぱらいでもなく、普通の勤め人風の男性だった。その日は急いでいて女性専用車両に乗ってなかった。目撃者もいて結構騒いだけど誰も助けてくれずじまい。日本では女性にとっては暴力も性暴力も日常。》
https://twitter.com/atsukotamada/status/1217758805909336064
自撮り熟女カメラマンのマキエマキも忌々しい体験を投稿している
《電車を降りたら冷たくてぬめぬめした液体が手について、なんだろうと思ったら精液だった。それが精液だとわかった瞬間のショックは、女性専用車両にあぶらとり紙が散乱などというデマを流す人にはわからないだろうなあ。まだリアル勃起ちんこも見たことがなかった、おぼこ娘の頃ですよ。》
https://twitter.com/makiemaki50/status/1217967752712880128
毎日新聞静岡支局記者の古川幸奈も自らの経験を踏まえてツイートしている。
《大学時代に使ってた電車は痴漢が本当に多くて(実際に何回か被害申告)、時間がある時は必ず先頭の女性専用車両まで歩いて行ってた。
単純に安心できる空間だったな。
だから、この放送の趣旨は全く理解できない。》
https://twitter.com/yukinafurukawaa/status/1218694446478323712
日下部元美は毎日新聞外信部の所属だ。
《高校生のとき「今日痴漢にあったわサイアク」って話は日常会話の中で普通に出る話でした。「毎朝近づいてくる変な人がいるから車両変えたらついてきた」みたいな話もあった。異常が日常という異常。》
https://twitter.com/MoKusakabe/status/1218757172168777728
フォーミュラカーレースドライバーの中林香は、テレビの情報番組が急に女性専用車両を取り上げ始めた狙いをこう推測している。
女性専用車両の件、急にTVで問題視しているのは、東京オリンピックで来日する外国人に見せられないというのが本音だとしたら、これがこの国をダメにしてきた最大の原因だと思う。問題の本質に向き合おうとせず、ただ隠そうとする。体裁だけ整えようとする。多くの問題がそうやって放置され続けている。》
https://twitter.com/kaokou11/status/1217748406967439360
「痴漢とはなにか 被害と冤罪をめぐる社会学」(エトセトラブックス)の牧野雅子がツイートしている。
女性専用車両を作らねばならないほど痴漢という性暴力が多いことを、恥じるどころか、トンチンカンなことを平気でいえるとは、痴漢を生んでいる社会の構成員としての自覚がない、ということなのだろう。二重三重に恥ずかしいわ。》 
https://twitter.com/mhmakino/status/1217439382216400897
女性専用車両は、痴漢という性犯罪をしっかりと取り締まってこなかった男社会の無責任を表象しているのである。LGBT差別などをテーマにして来た松岡宗嗣の見方は、こうだ。
女性専用車両が必要な背景となる問題には切り込まず、女性専用車両を女性に批判させるというのが、(おそらく番組制作側は男性が多いだろうから)権力側によってマイノリティ同士の分断を煽るような構図に見えてきつい。》
https://twitter.com/ssimtok/status/1217642881386594305
地下鉄御堂筋事件を忘れてはなるまい。「弁護士ドットコム」が2019年3月18日付で「女性専用車両の機運高めた30年前の「御堂筋事件」…痴漢を注意したら強姦被害」を公開している。
《1988年11月4日午後9時ごろ、大阪市営地下鉄御堂筋線本町ー心斎橋間の電車内で、2人組の痴漢行為に対して注意した当時20歳の女性が逆恨みされました。2人組は女性の首などをつかみ、大阪、堺市内を連れまわしました。午後11時50分ごろ、マンション建築現場に連れ込み、ノコギリで脅して強姦しました。大阪地裁堺支部は、被告人に3年6カ月の実刑判決(求刑4年)を下しました。》
https://www.bengo4.com/c_18/n_9348/
FRaU」が1月16日に公開した「日本の#MeTooが盛り上がらない『本当の理由』」で白川桃は、こう書いている。
《メディアは「男女の区別はない世界」と言われるが、大手メディアで働く人の構成を見てみると、女性比率は新聞、テレビ局などマスメディア全体で2割。管理職になるとさらに5%程度というジェンダーバランスである。女性は女性であることでまず差別され、さらに子供を持つと働き方で差別される。》
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69748
FRaU」を運営する講談社の女性管理職比率はどうなっているのか知りたいところだが、いずれにせよ、中川聡子が呟く。
《マスコミの女性比率は2割。これってつまり、差別なんです。差別があるから、女性がいられないのです。数は力。力がほしい。》
https://twitter.com/nakagawas1/status/1218409585079250945

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4)【本日の一行情報】

◎日刊スポーツは1月17日付で「#KuToo発信石川優実氏が中傷に法的措置を検討」を掲載し、石川の著書「#KuToo-靴から考える本気のフェミニズム」の版元である現代書館が石川に向けられたネット上の誹謗中傷に対して抗議を発表したことを報告している。
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202001170000500.html
これが、その抗議だ。次のような部分をしっかりと押さえておきたい。
《…ウィキペディアには、「著作権侵害にあたるとする弁護士がいる」と当初その弁護士の実名を挙げて投稿した人物がいた。
1月17日現在、何故か弁護士名が削除されるにいたっているが、にもかかわらず「石川の著作が著作権侵害にあたるとの見解を示す弁護士もいる」という記載を公表し続けている。
そこには、引用であるとの弊社見解への反論はなく、単に弁護士の意見なるものが弁護士名を匿名化したうえで併記され、あたかも著作権侵害の見解に法的な根拠があるかのような記載を続けている。投稿者がこのような見解を維持するのであれば、明確な根拠に基づく反論を明示すべきであり、そうでないなら記載を速やかに削除すべきである。》
《前記弁護士のツイートの章表現はわかりにくいが、そのツイートを読むと、ツイート上での当時のやり取りにおいて石川さんが反論していた自己の意見を本書の中で補充していることを指して、同一性保持権侵害らしき非難をしているに過ぎない。
しかし、石川さんが「他人の著作物」に手を加えた部分はなく、自己の著作物を補充したに過ぎないのであるから、そもそも同一性保持権侵害の問題ではない。何故なら、同一性保持権侵害とは、引用その他において、「他人の著作物」に手を加えることだからである。反論すら不要と判断して無視した理由はここにある。》
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/100.htm
石川優実の「#KuToo」を一読して、石川の「本気のフェミニズム」は誰かの言葉を借りたものではなく、自前の言葉をもって紡ぎ出されていることからしても、SNSでは相当なバッシングを食らうことになるだろうとは、ある程度、予想していた。バッシングが強いほど、石川の「#KuToo」の社会に対する影響力も大きくなるとも思っていた。それだけに今回、現代書館から発表された抗議は、まさに時宜を得たものである。

◎「春オンライン」は1月17日付で田村栄治の《「女性との間に『温かなもの』があった」“性暴力”広河隆一氏、「報告書」の身勝手な主張》を公開している。
《とりわけ私が引っかかったのは、次の認識だ。
「男女がたとえ、地位や力の世界であっても、すべてがセクハラが絡む関係とならないはずだ。セクハラという言葉で関係が語られたその瞬間に、それまでの男女の心の中に育ったはずの温かなものは、一切なかったように女たちは語り始める。あの時期はそれほどひどいものだったのか、あの時語り合ったことは、そんなに色あせたものだったのか、男たちは愕然とする。そして残ったのは加害と被害だけなんてひどすぎる、と考える」(検証報告書41ページ、107ページ。太字は筆者)》
《おそらく広河氏は、女性たちとの間には「温かなもの」があったのだから、セックスはその延長線上の、恋人同士の行為だったとでも言いたいのだろう。
だが、広河氏と被害女性との間に「温かなもの」などあったはずがない。
そして、この救い難いほど身勝手な広河氏の認識が、彼の性暴力の根源にあったと私は思う。》
https://bunshun.jp/articles/-/26682
「落ちた偶像」という言葉を思い起こしている。

共同通信は1月16日付で「漫画海賊版サイト対策で報告書 2次創作物ダウンロードは容認」を発表した。
《全ての著作物を対象に、インターネット上に無断で掲載されたと知りつつダウンロードする行為を違法化して規制するのが柱。一方で「ネット利用者が萎縮する」との懸念に配慮し、軽微なダウンロードや、パロディーを含む2次創作物のダウンロードは違法としない。》
https://this.kiji.is/590486378496459873?c=113147194022725109
弁護士の福井健策がツイートしている。
《報告書が出ました。「軽微なもの」と「翻案作品」のDLを違法化対象から除くのは合意に至りました。「著作権者の利益を不当に害する場合」への限定は賛否が割れ、両論併記です。検討は政治の場へ。》
https://twitter.com/fukuikensaku/status/1217759855496163328

◎「Business Insider Japan」は1月15日付で「グーグルが27兆円でセールスフォース買収を検討?クラウド事業でマイクロソフトを抜く“近道”との指摘」を公開している。
RBCキャピタル・マーケッツは株価分析が専門。2020年のソフトウェア産業の展望レポートでは、「グーグルはセールスフォースを買収することでマイクロソフトを抜き、クラウド分野で第2位に躍進することを狙っている」としている。
https://www.businessinsider.jp/post-205689

◎「CNET Japan」は1月15日付で「グーグル、小売店向けプラットフォームのPointyを買収--在庫情報をオンラインに」を公開している。
アイルランドの首都ダブリンを拠点とするPointyは、Googleの小規模事業向けサービスポートフォリオに加わり、検索ポータル全体でより多くのEコマースツールを組み込むGoogleの取り組みを支援する。》
https://japan.cnet.com/article/35147996/

◎ロイターは1月15日付で「グーグル、2年以内に広告目的のクッキー利用制限へ」を発表している。
《対象となるのは、いわゆるサードパーティー・クッキーで、広告ソフトウエア会社などが自ら運営していないサイトでクッキーを使ってユーザーを追跡することを制限する。》
https://jp.reuters.com/article/alphabet-google-privacy-idJPKBN1ZD2UJ
東洋経済オンライン」は1月17日付で「グーグル『閲覧データ』提供停止に広がる波紋」を公開している。
《このクッキーが活用できなくなれば、ネット上の行動を監視されているとユーザーが感じる場面は減る一方、ターゲティング広告の精度は落ち、自分の関心からかけ離れた広告が頻出する可能性がある。》
https://toyokeizai.net/articles/-/325063

◎ナタリーの1月15日付「岸本斉史野球マンガや『ハイキュー!!』読切版など集めた『読切パック』第4弾」によれば「少年ジャンプ+」にて「週刊少年ジャンプ」(集英社)の電子版を定期購読しているユーザーを対象に、「週刊少年ジャンプ レジェンド読切パック」vol.4が配信されているという。
https://natalie.mu/comic/news/363186

◎「アニメ!アニメ!」が1月14日付で公開した「『アマゾンで売れたコミック』トップ100冊…『鬼滅の刃』旋風止まらず! 上位20中19タイトルを独占【1月1週】」によれば、2位に「ワンピース」第95巻が割り込んでいる。いずれにしてもベスト20を集英社が独占している。21位は小学館の「銀の匙」。
https://animeanime.jp/article/2020/01/14/50905.html

◎「聲の形」で知られる漫画家・大今良時が「週刊少年マガジン講談社刊)で連載しているファンタジー漫画「不滅のあなたへのテレビアニメ化が決定し、NHK Eテレで10月から放送される
https://eiga.com/news/20200115/2/

◎1月14日付時事通信の「『宅ふぁいる便』3月末終了 不正アクセス受け停止中」は、こう書いている。
大阪ガス子会社オージス総研(大阪市)は14日、ファイル転送サービス「宅ふぁいる便」を3月末で終了すると発表した。昨年1月に不正アクセスを受けて以来、停止していたが、システム再構築などのコストに見合う採算が取れないと判断した。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020011401065&g=eco

◎アニメハックによれば3月19日に開業するライブエンタメビル「Mixalive TOKYO」(ミクサライブ東京)のこけら落とし公演は、VR劇「鈍色とイノセンス~Mixalive殺人事件 45年目の真実~」だそうである。
https://anime.eiga.com/news/110310/

春オンライン1月15日付「カジノ業者を審査・監督 『カジノ管理委員会』女性委員が“記事盗用”トラブル」の「主役」は「週刊ダイヤモンド」元副編集長の遠藤典子だ。遠藤の夫は「週刊ダイヤモンド」元編集長の辻広雅だ。
https://bunshun.jp/articles/-/26298
私の記憶に間違いがなければ、2014年にこの件を報じたのは「Business Journal」だけであった。

◎LINEが提供する小説アプリ「LINEノベル」は、アプリ内の作品詳細ページと投稿作品ページの表示をリニューアル、より多くの作品に触れやすい仕様にアップデートしたそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001995.000001594.html

ADKマーケティング・ソリューションズ(ADK MS)は、デジタル・ソーシャル領域のPRに強みを持つキャッチボールとの業務提携契約を締結した。この提携を通じて両社で連携し、デジタルPRを組み込んだ統合型コミュニケーションの提案力をより充実させていくという。
https://www.adk.jp/assets/uploads/2020/01/38ea1e42ddb966b2249b64ad530cca9e.pdf

朝日新聞デジタルは1月15日付で「差別的投稿『許されない』 東大、特任准教授を懲戒解雇」を掲載した。
東京大学は15日、ツイッターで国籍や民族を理由とする差別的な投稿をしたなどとして、大学院情報学環・学際情報学府の大澤昇平特任准教授を懲戒解雇処分とし、発表した。処分は15日付。》
https://www.asahi.com/articles/ASN1H43F5N1HUTIL013.html
大澤昇平は納得できない様子だ。
《処分は不当だ。日本の AI 技術の発展を軽んじ、アジア諸国の多様性を重んじた東大の対応は明らかに間違っている。》
《こちらは何も悪いことをしていないので反省も何もありません。不愉快ですよ。》
《昨日口頭による弁明はしたんですけどね。全無視でしたね。》
https://twitter.com/Ohsaworks/status/1217282431633391616
https://twitter.com/Ohsaworks/status/1217393734951657472
https://twitter.com/Ohsaworks/status/1217431036054753280
朝日新聞記者の鮫島浩がツイートしている。
《東大特任准教授の差別ツイートがネット空間を飛び交った時、テレビ新聞報道の出足は鈍かった。東大が処分を決めてからではなく、差別発言が広がった時点で自らニュース性を判断し、いち早く報じるのがジャーナリズムである。今のテレビ新聞はネット界では最後尾を走っている。》
https://twitter.com/SamejimaH/status/1217604544185565184

◎Title店主の辻山良雄が「幻冬舎plus」に連載している「本屋の時間」。第76回は「本という共通言語」だが、次のよう一節に私は心の底から納得した。
《新刊書店が扱う〈いま〉の幅広さを横軸、古書店が担う本の奥深さを縦軸としたとき、この古本市を行っている時期が、いちばん店全体として本の可能性を見せているようにも思う。》
https://www.gentosha.jp/article/14681/
ツイッターにも次のように投稿している。
《小さな店でも新刊本を「横軸」、古本を「縦軸」にとって、ある一定のトーンを保ちながら品揃えした場合、本の世界の奥深さをある程度楽しんでいただくことは可能です。もちろんそこに並ぶ本が粒ぞろいであってこそですが。違いはあれど、新刊書店と古本屋は〈本〉で会話できる》
https://twitter.com/Title_books/status/1217242583983771648

◎光社は「スクワット」「みそ汁」など数々の健康ブームを作ってきた小林弘幸教授の「死ぬまでボケない 小林式グーパー体操」を11月20日に発売したが、発売即増刷となったそうである。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000253.000021468.html

◎「ねとらぼ」は1月15日付で「アイスキャンディーやオルガンにそっくり! 大阪の『街の本屋さん』オリジナルのブックカバーに『かわいい』『欲しい』の声」を公開している。
《正和堂書店のオリジナルブックカバーは、ブックカバーとしおりをあわせると「アイスキャンディー」や「オルガン」が出来上がったり、書店のおまけとは思えない楽しいデザインが特徴。季節にあわせてデザインを変えているというブックカバーは、書店を経営する家族の1人が自らデザインしているそうです。》
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2001/15/news083.html
正和堂書店はインスタグラムなどSNSを使うのが得意の書店でもある。空犬太郎が2019年9月30日付で「インスタ、ブックカバーで話題の街の本屋さん……大阪・鶴見の正和堂書店」をエントリし、次のように書いている。
《こちらが、同店の名前がSNS利用者の間で広く知られるようになるきっかけとなったSNSの連動棚。インスタグラムで紹介した本を集め、それに推薦コメントや「いいね!」の数などを表示して並べています。
この棚だけでなく、店内のあちことに、SNSやネットで話題の本である旨や、いくつ「いいね!」がついたといった情報を記した案内がされています。SNSで見かけた本がうろ覚えでも、あ、あの本かも!とお客さんは気づきやすいでしょうし、ネットやSN