【文徒】2020年(令和2)1月31日(第8巻19号・通巻1676号)


今井照容責任編集【】2020年(令和2)1月31日(第8巻19号・通巻1676号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】ラノベ作家と青森のセブン-イレブン階上蒼前西7丁目店が自然発生コラボを実現
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】ラノベ作家と青森のセブン-イレブン階上蒼前西7丁目店が自然発生コラボを実現

「ふたまん+」が「ラノベ作家考案『コンビニレシピ』をセブンイレブンが宣伝、お惣菜の隣にラノベが置かれる珍展開に!?」を公開している。
《『弱キャラ友崎くん』(小学館)などの作品で知られる小説家の屋久ユウキ氏が、セブンイレブンのお惣菜を使ったお手軽レシピをツイッターで紹介。これがセブンイレブンの店舗スタッフの目に留まり、実際に店内で紹介されたことが話題を呼んでいる。》
https://futabanet.jp/articles/-/80421?page=1
事の発端となったのは1月22日、屋久ユウキツイッターに「屋久ユウキの〆切ギリギリ飯」として投稿したセブンイレブンのお惣菜を使ったレシピだ。
屋久ユウキの〆切ギリギリ飯
炊飯器に米3合を漬けておき、そのまま最寄りのセブンイレブン向かう
この3つを買ったら帰宅、焼き鳥をレンジで解凍し、筑前煮とともにキッチンばさみで適当な大きさに切る
すべての具材を醤油大さじ1杯と一緒に炊飯器へぶち込む
炊飯ボタンを押すとこうなっている》
https://twitter.com/Yaku_yuki/status/1219944127455842304
屋久ユウキは翌1月23日には、こうツイートしている。
屋久ユウキの〆切ギリギリ飯、担当編集から「そんなことしてないで執筆してください」って注意されるかと思ってたんだけど、今日打ち合わせで顔を合わせたときに「あれ美味そうですね…」って言われたのでちょろいです》
https://twitter.com/Yaku_yuki/status/1220320137489698816
ハナシはこれにとどまらなかったのだ。青森のセブン-イレブン上蒼前西7丁目店が屋久ユウキの「〆切ギリギリ飯」に反応したのだ。セブン-イレブン階上蒼前西7丁目店は1月23日に屋久ユウキに次のようにリプライしている。
《美味しそうなのでお店で紹介したいのです!
ツイートをPOPにして掲示したいのですが、使用許可頂けますでしょうか?》
https://twitter.com/711hashikami/status/1220195467759214592
屋久が応じた。
《大丈夫ですよ! みんなに美味しく食べてほしいです》
https://twitter.com/Yaku_yuki/status/1220247457717604353
セブン-イレブン階上蒼前西7丁目店は売り場の写真とともに1月26日にこうツイートした。
屋久ユウキ先生の〆切ギリギリ飯がおいしそうだったので、オススメPOPを作りました!
惣菜&冷凍食品で出来る炊き込みご飯
包丁不要、キッチンばさみでOKなところもギリギリ感あっていいですね~。
ギリギリな方も、そうでない方も、お試しください!》
https://twitter.com/711hashikami/status/1221090033983049728
このPOPには重要な情報が抜けていたという。再びセブン-イレブン階上蒼前西7丁目店がツイート。
《POPに重要な情報が抜けていたので、追加しました。
アニメ化進行中!
屋久ユウキ先生の『弱キャラ友崎くん』シリーズ、セブンネットショッピングで販売中!!
セブン-イレブン受け取りなら送料無料!》
https://twitter.com/711hashikami/status/1221423758323277826
セブン-イレブン階上蒼前西7丁目店は更に怒涛の展開を見せる。何と総菜の隣に「弱キャラ友崎くん」を置いてしまうのだ。
《取り急ぎ1巻を用意しました!
2巻以降はすぐに準備出来なさそうなので、セブンネットショッピングへどーぞ!
商品よりもPOPの方が大きくなってしまった…》
https://twitter.com/711hashikami/status/1221617527450558464
屋久ユウキの次のようなツイートに爆笑した。
《史上初、セブンイレブンのお惣菜コーナーで冷やされているライトノベル》
https://twitter.com/Yaku_yuki/status/1221661440349626368
セブン-イレブン階上蒼前西7丁目店は「弱キャラ友崎くん」に人気商品のPOPをつけている。屋久ユウキツイッターで報告している。
《しれっと「人気商品」のポップつけられてるの笑う》
https://twitter.com/Yaku_yuki/status/1222471894831525889

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2)【本日の一行情報】

◎「@DIME」がトーハンと日販が発表した「2019年 年間ベストセラー」のうち、「単行本 ビジネス書」を取り出している。ともに第1位「メモの魔力」前田裕二(幻冬舎)、第2位「FACTFULNESS」(日経BP行 日経BPマーケティング発売)、第3位「学びを結果に変えるアウトプット大全」(サンクチュアリ出版)となった。
トーハンの4位は「頭に来てもアホとは戦うな!」(朝日新聞出版)、日販の4位は「1分で話せ」(SBクリエイティブ)。「頭に来てもアホとは戦うな!」は日販ではトップ10に入っていない。「1分で話せ」はトーハンでは8位である。
https://dime.jp/genre/848550/
こういう記事は「NEWSポストセブン」でも読めるようになれば良いのだ。縦割りに存在するコンテンツに横串を差し込むアプローチが必要なはずだ。そうすれば編集者ひとりが一媒体を擁することも可能になる。

◎マガジンハウスも大河ドラマ商法に参戦したということだろう。マガジンハウスは、東京大学史料編纂所教授・本郷和人の「誤解だらけの明智光秀」を2月20日に発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000118.000030125.html

◎映画「"隠れビッチ"やってました。」の原作は同名の実話コミックエッセイ。その版元はどこかといえば、なんと光社なのである。刊行されたのは2016年9月である。「ダイヤモンドオンライン」が著者あらいぴろよにインタビューしている。1月29日付で公開している「男性依存で3年間に200人とデート、元『隠れビッチ』女性の心の穴」がそうだ。
《スポーツジムとかイベント、フリーマーケットで会った人たちですね。あとは映画館とか。職場など自分の生活圏の男性には手を出しませんでした。ビッチの評判が立ってしまうからです。道端で声をかけたりもしませんでした。ナンパされれば男性もワンナイトラブを期待するし、危険ですから。》
https://diamond.jp/articles/-/227130
男から好きだと告白されたらゲームオーバー。セックスはしない。
昨年、あらいは「虐待父がようやく死んだ」(竹書房)を出版している。主婦の友社から刊行された「ワタシはぜったい虐待しませんからね!」もあらいの作品だ。
https://twitter.com/comicessaytake1/status/1162179365267894272
https://twitter.com/pchaning/status/850528238191263744
「虐待父がようやく死んだ」について大塚ひかりツイッターで、こう評価している。
《買って読みました。この人の漫画は以前、ネットで少し読んだことありましたが、こんな大変な思いをしていたとは。母親とも距離を置く決意ができて良かったと思いました》
https://twitter.com/hikariopopote/status/1179691313186230272

◎第一回「日本おいしい小説大賞」に選ばれた古矢永塔子「七度笑えば、恋の味」が小学館から2月14日に刊行される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000527.000013640.html
古矢永塔子のツイート。
《私「今日の夕飯、海老で何作る?」
娘「絶対、海老炒飯!」
夫「エビチリ!」
私「(珍しくバチバチしてるな…)じゃあ二人で協議して決めてください」
(数分後)
娘「エビチリあんかけ炒飯に決まったよ~!」
私(合体した…!しかも二度手間で面倒なやつ!)
今日も夫と娘は仲良しでした。》
https://twitter.com/tokokoyanaga/status/1222336624693956609

朝日新聞の「好書好日」は1月28日付で「全国の書店員が選ぶ『MOE絵本屋さん大賞』2019のベスト10を紹介 大人の心にも刺さる作品が一堂に」を掲載している。ランキングトップ10は次の通り。
第1位 竹下子/作、町田尚子/絵「なまえのないねこ」(小峰書店
第2位 ヨシタケシンスケ「ころべばいいのに」(ブロンズ新社
第3位 シゲタサヤカ「たべものやさん しりとりたいかい かいさいします」(白泉社
第4位 ヨシタケシンスケ「それしか ないわけ ないでしょう」(白泉社
第5位 たにかわしゅんたろう/作、Noritake/絵「へいわとせんそう」(ブロンズ新社
第6位 かこさとし/作、鈴木まもる/絵「みずとは なんじゃ?」(小峰書店
第7位 junaida「Michi」(福音館書店
第8位 シャーロット・ゾロトウ/作、酒井駒子/絵・訳「ねえさんといもうと」(あすなろ書房
第9位 大森裕子「ねこのずかん」(白泉社
第10位 工藤ノリコ「ノラネコぐんだん おばけのやま」(白泉社
https://book.asahi.com/article/13077305

凸版印刷のグループ会社である電子書籍ストア「BookLive!」は、以前よりユーザーからの要望が多かった「完全削除」の機能を追加した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000022823.html

毎日新聞は1月29日付夕刊に「不登校経験、漫画に 『僕が変わったのは友だちとの出会い』 来月から双葉社HPで公開」を掲載している。
《漫画家が自らの不登校経験を赤裸々に描く作品が2月から、インターネット上で連載される。作者は名古屋市在住の漫画家、棚園正一さん(37)。5年前刊行した「学校へ行けない僕と9人の先生」(双葉社)が評判を呼び、不登校や引きこもりの相談を受けるようになったため、続きを描こうと決意した。》
https://mainichi.jp/articles/20200129/dde/007/040/031000c
「学校へ行けなかった僕と9人の友だち」がそうだ。

鈴木由美子のマンガ「いけいけ!バカオンナ」(講談社)の実写映画化が決まった。
https://news.mynavi.jp/article/20200129-962928/

Apple TV+の会員数だが、民間企業による調査の結果、米国だけでおよそ3,360万人の会員を有していることが分かったという。「iPhone Mania」は1月28日付で「Apple TV+の米会員数は3360万人~2カ月でHuluやDisney+抜く」を発表している。
Netflixの6,130万人やAmazonの4,220万人には及ばないものの、Huluの3,180万人、Disney+の2,320万人を上回っています。》
https://iphone-mania.jp/news-272645/

朝日新聞デジタルは1月28日付で「今も再発の恐怖 白血病で闘病、Jリーガーがつづる思い」を掲載している。
《昨年、白血病から復帰したサッカーJ2・アルビレックス新潟早川史哉選手(26)。その闘病時の心の動きなどを細やかにつづった著書「そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常」(徳間書店)が、4刷りを重ねる人気を博している。》
https://www.asahi.com/articles/ASN1T6T91N1TUOHB00B.html
映像化も期待したい。

サザンオールスターズ桑田佳祐が、2月13日発売「Number」997号(藝春秋)の表紙を飾ることになった。
https://www.oricon.co.jp/news/2154283/full/

◎3月21日(土)、3月22日(日)の両日、東京ビッグサイトにおいて「AnimeJapan2020」が開催されるが、KADOKAWAはメインエリア&「ファミリーアニメフェスタ2020」に出展するという。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000006742.000007006.html

◎LINEは2019年12月期の連結決算(国際会計基準)でシステム開発の中止にかかわる16億5500万円の損失を計上したと発表した。
https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/LINE_20200129_1_JP.pdf

毎日新聞は1月30日付で「香取慎吾さんら起用で敵を味方に 週刊春WOMAN 雑誌不況なんの、好調のワケ」を掲載した。
《スクープが売りの「週刊春」の女性版で、2018年末に創刊された「週刊春WOMAN」(芸春秋)が売れている。雑誌が売れない時代に、年3回の刊行ながら平均発行部数21万部を記録。創刊1周年を機に、年4回に増刊された。》
https://mainichi.jp/articles/20200129/k00/00m/040/194000c

尾田栄一郎の漫画「ONE PIECE」(集英社)がハリウッドで実写ドラマ化される。シーズン1全10話はネットフリックスによって全世界に配信される。
https://www.oricon.co.jp/news/2154239/full/

◎「日刊SPA!」が1月30日付で「日本企業はなぜ没落したのか。“チマチマ病”という悪弊/アマゾン元幹部に聞く」を発表している。アマゾンジャパン元経営会議メンバーで、「amazonの絶対思考」の著者である星健一は次のように語っている
《わずか30年ですが、この間に起きたのは「産業革命」と呼ぶべき変化だったと私は思っています。しかし、残念ながら日本の企業からは生まれなかった。そして、世界の中で奈落の底に落ちていったというのが、“いま”なのかなと思います。
にもかかわらず「日本は素晴らしい、まだ大丈夫」的なお気楽な風潮があります。製造業が経済の中心であった時代は日本の勤勉さ、高品質とその管理、継続した改善による高い生産性が世界経済を引っ張りました。その後のサービス産業の台頭の中においては、イノベーション、スピードなどの意識不足、コミュニケーション能力不足からグローバルプラットフォームになる会社が現れなかった。》
https://nikkan-spa.jp/1640806

電通メディアイノベーションラボ主任研究員の天野彬が朝日新聞の「好書好日」の「2ちゃんねるからTikTokまで SNSの歴史を追った電通の主任研究員がいま注目する新しいサービスとは?」に登場。天野は「スローなサービス」として「note」に注目している。
《遅いコミュニケーションとして挙げているものは、長いコンテンツのブログみたいなフォーマットですね。ちゃんと章を書いて、皆が考える土壌を作ることが大事だと思います。最近では「note」がそうですが、ユーザー数が着実に増えているのが面白い兆候だと感じています。「MAU」は約2000万人もいて、フェイスブックの日本での利用者数2700万に並びそうな勢いです。》
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200129-00010000-bookasahi-life&p=1

◎「週刊少年サンデー」(小学館)とサイバードは、漫画やスタンプ、アニメなど、「名探偵コナン」の全ての情報が詰まった「名探偵コナン公式アプリ」において、「正体に迫る!?RUM候補特集」を、1月29日(水)から2月25日(火)までの期間限定で実施する。この特集は、事件に絡むRUM候補達(黒田兵衛 ・若狭瑠美 ・脇田兼則 )のエピソードをセレクトし、「名探偵コナン公式アプリ」内で、全6エピソード20話を、1日1話無料で提供する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001733.000001661.html

京都新聞は1月29日付で「京都市長選で『共産党NO』広告 推薦人『事前に内容知らぬ』、現職側選挙母体『了承得ている』」を掲載している。
《西脇隆俊京都府知事や有馬頼底臨済宗相国寺派管長は「事前に知らなかった」とした。映画監督の中島貞夫さんは「推薦人は了承していたが、広告の掲載や言は聞いていない。共産党だからNOだとか排除するような考え方は間違い。きちんと政策を訴えないと逆効果」と語った。》
放送作家小山薫堂さんの事務所もネットで「事前の説明も了承もなかった」とし、堀場製作所は堀場厚会長の掲載について「広告を出すと聞いていたが、本人も秘書も内容は全く知らなかった」(経営管理部)という。》
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/146571

東京新聞記者の望月衣塑子が1月29日にこうツイートしている。。
《先週 #菅官房長官 に抗議して以降、3回連続で指されず。なんと番記者たちが「望月が手を挙げても指させない」と内々で決めたとの情報が届いた。 長官が他の記者を指名し続け時間切れとなり、 #上村報道室長 の発言を受けた幹事社が会見を打ち切れば、特定の記者を排除できる。今後のやりとり注視したい》
《「内々で決めた」との情報だったが、実際は、私の抗議以降 #菅官房長官 側が激怒し、番記者が指名を促しづらい状況に追い込まれているようだ。
本日の午前は報道室長が「次が最後」と私の手前で打ち切り。「いいですか」と確認する幹事に「あります」と言ってみたが、そのまま終了。午後も指さされず》
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1222386108308148224
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1222511135380738048
沖縄タイムス記者の阿部岳がツイッターで次のように指摘している
《問題は、何が「まともな質問」か、記者たちが当局の顔色をうかがって決めることにあります。
他の記者だって、いつ「まともじゃない」と排除されるか分かりません。
だから、これは望月記者の危機ではなく、メディア全体の危機です。》
https://twitter.com/ABETakashiOki/status/1222488690879946752
朝日新聞の南彰のツイート。
《官邸が「公務」を乱発して、不都合な質問を打ち切っている。記者の抗議で可視化されてしまった官邸は次に《オフレコ取材に応じない》という形で、官邸クラブに連帯責任と同調を迫るつもりだろう。2017年8月も同じだった。》
https://twitter.com/MINAMIAKIRA55/status/1222297801960280065
南のツイートを朝日新聞の鮫島浩がリツイートしている。
《望月衣塑子記者の抗議を官邸記者クラブは黙殺し続けるのか。官房長官会見のルールを一方的に決められ黙っているのか。官房長官に屈して質問制限に加担するのか。記者クラブはテレビ新聞の既得権と化し明らかに公益を害している。いよいよ終末期だ。フリーを含む権力取材の新たな枠組み構築が急務だ。》
https://twitter.com/SamejimaH/status/1222345508846309377

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3)【深夜の誌人語録】

イデアは秩序からは生まれい。アイデアが生まれるのは自由からだ。