【文徒】2020年(令和2)2月6日(第8巻23号・通巻1680号)


今井照容責任編集【】2020年(令和2)2月6日(第8巻23号・通巻1680号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】グーグル「ピクセル4」が日本上陸!米では過去最高益も株価は下落
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.2.6 Shuppanjin

1)【記事】グーグル「ピクセル4」が日本上陸!米では過去最高益も株価は下落

日経は2月4日付で「スマホ『触れずに操作』日本でも グーグル提供開始」を掲載している。
《米グーグルは4日、昨秋に発売した最新スマートフォン「ピクセル4」で、本体に触れずに手をかざすなどの動きで操作できる機能を日本でも提供を始めた。内蔵する小型レーダーを活用し、スマホの近くの動きを認識する。運転や料理などの場面で、手のしぐさで着信音を消したり、再生音楽の曲を変えたりできる。今後も手の動きで操作できる機能の拡充を検討している。》
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55224410U0A200C2X30000/
「Engadget 日本版」は2月4日付で「Pixel 4のGoogleアシスタントが爆速化、英語以外では日本語が初」を公開している。
《『新しい日本語のGoogleアシスタント』の特徴は、アプリやウェブサイトの立ち上げ、アラームの設定などといった各種動作が大幅に高速化したこと。
この高速化は、クラウドのデータセンター上にある言語モデルをコンパクト化する技術の進展により実現したもの。クラウドの代わりに一部処理をPixel 4内で行う、いわばクラウドとオンデバイスのハイブリッド処理モデルを導入することで、リクエストの一部をクラウドを経由せずに処理し、遅延の低減を図っています。》
https://japanese.engadget.com/jp-2020-02-04-pixel-4-google.html?4
ファミ通App」は2月4日付で「スマホに触らなくても操作できちゃう!Google Pixel 4が新機能Motion Senseの日本国内向け提供を開始」を発表している。
《新たなGoogleアシスタンスは、既存のものを純粋にバージョンアップした形。反応が高速になり、音量の設定やWi-Fi-のオンオフ設定などがより素早くこなせるようになるそうだ。
これらのアップデートは、ユーザーに劇的な変化は与えないが、日々の暮らしを少しだけだが確実に便利にしてくれるもの。》
https://app.famitsu.com/20200204_1584254/
タッチレスによって、インターネットは「身体化」することになるだろう。身体機能が拡張されるということである。
時事通信は2月4日付で「最高益も増収率鈍化 米グーグルの10~12月期」を発表している。
《米グーグルの持ち株会社アルファベットが3日発表した2019年10~12月期決算は、売上高が前年同期比17%増の460億7500万ドル(約5兆円)、純利益が19%増の106億7100万ドルとなり、いずれも過去最高を更新した。ただ、増収率は前年同期の22%を下回った。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020020400322&g=int
ブルームバーグ」は2月4日付で「GoogleがYouTube、クラウド収益を初めて開示」を公開している。
《米アルファベッド傘下のグーグルは3日、オンライン動画共有サービスのユーチューブとクラウド事業の売上高内訳を初めて開示した。発表資料によると、ユーチューブの2019年売上高は151億5000万ドル(約1兆6500億円)、クラウドは89億2000万ドルだった。》
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-02-03/Q55CBGDWLU6801?srnd=cojp-v2
日経は2月4日付で「米アルファベット、17%増収で予想下回る 10~12月決算」を掲載している。
スマートフォンや動画サイト「ユーチューブ」向けを中心に広告収入が増えた。ただ、市場予想(469億2700万ドル)は下回り、米市場の時間外取引で株価は下落している。》
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55212820U0A200C2000000/

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2)【本日の一行情報】


◎「Pen」(CCCメディアハウス)2月15日号の特集は雑誌の底力を見せてくれる「平壌、ソウル」だ。久しぶりに2冊買おうと思う。私は10代の頃から、これだと思った雑誌は2冊買うことにしている。このプランを考えた編集者に乾杯!雑誌はスキャンダラスでなければ、つまらないものだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000384.000011369.html

毎日新聞は2月4日付東京夕刊に「特集ワイド 雑誌の付録がすごい 実用的でオリジナル性高く 『デジタル化できないコンテンツ』」を掲載している。
《今や園児や小学生向けでなくても、雑誌に付録がついているのは当たり前だが、その雑誌付録がすごいことになっている。特に女性ファッション誌の豪華さには目を見張るばかり。付録の人気は雑誌の販売部数をも左右する。もはや雑誌の付録なのか、雑誌が付録なのかというレベルなのだ。》
https://mainichi.jp/articles/20200204/dde/012/040/024000c?fm=mnm
宝島社の雑誌の場合、雑誌が付録である。だから、商品としては強いのである。

秋田魁新報は2月4日付で「『秋田でマーチングやる!』 漫画アクションで連載スタート」を掲載している。
秋田県潟上市出身の漫画家山田はまちさん(埼玉県住、本名非公表)が、4日発売の「漫画アクション」(双葉社、第1、第3火曜日発売)で、本県を舞台にした作品「みかづきマーチ」をスタートさせる。山田さん初の連載。本県沿岸部の街にある「千秋(せんしゅう)高校」で、マーチングに打ち込む生の心の成長を描く。》
https://www.sakigake.jp/news/article/20200204AK0007/

◎「アエラドット」は2月3日付で「東京五輪“公式服”にドン小西、『腹が立つのを通り越して、悲しい』」を公開している。ドン小西は東京五輪日本選手団が着る公式服について次のようにダメだしをしている。
《これまでオリンピックの開会式の各国の行進を、仕事としてもチェックしてきたけどさ、はっきり言ってこれはない。しかも今回、日本は開催国。スポーツだけじゃなく、日本化もアピールしなくちゃいけないのに、特徴は国旗の赤白だけだもんな。》
https://dot.asahi.com/wa/2020013100011.html?page=1

紀伊民報が2月3日付で「『和歌山で新型肺炎』とデマ テレビの誤報、お詫びも」を掲載している。
《県職員が1月31日、和歌山市内のホテルで患者が発生したという情報が「ツイッター」で拡散しているのを発見。ほかにも白浜町のホテルで発生したという情報も得たが、県はいずれもデマと判断した。
テレビでも2月1日夜、県内で発生したという誤った情報が流され、県職員が対応に追われた。仁坂吉伸知事は3日の記者会見で「職員が大騒ぎになって、ほとんど徹夜状態になり、大変な目に遭わされた。とんでもないことだ、と抗議した」と話した。番組はその後、ホームページに「お詫(わ)び」を掲載し、訂正している。》
https://www.agara.co.jp/article/45534
マスメディアもツイッターに踊らされてしまったということである

図書印刷は、Web マーケティングや EC サイト構築・運営、システム開発事業を行っているUNIWORXの発行済み株式をすべて取得し、同社を子会社とした。
https://www.tosho.co.jp/files/6915/8043/7589/20200203-1.pdf

◎日販は2020年1月期の店頭売上前年比調査結果を発表した。店頭売上前年比は全体で101.9%。2か月連続での対前年プラスとなった。雑誌 95.6%、書籍 96.0%と、ともに前年を下回ったが、コミックが 123.8%と、4 か月連続での前年超えとなった。開発品も104.0%と好調。
https://www.nippan.co.jp/wp-content/uploads/2020/02/pos_202001.pdf

学研ホールディングスのグループ会社である学研メディカルサポートは、新型コロナウイルス感染拡大を受け、感染予防特別コンテンツをWebサイト上で無料公開した。
https://gakken-meds.jp/special/InfectionPrevention.html

◎「ニッポン放送NEWS ONLINE」の2月3日付「熱海を復活させたのはテレビの『AD』? その秘策とは」は熱海市役所・観光経済課の山田久貴が立ち上げた「ADさん、いらっしゃい」というプロジェクトについて次のように書いている。
《このプロジェクトは「ADさん、いらっしゃい」といい、テレビの情報バラエティ番組やドラマ、映画などの撮影にロケ地として選んでもらい、番組の企画を聞いて、それに見合うネタ・施設の情報提供、取材交渉から、エキストラ候補の地元住民の方の紹介や連絡調整などを行うが、これを山田氏1人ですべて行なっているという。》
https://news.1242.com/article/205703

◎「日刊ゲンダイDIGITAL」は2月4日付で「海外ロケができない…新型肺炎でテレビ制作現場が大混乱」を掲載している。
《「今回のコロナウイルスパニックの余波をもろにかぶってしまったのが日本のテレビ局です。海外ロケが基本、中止になったんです」(キー局関係者)
一番の問題は出演する芸能人サイドから保証を要求されることだという。》
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/268546

朝日新聞デジタルは2月4日付で「読売新聞の記者、覚醒剤使用容疑で逮捕 検査で陽性反応」を掲載している。
《警視庁は、読売新聞北海道支社千歳通信部記者の石橋武治容疑者(34)=東京都立川市=を覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで緊急逮捕した。4日、同庁への取材でわかった。石橋容疑者は調べに対し、「使っていない」と容疑を否認しているという。》
https://www.asahi.com/articles/ASN243JZWN24UTIL00K.html
昨年は読売新聞東京本社に出入りしていた毎日新聞常務の妻が覚醒剤で逮捕されている。
https://www.sankei.com/affairs/news/190208/afr1902080002-n1.html
出版社は大丈夫だよね?

◎「@DIME」(小学館)は2月4日付で「竹中平蔵氏がダボス会議で感じた日本のメディアの問題点と新しいメディアの可能性」を発表している。竹中は、こんな発言をしている。
《日本のメディアの最大の特徴は、取材しないで書く(笑)。》
《…最大の問題は日本にはスクール・オブ・ジャーナリズムが発達していないことですね》
《…新聞社のジャーナリストは、株式会社のサラリーマンであることがほとんどです。(営利企業である)株式会社に雇われている人で、かつ、ジャーナリストとしての訓練を基本的には受けていない。》
https://dime.jp/genre/851777/
こうした記事は「NEWSポストセブン」でも公開したほうが良いのではないだろうか。

◎2月5日付毎日新聞の東京彩人記は出版社「共和国」代表の下平尾直を取り上げている。下平尾の編集センスの良さは、今の時代に高見順のテロリスト小説「いやな感じ」を復刊させたことからも理解できるだろう。
https://mainichi.jp/articles/20200205/ddl/k13/040/020000c
「共和国」が早速、ツイッターに投稿していた。
高見順『いやな感じ』は刊行から少し時間が経った本ですが、こういう記事が出ることで、粘り強く店頭に並べていてくださる書店で売れてほしいと願うばかりですよ。ぜひ手に取ってご覧ください~》
https://twitter.com/Naovalis/status/1224896964963131392

日本漫画家協会と出版広報センターが、著作権法改正を求める共同声明を発表した。
《私たち日本漫画家協会および出版広報センターは、「侵害コンテンツのダウンロード違法化の制度設計等に関する検討会」における議論のまとめで示された措置について、かねてより私たちが求めていた「脱法行為を容易に招かず、かつ、善良なユーザーに過度な萎縮が生じない」バランスの取れたものであると受け止めています。
加えて、自由民主党および公明党における議論が、それぞれ提言として迅速にまとめられたことについても謝意を表します。各提言の内容に異存はなく、なかでも「違法アップロード対策の強化」は特に重要な課題だと認識しています。
私たちは、上記で示された内容に沿った「侵害コンテンツのダウンロード違法化」と「リーチサイト規制」のための著作権法改正案の通常国会への提出および成立を、強く願うものです。》
https://shuppankoho.jp/doc/20200204.pdf

◎この記事に思わず笑ってしまったのは私だけだろうか。産経新聞は2月4日付で「新聞記事をランク付けで掲示 立民・安住氏が謝罪 ハナマル、くず…産経は『論外』」を掲載している。
立憲民主党安住淳国対委員長らが4日、衆院予算委員会の質疑内容などを伝えた同日付の新聞各紙のコピーに「すばらしい!」「くず0点」「ギリギリセーフ」といった論評を書き添え、国会内の同党などの衆院会派控室のドアに張り出した。「政府に注 自民存在感」との見出しの産経新聞の記事は各紙よりも下方に掲示され、「論外」と書かれた。》
https://www.sankei.com/politics/news/200204/plt2002040042-n1.html
元NHK記者の安住は謝罪したようだけれど、政治学者の木下ちがやは、こう呟いている。
《いいぞ!安住!》
https://twitter.com/sangituyama/status/1224657250335088640
菅野完も呟く。
《「産経は論外」…正論じゃねぇかw》
https://twitter.com/noiepoie/status/1224669174460383232
これは前川喜平
《安住さんの気持ちは、わかる。》
https://twitter.com/brahmslover/status/1224867562988552192
盛田隆二のツイート。
《まあ一般人はフツーにやってるし、産経は大抵「論外」だし、国会議員にも新聞を批判する権利は当然ある。でも控室のドアに掲示するとはあまりに幼稚。情けないです》
https://twitter.com/product1954/status/1224712899932893185
最後に朝日新聞記者の三浦英之のツイートを紹介しておこう。
《こんなの笑い飛ばしておけばいいんじゃない、と思うのは僕だけなんだろうか。どう見ても冗談なんだし、批判を受けるのは書く者の宿命。あんまりギスギスやり過ぎると言論が痩せる》
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1224892308568436736

毎日新聞は2月5日付で「『プレジデント』 小倉健一・編集長」を取り上げている。
《ビジネス総合誌「プレジデント」が、月刊誌から月2回の発行になって今年で20年を迎える。経営戦略、資産形成、心理学、子育てまで多彩な内容で女性の読者が4割近い。新編集長の小倉健一さん(40)は「仕事に迷う読者にサクセスストーリーを提示したい」と語る。》
https://mainichi.jp/articles/20200205/ddm/015/040/035000c

藝春秋は鍼灸治療院Harriet Ginza[ハリエット ギンザ](旧:関口鍼灸治療院)を運営する、Heal the WORLDの「月曜断食」シリーズの新刊として、「月曜断食ビジュアルBOOK」を発売した。
https://www.atpress.ne.jp/news/204899
藝春秋がこういう本を出す時代なんだよな。そのくらい出版市場が縮小してしまったということである。

◎これは藝春秋の王道を行く書籍である。小柳ちひろの「女たちのシベリア抑留」は、2014年にNHKで放映された同名のドキュメンタリーをベースにしている。同番組のディレクターが小柳である。
https://mainichi.jp/articles/20200204/org/00m/040/006000d
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163911434
小柳は書いている。
《日本の敗戦後、満州北朝鮮樺太、千島列島から、ソ連、およびモンゴルの収容所に抑留された日本人は、厚生労働省の調べによれば、およそ五七万五〇〇〇人。その中に「数百人の女性もいた」という事実は、シベリア抑留について総括的に書かれた書物の中で必ず触れられている。しかし、女性たちがどのような経緯で抑留され、何を経験したのかについてはほとんど記述されていない。シベリアに女性も抑留されたという事実は、多くの場合「女性すらも容赦なく連行した」ソ連の非道さを強調するための枕詞に留まっている。
なぜ、女性たちの存在は忘れられてしまったのか。誰かが意図的にその存在を隠したのか。それとも、誰も注意を払わなかっただけなのか。》
https://books.bunshun.jp/articles/-/5206
こんなツイートを発見した。
《小柳ちひろ『女たちのシベリア抑留』、第八章「帰らざるアーニャ」は引き揚げを拒みソ連に残留した日本人女性についての章で、章初めには、こういう人もいたとのエクストラの章なのだろうと思いながらぼんやり読み進めうち、次から次へといろいろなことが出てきて圧倒される。》
https://twitter.com/urbansea/status/1221059275809640448
「原爆救護 被爆した兵士の歳月」も小柳のドキュメンタリーである。

◎光社から村岡恵理の「ラストダンスは私に 岩谷時子物語」が刊行されたのを記念し、女優・歌手として活躍す島田歌穂を迎えての公開インタビュー&サイン会が2月22日にESPACE BIBLIOエスパス・ビブリオ)で開催される。参加費は2500円。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000267.000021468.html

KDDIauコマース&ライフ(aCL)は、両社が運営する総合ショッピングモール「au Wowma!」(エーユー ワウマ)において、2月6日から、コミック、雑誌、実用書などが楽しめるau公式電子書籍サービス「ブックパス」単品購入の取り扱いを開始した。「ブックパス for au Wowma!」では、「au Wowma!」でのお買い物と同様に購入ができ、購入後すぐにシームレスに電子書籍を楽しめるようになった。また、au WALLET ポイント(au Wowma!限定)も利用できる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000077.000035663.html

西岸良平による「三丁目の夕日」が2月5日発売の「ビッグコミックオリジナル」4号で連載1000回を迎えた。これを記念して1964年(昭和39年)当時の国立競技場(=旧国立競技場)ペーパークラフトを付録としている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000539.000013640.html

小学館から「結愛(ゆあ)へ 目黒区虐待死事件 母の獄中手記」が刊行される。「女性セブン」(2月6日発売)、藝春秋」(2月7日発売)でも特集記事が掲載される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000538.000013640.html
ノンフィクションの小学館というイメージが私には定着しつつある

岩手日報は2月4日付で「亡き書店員の情熱『書籍に』 岩橋さん本紙連載記事、製作費募る」を掲載している。
《本の魅力を児童や若者に伝え続けた、亡き書店員の言葉を書籍化するプロジェクトが動き始めた。2019年1月に58歳で亡くなった花巻市の元書店員、岩橋淳さんが岩手日報で14年間続けた連載の書籍化を目指し、愛読者や親交のあった人たちが企画。製作費クラウドファンディングで募る。》
https://www.iwate-np.co.jp/article/2020/2/4/72355
岩橋は盛岡市のさわや書店の児童書専門店「MOMO」の店長だった書店人である。

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3)【深夜の誌人語録】

立ち上がるということは夢を見ることである。