【文徒】2020年(令和2)2月18日(第8巻30号・通巻1687号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】最近書店閉店事情 三月書房閉店 ひとつの直接性が倒れた!
2)【記事】「楽」を汚す楽天の送料無料施策に物申す!
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.2.18 Shuppanjin

1)【記事】最近書店閉店事情 三月書房閉店 ひとつの直接性が倒れた!

こういうニュースを読んでしまうと、やる気が失せるというか、何とも言いようのない脱力感に襲われる。終わった…。何が?自分で言っておいて、自分でも何が何だかわからない。でも、「終わった」という感情が私の全身を貫いている。頭の中ではザ・フォーク・クルセダーズの「悲しくてやりきれない」がかかりっ放しである。
三月書房は書店の中の書店であった。朝日新聞デジタルは2月17日付で「京都の名物書店、三月書房が閉店へ 吉本隆明さんら通う」を掲載した。
《人・社会科学の新刊本を中心に、独自の品ぞろえで知られる京都の名物書店「三月書房」(京都市中京区)が、5月の連休明けにも店頭販売を終える。オンラインでの通信販売も年内をめどにやめ、70年の歴史に幕を閉じる予定だ。》
《同じ寺町通沿いには、梶井基次郎の小説「檸檬(れもん)」で主人公がレモンを買った店のモデルになった「八百卯(やおう)」(2009年に閉店)などもあり、京都の知的風土を象徴していた。
https://www.asahi.com/articles/ASN2K3474N2JPLZB005.html
KADOKAWAの玉置泰紀が学生時代に毎日のように通っていた書店が閉店するのである。
https://twitter.com/tamatama2/status/1229242325332717568
夏葉社=島田潤一郎も「うわっ。」と驚いている。
https://twitter.com/natsuhasha/status/1229216430190546944
「植民地朝鮮の宗教と学知 帝国日本の眼差しの構築 越境する近代」(青弓社)の川瀬貴也の指摘である。私も京都のジュンク堂閉店などより遥かに大きなショックを受けている。
《四条のジュンク堂閉店よりも、ある意味ショックかも知れない。僕もそれほど利用してきたとは言えないが…。》
https://twitter.com/t_kawase/status/1229217667816407041
奈良大和郡山にある小さな本屋「とほん」は、開業前から三月書房の世話になっているという。
《とほん開業前から三月書房の宍戸さんには大変お世話なっております。閉店するとは聞いていたのですが、まだまだお元気なので先の話かと思っており、心の準備はできておらず、大変ショックです。お店に行かねば。》
https://twitter.com/tohontohon/status/1229233097381572608
京都の版元である法蔵館も閉店を惜しんでいる。
《「三月書房」さんが今年のGWを目処に店頭販売を終えられるとの報が入って参りました…。ネット販売はしばらく続けられるようですが、残念でなりません。
https://twitter.com/hozokan/status/1229218572024418304
図書出版ヘウレーカも呟く。
《残念です……。》
https://twitter.com/heureka2018book/status/1229247587582017536
歌人の松村正直は朝日新聞が報道する以前に閉店を知っていたようだ。
《「三月書房」が今年5月の連休明けにも閉店することが、今朝の朝日新聞の京都面に載っている。閉店の話は知っていたのだが、こうして新聞記事を読むと、現実のことなんだという感じが強い。近いうちにまた行ってみよう。》
https://twitter.com/masanao1970/status/1229189946679775233
同志社女子大学教授の山田邦和は、この近所に住んでいるのか。
《近所だったので、子供の頃から親しんできた書店。時代の流れなのかもしれないが、さみしい。》
https://twitter.com/fzk06736/status/1229218016568598530
朝日新聞記者の今井邦彦も残念だとツイートしている。
サブカルチャー系の雑誌や旧青林堂のマンガなどが充実していたので、30年前の学生時代にはよく通いました。「京都カルチャー」を感じられる店でした。残念です。》
https://twitter.com/imaikuni/status/1229215798129909760
綿野恵太も呟く。
《あらま》
https://twitter.com/edoyaneko800/status/1229213126140186624
「アフリカ」編集人の下窪俊哉もツイートしている。
《三月書房、もうすぐ閉店されるんですね。大阪・京都時代には、私もたいへんお世話になりました。ありがとうございました。》
https://twitter.com/michikusanoie/status/1229225557000245248
古書善行堂と三月書房のつきあいは先代からのことである。
《三月書房閉店のニュース。先代の恭一さんの時代から本当にお世話になりました。一番の思い出は、恭一さんに湯川書房に連れて行ってもらったこと。本屋は本を売るだけじゃないんだと教えてもらいました。中野重治全集を予約して毎月取りに行ったことも。善行堂、三月書房に感謝して、営業を始めました。》
https://twitter.com/zenkohdo/status/1229245231570149376
下北沢の「古書ビビビ」を経営している徳川龍之介が三月書房で買ったのは花輪丸尾の「無惨絵」だった。
《三月書房は車での古本旅の途中とかで2回行ったことあるなぁ。とっくに絶版でプレミア価格が8000円とかになってた花輪丸尾の「無惨絵」が普通に新品で売っててビビって飛びついた記憶。》
https://twitter.com/binbinstory/status/1229218423902593024
チャップリンヒトラー」の大野裕之の言う通りである。
《三月書房がなくなっても、今やネット上であらゆる本が手に入るやん、と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、情報のインプットってそんな簡単なことやないですよ。一人で検索するなんて知れてます。》
https://twitter.com/ono_hiroyuki/status/1229231109294018560
「わたしのブックストア」の北條一浩も三月書房に衝撃を受けた東京人であるようだ。
《京都の三月書房が閉店か・・・ もちろん、いつかそういう時は来るのだけど。私、東京から京都に行き、一切の予備知識なくふらふら歩いて「おっ、こんな所に本屋さんがあるぞ」と思って入ったのが三月書房で、あの時の衝撃は忘れられません。我ながら、最高の出会い方だったと思います。》
https://twitter.com/akaifusen/status/1229220235674177536
映画評論家の佐野亨にとっては「体の一部を失ったようなショック」だったそうだ。
《京都寺町通の三月書房閉店の報に、体の一部を失ったようなショックを受ける。一時期、東京と関西を行き来していたときはしょっちゅう訪れていたが、体調を崩してからしばらくご無沙汰しており(そのかんに先代の宍戸恭一さんが亡くなった)、去年の10月に久しぶりに訪れて山田稔の随筆集を買ったのだ。》
https://twitter.com/torusano1124/status/1229251212354056193
硫黄島ー国策に翻弄された130年」(中公新書)の石原俊も言葉を失っている様子だ。石原からすれば平凡社の松井純の訃報を踏まえてのツイートであったろう。
《ああ、三月書房まで…》
https://twitter.com/ishihara_shun/status/1229250049839755265
翻訳家の藤井千絵のツイート。
《本屋がおしゃれスポット化しているのが嫌で、三月書房みたいな街の本屋風でありつつもおもしろいのが見つかるのはいいと思っていたけど。いっぽうで、この書店に限らず、店主のこだわりの重みに年々耐える力がなくなっていて大垣書店にばかり行ってしまっていたというのはある…。》
https://twitter.com/fujii_chie/status/1229223401270571008
芸評論家にして俳人千野帽子島田清次郎BOXセットを三月書房で買っている。「地上」の島清である。
《三月書房のメルマガ、書店が縮小したり閉まったりしていく情報がよく書いてあって、読むと気が滅入るのである時期からやめたんだけど、とうとう閉めるのね。冷静にタイミング測ってた感じ。
三月書房で買ったものでいちばん印象深いのは島田清次郎BOXセットです。》
https://twitter.com/chinoboshka/status/1229214716381106176
三月書房閉店を惜しむ声、声、声!
《京都の三月書房が閉店する事になったらしい。ショックが大きい。唯一無二の書店だった。》
https://twitter.com/pushuca/status/1229227612498579456
《配達をやってなくても、家賃ナシ&家族経営の書店が閉じざるをえない状況はキツイな…錚々たるスジの通った品揃えやのに、敷居が低くて街の本屋の佇まいなのも魅力やったんよな
隣の船はしや総本店の猫を眺めつつ店に入るのも連休までか…》
https://twitter.com/sowhatdosickie/status/1229240638895341568
クラウドファンディングすればという声も聞いたけど、(本屋に限らず)こういう本当に素晴らしい個人店は主に個人の力で成り立っている。「後継者がいない」という言葉は重いよ。金が集まればできることじゃない。》
https://twitter.com/wkd21/status/1229236760145616896
《三月書房閉店は痛い。近年◯ホ◯座や◯光社などユニークな品揃えを売りにする本屋が京都に増えたし、そっちの方が若い人で賑わってる印象ですが、三月書房が持っているあの貫禄、「ガチ感」はそれらの店で代えの利くもんじゃない。そこには「サブカル」とサブカルチャーとの違いにも通じるものがある。》
https://twitter.com/64goldfish/status/1229210337318064128
《三月書房、レジの手前に吉本隆明のスペースがあったり、左端には『アースダイバー』シリーズが並んでいたりして、独特ながら知的な魅力を新鮮に保存している書店だった。なけなしの食費を削って『意味がない無意味』を買った時は渋い顔をしながらきちんとカバーを付けてくれた主人が印象的だったなあ。》
https://twitter.com/karpmonde/status/1229229877024321536
《三月書房がもうすぐ閉店するというニュース。去年10月の「三月書房販売速報」にもそれらしいことは書いてあったけれど、まだまだ先のことだと思っていた。たまに京都に行くときの楽しみだったんだけどな。》
https://twitter.com/sarutasensei/status/1229218841151983616
3代目店主の宍戸立夫は昨年10月8日付の「三月書房販売速報」に次のように書いていた。
《ごくゆるゆると、そう遠くはなさそうな、閉店に向けて、まことにのんびりと作業を進めているのですが、だれにせかされているわけでもないし、なんらかの期限があるわけでもないし、負債もまったくないので、いまいち急ぐ必要が感じられなくて、ほとんどはかどっていません。いまのところすこーし在庫が減りつつあるかなという程度です。うちの商売の現状は、たいして儲かっていないことを別にすれば、通勤時間はゼロだし、仕入れにも配達にも行かないし、従業員もいないしでまことに気楽なものです。
ちかごろは営業時間も短くしたし、お客も減りつつあるので、店番しているときも、読書したり、ネットで遊んだりで、ぜんぜん退屈しません。このままもうしばらく続けられないこともないのですが、今年で七十歳になったし、後継者も不在なので、元気なうちに整理せねばと思っているところです。日販だけとの取引だったら、いつ倒れてもさほど問題なく片づくはずですが、うちの場合はその他の細かな直接仕入れが多く、ネットでの通販も少なくないので、自分がやらないと、きれいに片づきそうにないのだけが問題です。
https://t.co/bjoPpljXN4?amp=1
そうはいっても私などは吉本隆明の「ちいさな群への挨拶」の次のような一節を引用せずにはいられない気分である。
《ぼくの孤独はほとんど極限に耐えられる/ぼくの肉体はほとんど苛酷に耐えられる/ぼくがたおれたらひとつの直接性がたおれる/もたれあうことをきらった反抗がたおれる/ぼくがたおれたら同胞はぼくの屍体を/湿った忍従の穴へ埋めるにきまっている/ぼくがたおれたら収奪者は勢いをもりかえす》

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2)【記事】「楽」を汚す楽天の送料無料施策に物申す!

「MONEY VOICE」は2月14日付で鈴木傾城(傾城と来たか!「けいせい」だよね)の「Amazonは日本を植民地にする?商店街を叩き潰したイオンも楽天も駆逐されていく」を発表している。まさに、その通りだと思う。中小零細規模の出店者からすれば日本を植民地にしようとしているAmazonよりも楽天のほうが取引条件が苛烈になろうとしている。この記事も次のように書いている。
楽天は本業のショッピングモールである「楽天市場」で躓いている。2019年1月に楽天はアマゾンに対抗するために「3,980円以上は送料を無料とする」という方策を取ったのだが、送料が無料であるならば出店者が送料を負担するしかない。
通常、送料は価格に転嫁されるのだが、利幅の薄い商品は一気に売れなくなる上に利幅の薄さを数でカバーできる大手に飲み込まれるので、中小の出店者にとっては「死ね」と言われているのと同様になる。
これによって中小出店者は「楽天ユニオン」を設立して、楽天側と激しく対立するような事態になっている。しかし、楽天側は送料無料化を強行する構えを見せている。》
https://www.mag2.com/p/money/891829
ITmediaビジネスオンライン」は2月14日付で「Amazonもやっている“送料無料” 楽天だけ“総スカン”の理由」を公開している。
《今回問題と考えられる「送料無料のやり方」をみると、システムにおける送料の考え方が楽天Amazonの間で出店企業の反応を分けたと考えられる。Amazonのシステムでは、送料や在庫の保管代を負担するのはAmazon側だ。物流と倉庫をAmazonがとりまとめる代わりに、フルフィルメント(FBA)手数料を出店者に課している。
一方で、楽天側は、原則として倉庫と物流は、出店企業が自分で見つけて自分で契約するスタイルだ。出店企業は自前で倉庫や物流を確保する代わりに、楽天に対してFBA手数料といった料金を支払わずに済む。
ここまでみると、「Amazonは送料をFBA手数料にただ転嫁しているだけで、楽天と変わらない」と思われるかもしれない。しかし、在庫の保管と物流をまとめるFBAの方式にはスケールメリットが生まれる点を見過ごしてはならない。》
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2002/15/news008.html
網野善彦の「無縁・公界・楽」(平凡社)に衝撃を受けた私からすれば、そもそも楽天に「楽」など名乗って欲しくはいのである。少なくとも「楽天」が「楽」からどんどん離れて言っていることだけは間違いあるまい。「楽」において保証されるべきは出店者の自由なのだから。網野は「無縁・公界・楽」で次のように書いている。
《もとより、ギリシャ・ローマの市民の民主主義とキリスト教の伝統をもち、ゲルマンの未開の生命力に裏付けられ、中世を通じて深化し、王権との闘いによってきたえられてきた西欧の自由・平等・平和の思想に比べれば、「無縁・公界・楽」の思想は体系的な明晰さと迫力を欠いているといわれよう。とはいえ、これこそが日本の社会の中に、脈々と流れる原始以来の無主・無所有の原思想(原無縁)を、精一杯自覚的・積極的にあらわした「日本的」な表現にほかならないことを、われわれは知らなくてはならない。》
https://www.heibonsha.co.jp/book/b160341.html
東京新聞は2月17日付で社説「楽天の送料無料 出店者への配慮十分か」を掲載している。
《今回の判断について、出店者側の本音はなかなか見えにくいのが実情だろう。だが五万近い出店者の多くは小さな事業者だ。良い商品を持っていても、十分な販路がなく楽天に頼っているケースも多い。送料を負担すれば収益に影響が及ぶはずだ。
楽天など大手通販サイトは、各地の良質な産品を届けることで消費者に貢献してきた。その代表的な事業者が出店者と対立を抱えたままでは、企業イメージを損なう恐れさえ否定できない。
IT関連の経営者は、素早い決断が必要なためトップダウン型が多い。しかし今回は決断が強引過ぎるのではないか。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020021702000142.html
河北新報は2月15日付で社説「楽天の送料無料/一方的な無理強いは疑問だ」を掲載している。
楽天は、送料無料となれば新規顧客数が増え、長期的には出店者の売上増にもつながるという。だが、利用者へのサービスを高めるため、そのコストを出店者だけに転嫁するのは不公平ではないのか
出店者の体力が奪われ、楽天市場から撤退する事態になれば、長期的にみると消費者の選択肢が狭まることにもなりかねない。》
https://www.kahoku.co.jp/editorial/20200215_01.html
日経でさえも2月5日付という早い段階で社説「楽天の『送料無料化』は強引ではないか」を掲載している。
楽天三木谷浩史会長兼社長は「たとえ政府や公取と対峙しようとも必ず遂行する」と予定通り始める考えを示した。楽天の送料は確かに分かりにくい。とはいえ、出店者に送料の変更を押し付ける手法は強引ではないか。》
https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=107&ng=DGXMZO55290080V00C20A2SHF000
地方紙も黙ってはいない。楽天の出店者は地方に多いのである。例えば高知新聞は2月13日付で社説「【楽天の送料無料】出店者との協議を続けよ」を掲載している。
《だが、直販主体のアマゾンはサイト内での価格競争がほぼないが楽天市場は同一商品を複数の出店者が扱い、競争がある。そんな中で商品価格への送料上乗せは難しい。出店者の反発は無理もない。》
https://www.kochinews.co.jp/article/345252/
熊本日日新聞は2月13日付で社説「楽天『送料無料』 出店者も納得いく戦略を」を掲載している。
《一方、中小事業者に参加してもらう形でスタートした楽天市場、出店者がそれぞれ送料を設定してきた。店によって異なるため、送料込みの価格比較が難しい。楽天の調査では、利用者の7割が送料の分かりにくさを理由に注を諦めた経験があった。
とはいえ、5万店近い出店者の中には、送料負担による減益を吸収できない事業者もあるだろう。かといって販売価格への転嫁は実質値上げとなり、顧客離れが懸念される。楽天市場の集客力に依存している出店者ほど、難しい選択を迫られる。》
https://kumanichi.com/column/syasetsu/1354068/
北海道新聞は2月13日付で社説「楽天送料無料 出店者に無理強い疑問」を掲載している。
《送料が無料になり、利用者の使い勝手がよくなれば店舗の売り上げが増え、利益も上がるという。
だがその負担を出店者だけに求めるのは身勝手ではないか。
送料は地域によって異なる。出店者が送料を価格に上乗せした場合、どの地域に発送しても損にならない価格を設定すれば実質的な値上げになりかねない。
送料を負担できる大手の出店者が生き残り、中小の出店者が撤退する恐れもある。
楽天のような巨大IT企業と売り上げの大半を通販に頼る中小出店業者の力関係の差は明らかだ。》
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/392540
網野によれば「楽」は「十楽」を意味し、「十楽」はもともと仏典の言葉であり、「まさしく極楽そのものであり、理想の世界の『楽』であった」のである。そのような「楽」を三木谷浩史会長兼社長は汚そうとしているのである。

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3)【本日の一行情報】

◎ロイターの2月14日付の発表によれば「米紙マイアミ・ヘラルドなど30の地方紙を展開する新聞大手マクラッチー(MNI.A)が13日、連邦破産法11条の適用を申請した」そうである。
https://jp.reuters.com/article/mcclatchy-co-bankruptcy-idJPKBN2072V9
日経は2月14日付で「米新聞大手マクラッチーが経営破綻 マイアミ・ヘラルド所有」を掲載している。
《紙媒体の衰退とデジタル化の課題に直面し、経営が悪化。昨年11月には、資金繰りの悪化で従業員向けの年金積立金が不足し、連邦政府に支援を要請していた。》
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55613920U0A210C2000000/?n_cid=SNSTW001
ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラーこうツイートしている。
《日刊紙30紙を持つアメリカの大手メディア・グループであるマクラッチー社は、破産を申請したと発表した。アメリカ新聞業界の崩壊が止まらない。》
https://twitter.com/martfack/status/1227948950105161728
「沖縄で新聞記者になる」(ボーダーインク)を上梓したばかりの龍谷大学教授 畑仲哲雄もツイートしている。
《マクラッチーと言っても日本では馴染みがないですが、全米2位の新聞グループ企業で30の地方紙を発行しているので、それなりにショッキングなニュースです。》
https://twitter.com/hatanaka/status/1228610513879191552
東京新聞は2月15日付で「<メディアと世界>米新聞大手が破綻 30地方紙展開マクラッチー」を掲載している。
《資金の出し手である米投資ファンド「チャタム・アセット・マネジメント」の下で再建を目指す。
クラッチーは一八五七年創業の名門で、マイアミ・ヘラルドなど傘下に三十の地方紙を持つ。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、発行部数は全米二位だが、過去の大型買収により財務体質が悪化。巨額の年金債務も負担だった。新聞発行は続ける。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/202002/CK2020021502000142.html

◎ラジ・リの映画「レ・ミゼラブル」と新潮庫のヴィクトル・ユゴーの小説「レ・ミゼラブル」がコラボする。帯で映画を紹介するのだが、これは新潮社からのアプローチにより実現したそうだ。いいね!
https://natalie.mu/eiga/news/367024
「ジョーカー」「パラサイト」と来て、次は「レ・ミゼラブル」だ

◎CCCメディアハウス「1冊まるごと、松之丞改め 六代目 神田伯山」 (Pen BOOKS)は、もちろん買いだ!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000387.000011369.html
マガジンハウスは講談に関心がないのだろうか。

◎「Forbes JAPAN」が2月14日付で「メーガン妃を起用の英女性誌『ヴォーグ』が記録的売上を達成」を発表している。
《同誌の編集長のEdward Enninfulは2月14日のインスタグラムの投稿で、9月号がわずか10日間で書店の棚から消えたと明かした。》
https://forbesjapan.com/articles/detail/32359

◎「ドラえもん」は、小学館の幼児・学習雑誌1970年1月号に初登場して以来、今年で50周年を迎えるが、これを記念して、小学館の雑誌50誌(予定)の表紙にドラえもんが登場する「ドラえもん50周年 表紙ジャック」がスタートする。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000553.000013640.html
わが家と「ドラえもん」も関係がないわけではない。
https://www.facebook.com/tetsuro.imai.9/posts/570445176399183
https://www.imai-sj.com/works

博報堂DYメディアパートナーズは、ブランドストーリーと放送局コンテンツストーリーの融合で今までにない没入感を生み出す広告手法「Cubic Content」を開発した。
https://www.hakuhodody-media.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/02/HDYMPnews20200212.pdf

◎谷川建司は「『イージー・ライダー』伝説 ピーター・フォンダデニス・ホッパー」に大幅加筆&貴重写真を収録した増補改訂リマスター版「『イージー★ライダー』敗け犬たちの反逆」を径書房から出版する。
https://thetv.jp/news/detail/223042/

◎イベント「本屋さん、集まる。」が2月22日~24日、渋谷パルコ8階のスペース「ほぼ日曜日」で開催される。「ほぼ日曜日」は「ほぼ日刊イトイ新聞」が運営している。シブヤ経済新聞は次のように紹介している。
《書店8店が出店する同イベント。参加するのは、青山ブックセンター、光社の翻訳編集部による書店、「100分de名著&学びのきほん」(NHK出版)、「双子のライオン堂」、新潮社による「十二国記屋」など。ミシマ社では日替わりで企画も行うほか、往来堂書店は出版社の書店営業や編集者、作家らが「最近読んで面白かった本」を紹介するフェア「往来堂書店のD坂」の書籍を展開予定。古典を学ぶ場「ほぼ日の学校」の「学校長」で編集者・河野通和さんの「河野書店」の隣には、同イベントで「オールマイティー店員ときどき書店主」を務める作家の浅生鴨さんが著書や同人誌を販売予定。》
https://www.shibukei.com/headline/14843/

大林宣彦の「最後の講義 完全版 映画とは”フィロソフィー”」が主婦の友社から刊行される。大林の「いつか見たドラキュラ」をぴあ(だったと思う)の上映会で見たときの衝撃が忘れられない。
https://www.netgalley.jp/catalog/book/184726

◎「J-CASTニュース」は2月14日付で「電通初の赤字転落! 大手各紙は『忖度』なく報道したか? ネット上では『解体すべし』の批判が殺到」を公開している。
https://www.j-cast.com/kaisha/2020/02/14379506.html?p=all
国内は儲かっているんだけれど…。

◎産経WESTが2月15日付で「大阪の名物書店『スタンダードブックストア』が今春復活」を掲載している。
《昨年4月に惜しまれつつ閉店した大阪・ミナミの名物書店「スタンダードブックストア」が今春、大阪市天王寺区で復活することが15日、わかった。書店員こだわりの書籍や雑貨を販売し、作家のトークイベントなどでも人気を集めた同店。店主の中川和彦さん(58)は「より多くの人が集まれる店をめざしたい」と話し、ギャラリーや立ち飲みバーを併設する予定だ。》
https://www.sankei.com/west/news/200215/wst2002150005-n1.html

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4)【深夜の誌人語録】

どうしようもないときには、休もう。