【文徒】2020年(令和2)3月2日(第8巻38号・通巻1695号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】古井由吉が亡くなった…
2)【記事】聖火リレー動画SNSアップ御法度に国民は納得するだろうか?
3)【記事】「いけないことなのか」と問われれば「いけないこと」と答える面々
4)【記事】「記者会見」と書いて「プロパガンダ」と読む
5)【本日の一行情報】
6)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.3.2 Shuppanjin

1)【記事】古井由吉が亡くなった…

学にとって、これほど悲しい出来事はあるまい。古井由吉が亡くなってしまったのである。朝日新聞デジタルは2月27日付で「古井由吉氏、死去 緻密な日本語表現『作家の中の作家』」を掲載している。
《日本の純学作家の最高峰の一人で「内向の世代」を代表する古井由吉(ふるい・よしきち)さんが18日、肝細胞がんで死去した。82歳だった》
https://www.asahi.com/articles/ASN2W74LNN2WUCLV009.html
しかし、朝日新聞は古井の訃報を一面で報じなかった。これはクオリティペーパーとして恥ずかしいことである。
産経新聞が2月27日付で「又吉直樹さん『感謝しきれない』 古井由吉さん死去でコメント」を掲載している。
《20代で初めて古井作品を読んだという又吉さんは「一つ一つの章が生きているように膨らみ、比喩ではなく実際に脳が揺れるような感覚がありました」と語り、古井さんの長編「山躁賦」を「師のような小説」と表現、「心よりお悔やみ申し上げます」と結んだ。》
https://www.sankei.com/life/news/200227/lif2002270079-n1.html
ツイッターのTLから古井を追悼する投稿を集めてみた。
古井由吉先生の訃報。/尊敬していた方を失うことはつらいものです。/この絵は先生の新聞連載のために初めて描いた絵。/2008年のことでした。/画集「どうせなにもみえない」に寄稿いただいた章からは、いまでも多くの示唆をいただけます。/ご冥福をお祈りいたします。》(美術家 諏訪敦)
https://twitter.com/suwakeitai/status/1232879758070829056
《ショックを受けています。18日に亡くなられていた、というこの間の時間が、古井さんの作品のように生死の境界を曖昧にして。……デビュー時にも非常に評価して戴きましたし、その後も、...》(小説家 平野啓一郎)
https://twitter.com/hiranok/status/1232867128241377282
《作家・ドイツ学者の古井由吉さんがお亡くなりになりました。小社では、ロベルト・ムージルの翻訳・評論を手がけられたほか、作家的見地から夏目漱石漢詩に光を当てるなど、幾多のお仕事を残してくださいました。心よりお悔やみを申し上げます。》(岩波書店)
https://twitter.com/Iwanamishoten/status/1232893193051570177
古井由吉さんには「読者の中にはエッセイしか読まない人もいるから、決してエッセイの手を抜かないように」と言われ、ずっと心に留めています。有難うございました。》(小説家 吉村萬壱)
https://twitter.com/yoshimuramanman/status/1232879397863952385
古井由吉氏の御逝去に謹んで哀悼の意を表します。氏には『幻想学』第5号でお話を伺いました。前年に上梓された『山躁賦』に甚大な衝撃をうけ、インタビューを思いたったのですがタイミングが合わず、次の『槿』で念願叶った次第。徳田秋聲の幻想性に注目していると仰っていたのが特に印象的でした。》(芸評論家 東雅夫
https://twitter.com/obakezukinw/status/1232893231077064704
古井由吉さんの書かれたものに支えられてきました。読むたびにその中の風景や記憶や感覚に近づきたくなります。朗読会にうかがったとき、東京の欅の木のことをお話ししたら「槻」は欅のことだと教えてくださいました。
これからも何度も読み返すと思います。ありがとうございました。》(小説家 柴崎友香
https://twitter.com/ShibasakiTomoka/status/1233007854694461440
古井由吉さん亡くなられた。追悼の依頼があったが、お断りすることにした。個人的な関わりと感慨がある方のものだけを書かせていただくと決めているから。古井さんには、個人的にではなく、半世紀にわたる豊かな読者生活をいただいた。感謝しかないし悲しくはない。本を開けばまた会えるから。R.I.P.》(小説家 高橋源一郎
https://twitter.com/takagengen/status/1232902182447411200
古井由吉さんの存在が透明に。この知らせをきっかけに、おおぜいの新しいひとがその作品に触れるとよいと思う。本を開けばすぐ、紙のむこうから古井さんが浮かびあがり、葉ずれみたいな繊細なその声を、僕たちの体内に響かせてくれる。》(小説家 いしいしんじ
https://twitter.com/umiusi141/status/1232940065359196161
古井由吉の作品は日本学の至宝とまで言われながら、海外での翻訳はさほど多くないように思う。
そのニュアンスを伝えるのが難しいからと思うが、たとえば韻翻訳にともなうような翻訳不能の部分がかなりあるのではないかとも思う。
だからこそ日本語の読み手には特権的にクルとも言える。》(小説家 高原英理
https://twitter.com/ellitic/status/1232885122564640769
古井由吉さんが亡くなられたとのこと。ひじょうに独特の言語のあり方に定位していた作風。ご冥福をお祈りします。》(哲学者 千葉雅也)
https://twitter.com/masayachiba/status/1232880791195009024
《古井さんが亡くなるとは・・。唯一無二の、本当に唯一無二の作家だった。残念。伊坂幸太郎さんが古井ファンで、古井作品のタイトルを人名に使っているのは有名だよね。》(芸評論家 池上冬樹
https://twitter.com/ikegami990/status/1233014912382693378
《あああああああああああああああ……………》(社会学者・小説家 岸政彦)
https://twitter.com/sociologbook/status/1232856127139799040
私の「学史」からすれば古井由吉小島信夫と双璧をなす小説家である。古井の作品は傑作しかないといって良いのだろうが、特に「仮往生伝試」が私は好きだ。「仮往生伝試」を読めばわかるが、学とは体なのである。体とは思想なのである。古井は「仮往生伝試」で「歎異抄」に匹敵する思想を紡ぎ出しているのである。
《歩きつづけてきた者が、道に坐りこんだが最後、立ちあがれなくなる。膝上までの水を渡っていたのが、流れの中で立ちつくす。劣らず蹌跟と歩む仲間たちは、しばらく行ってから背後のけはいを感じて振り返るが、そこまでは戻る体力がない。立ちつくした者はわずか数間の向こうから、すでに境を異にした目で見送っている。やがて膝を折って水の中に坐りこむ。つられて立ち止まった何人かの者たちが同様にそれぞれその場に沈む。そのすぐ傍を通りかかり、坐りこんだ仲間の腕にたまたま手をかけた者も、一度は引き起しかけて、自分からその傍に沈みこむ。皆、腰まで水に漬って、うっすらと笑いのようなものを口もとにうかべながら、行く手を見つめる目の光が薄くなっていく。》
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000211239
古井由吉は「中学生からの大学講義2 考える方法」に収められた「言葉について」で次のように書いている。
《言葉っていうのは、自分ひとりのものではないんです。今の時代だけのものでもない。大勢の他人の、これまでに亡くなった人も含めた長い歴史からできあがったもので、自分の勝手にならない代わりに、自分が追いつめられたときに支えになってくれる。》
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480689320/

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2)【記事】聖火リレー動画SNSアップ御法度に国民は納得するだろうか?

こういう記事を読むと誰のためのオリンピックなのかと首を捻らざるを得ない。日刊スポーツが2月28日付で「聖火リレー撮影動画、一般人はSNSへのアップ禁止」を掲載している。
2020年東京五輪パラリンピック大会組織委員会は28日、公道で行われる聖火リレーで一般人が撮影した動画を、SNSなどのインターネットに上げることを禁止とする方針を示した。組織委は国際オリンピック委員会IOC)の取り決めだと説明。動画をアップできるのは放映権を有するメディアと、放映権を持たないテレビ局とラジオ局のみとした。》
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/torch-relay/news/202002280000524.html
朝日新聞の伊丹和弘が《素晴らしい国民的行事ですね(棒》と皮肉っている。
https://twitter.com/itami_k/status/1233302726378840064
小田嶋隆は次のように推測している。
《肖像権云々の話とは別に、どこだかの営利企業なり利権団体なりに映像関連の権利の独占権を売り渡したことの結果だと思う。要は「オレたちの商売のネタを素人が勝手に撮影するな」ということ。ビーチバレーあたりの競技団体の態度と一緒です。》
https://twitter.com/tako_ashi/status/1233519705639587843
武田砂鉄もツイートしている。
聖火リレー、みんなで盛り上がりましょうよ、でも、動画アップは絶対に許しませんからね、とのこと。公道なのに。》
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1233515040369602560
テレビ朝日系「サンデーステーション」でキャスターをつとめる長野智子も首を捻っている。
《誰のため、何のためのリレーなのか。そもそもSNS映えルートを選んだのでは。。》
https://twitter.com/nagano_t/status/1233520784057856000
「歴史戦と思想戦」の山崎雅弘もツイッターで言い放つ。
《これでわかっただろう。五輪は政権と一部業界の利益のために行う行事で、選手もボランティアも観客も道具。》
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1233376200002719744
noteプロデューサーの徳力基彦は落胆している。
《うーーーむ。
結局、聖火リレーって、地元の人達のためのものじゃなくて、テレビ放映権を持ってるところのための、事前番組企画でしかないのかぁ。。。
みんなで盛り上がるチャンスなのに、寂しいなぁ。:》
https://twitter.com/tokuriki/status/1233448642482040832
書評家の大森望は、こう驚いてみせる。
《斬新な新型コロナ対策だと思ったら、ただの商売上の都合だったw》
https://twitter.com/nzm/status/1233382619187822592
清水潔のツイート。
《競技場内ならいざ知らずこれは反発必須だろうな。まあどうせ大会自体が中止か?》
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1233333507453177857
「オリンピックVS便乗商法―まやかしの知的財産に忖度する社会への警鐘」(作品社)
の友利昴は呆れている。
《本当か疑うレベルでまず広報戦略としてバカですね。大体公道を走るんだろう。一億歩譲ってチケット規約下の競技場ならまだしも(それもおかしい)、公道で自分が撮って自分が著作権を持つ動画をどう使おうが自由!!》
https://twitter.com/s_tomori/status/1233332680814522369
共同通信記者の澤康臣は「憲法訴訟」になると予測している。そうだ、問われているのは「表現の自由」なのである。
《パブリック(みんなの、オープンで公共公開)な場所でのパブリックな出来事を撮影しても公表できないとなると、表現の自由の大問題ではと思うが…YouTuberさんの憲法訟になるのではないか。権利は闘いとるものとはいえ。》
https://twitter.com/yasuomisawa/status/1233546525332123649
ネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」を主宰している神保哲生が呟く。
《あほくさ。やっぱオリンピックやめたら》
https://twitter.com/tjimbo/status/1233386783079006209
ロイターは2月28日付で「東京五輪、計画通りの実施に『いささかも変更ない』=都準備局次長」発表している。
《東京都オリンピック・パラリンピック準備局の延與桂次長は28日、ロイターの取材に対し、新型コロナウイルスの感染拡大がさまざまな影響を及ぼしているなか、五輪大会は「計画通りやることにいささかも変更はない」と述べ、日程延期や中止が検討されているとの報道を否定した。》
https://jp.reuters.com/article/tokyo-olympic-idJPKCN20M12B
京都新聞は2月29日付で「名作アニメ『AKIRA』の看板、京大に出現 東京五輪『中止だ中止!』完全再現」を掲載している。
京都市左京区の京都大前に29日、「東京オリンピック開催迄(まで)あと147日」の巨大看板が登場した。人気アニメ映画「AKIRA」作中に登場する看板を再現して学生らが設置したものとみられ、ネット上で話題になっている。》
《京大前に設置された看板には、アニメ作中と同様に「反対」のビラが多数貼り付けられ、「中止だ中止!」「粉砕」などの落書きがされている。アニメにはない「コロナ」の張り紙もあった。》
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/174561

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3)【記事】「いけないことなのか」と問われれば「いけないこと」と答える面々

日刊ゲンダイDIGITAL」は2月27日付で「安倍首相が疑惑の大手IT社長と会食で『世論操作か』の声」を掲載している。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/269641
時事通信の2月25日の首相動静には、こう記録されている。
《午後6時37分、官邸発。同38分、公邸着。金丸恭フューチャー会長兼社長、秋好陽介ランサーズ社長、菅谷俊二オプティム社長らと会食。同9時11分、全員出た。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020022500238&g=pol
毎日新聞は2月28日付で「夜の会食は『宴会ではない』 首相、野党に反論『意見交換』『いけないことなのか』」を掲載している。
安倍晋三首相は28日の衆院総務委員会で、政府が新型コロナウイルスの感染拡大防止に取り組む中、自身が夜の会食を続けていることについて「いわゆる宴会をやっているわけではなく、さまざまな方と意見交換を行っている」と説明した。》
https://mainichi.jp/articles/20200228/k00/00m/010/313000c
時事通信の2月28日の首相動静には、こう記録されている。
《午後8時1分、官邸発。同2分、公邸着。作家の百田尚樹氏、ジャーナリストの有本香氏と会食。
午後9時14分、公邸発。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020022800266&g=pol
百田尚樹ツイッター毎日新聞に激怒している。
《総理が私とメシ食ったということで、大騒ぎしてるバカがようけ湧いている。
毎日新聞は「身内とメシ食ってる」といういやらしい書き方。誰が身内やねん!友人と身内は違うやろ!
仮に同じやとしても、友人とメシ食って、何が悪いねん。プライベートで、誰とメシ食おうと勝手やないか。》
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/1233408144845336576
毎日新聞統合デジタル取材センター記者の大村健一がツイートしている。
《この期に及んで「意見交換」する相手が、感染症の専門家などではなく、百田尚樹氏と有本香氏という点が全てな気がします》
https://twitter.com/k_oomura/status/1233393173168189440
これは厚労大臣時代の経験を踏まえた舛添要一のツイートである。
新型インフルのとき、厚労大臣の私は24時間待機で、夜の会食などの時間はなかった。安倍首相が会食するのは自由だが、こんなときだからこそ、支援者よりも、政府に批判的な専門家、たとえば神戸大の岩田健太郎教授のような人たちと意見交換したほうがよい。そうすれば、失敗する確率が減る。》
https://twitter.com/MasuzoeYoichi/status/1233523805441658880
毎日新聞の記事で百田の名前が登場するのは〆の部分である。その最後の最後の結語に注目したい。
《首相は28日夜には、作家の百田尚樹氏とジャーナリストの有本香氏を公邸に招き会食した。首相は昨年11月にも百田氏と会食しており、フェイスブックで百田氏の著書「日本国紀」を購入したことを紹介している。有本氏は「日本国紀」を解説する百田氏との共著がある。26日に大規模イベントなどを2週間自粛するよう自ら呼びかけた首相だが、その後も「身内」との会食を続けており、野党の批判は続きそうだ。》
田中康夫の次のような呟きに座布団一枚を進呈したい。
《野党の威wを借る毎日新聞
https://twitter.com/loveyassy/status/1233397535802150914
朝日新聞デジタルも2月28日付で『【詳報】首相、連夜の会食に「いけないことなのか」』を掲載している。
https://www.asahi.com/articles/ASN2X3CLMN2XUTFK002.html
元「週刊朝日」編集長の山口一臣が怒っている。
《何度でも書きます。これはいけないことです。国民がどう思うかの想像力に欠けていることが最大の問題です。なんてこと書いても、あの人には意味がわからない現実が悲しい。》
https://twitter.com/kazu1961omi/status/1233411236571648000
朝日新聞記者の三浦英之も怒っている。
《唖然とする。地震や台風の災害時、市町村のトップは役場の災害対策本部に張り付きます。会食なんてもってのほか。この発言が地自治体からどう見られるのか。ちょっと感覚がズレ過ぎていないか》
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233268887375859712
江川紹子もまた次のようにツイッターに投稿している。
《頻繁な会食を「いけないことなのか」と安倍首相。平時ならいいでしょう。でも、コロナウイルス禍の中、大混乱を招く「政治判断」をした後に、国民に説明するより、お友達との会食を優先したことは、「いけない」と思います。昨夜のうちに会見できたはず。》
https://twitter.com/amneris84/status/1233527258402435074
小説家の乃南アサが呟く。
《そんなこともわからない。>>>》
https://twitter.com/asanonami/status/1233281311608954880
2月29日付日刊スポーツ一面には驚いた!「コロコロコロナ対策 国民怒り沸騰 安倍政権ふざけるな!!」だもの。山口一臣ツイッターに日刊スポーツ一面の写真を投稿している。
《すごいなぁ。日刊スポーツが一面で怒りまくってる 「安倍政権に国民を守る覚悟はあるのか」とまで書いている。一般紙にも頑張って欲しいものである。》
https://twitter.com/kazu1961omi/status/1233635246769225729
「YAHOO!ニュース」が2月29日付で公開した白井聡の「さらば安倍晋三:75年前の失敗のツケを我々の手で清算しなければ」は次のように安倍政権に引導を渡している。
《国民の課題ははっきりしている。安倍を退陣させるだけでは不十分であり、しかるべき場所(牢獄)へと送り込まなければならない。そしてこの間この腐りきった権力を支えてきた政官法財学メディアの面々をリストアップし、処断せねばならない。75年前の失敗の根源は、国を破滅させた者どもを日本人が自らの手で罰しなかったことにある。その中に、あの「僕のおじいちゃん」(岸信介もいた。そのツケをいまわれわれの手で清算しなければならないのである。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/shiraisatoshi/20200229-00165212/

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4)【記事】「記者会見」と書いて「プロパガンダ」と読む

朝日新聞記者が尾形聡彦こうツイートしていた。
《29日にも予定されているという安倍首相の記者会見。いつもの、記者と首相が相互に事前の原稿を読み上げる、やらせのような「会見」ではなく、トランプ大統領のように、記者から自由に質問を受け、その場で回答する、普通の記者会見をして欲しいと思います。官邸の記者会側がそう迫るべきです。》
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1233366351751680003
しかし、実際は「やらせのような『会見』」を見せつけられることになる。どうやら記者会見とは「プロパガンダ翻訳語であったようだ。
毎日新聞写真記者 後藤由耶のツイート。
《あと10日で追加の緊急対策をとりまとめたいということが明かされた安倍首相記者会見だった。具体的なことを発表する記者会見ではなかった。》
https://twitter.com/yoshiyagotoh/status/1233690443025539072
毎日新聞デジタル編集G記者 中嶋真希のツイート。
《こんなに質疑応答の時間が短いなんて、あまりに一方的だ。学校や施設は閉じ、経済が止まって収入は減り、不安で買い占めが起きている国のトップの会見とは思えない。》
https://twitter.com/ohayokawauso/status/1233690031799160832
ノンフィクションライターの石戸諭の評価。
《記者会見は、なんとも中途半端だった。知りたいはずの決定の経過やエビデンスもよくわからず、ひたすら「理解」を求めれて終わった。「あらゆる対策」とやらも断片的には語られたけど、総合的なパッケージが示されていないのでなんとも判断できない。》
https://twitter.com/satoruishido/status/1233701915453579264
ハフポスト日本版ニュースエディター中村かさねのツイート。
安倍晋三首相の記者会見。
20分近くスピーチして、記者からの質問を受けたのは10分程度。しかも原稿読んで回答。
これ、記者会見ですか?ただの「おことば」・・》
https://twitter.com/Vie0530/status/1233688924628733953
津田大介が記者会見をツイッターで同時中継していた。
《ここ数日の批判に対応するよう作られている原稿で、スピーチライターの優秀?さがよくわかる会見でもあり、その分むなしみも大きい感じ。》
《質疑応答、めっちゃ紙見ながら答えてるな……。》
《とにかく習近平国賓来日とオリンピックに全力を傾けていることはよく伝わってくる会見だった。しかし、それと本格感染拡大対策を同時にできるのか、という問題があるよな……。》
https://twitter.com/tsuda/status/1233683185499664386
https://twitter.com/tsuda/status/1233683893301075970
https://twitter.com/tsuda/status/1233687800744013824
武田砂鉄も立て続けにツイートしている。
《最低限、混乱を招いたこの流れについて弁明するのかと思いきや、それすらなかった。》
《この首相はいつになったら前を向いて国民に向けた自分の言葉を話すのだろう。》
《結論。もっと不安になった。》
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1233690378995294208
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1233686481060843520
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1233687634028818433
やはり白眉は朝日新聞記者 三浦英之の連続ツイートである。
《安倍首相の記者会見が始まりました。お時間のある人はぜひ視聴を。学校への休校要請の根拠と効果をどのように説明するのか》
《えっ、最後の1問なんてありえない。まだ何も聞けていないじゃん……。出席記者は当然食い下がって欲しい》
《帰すな、帰すな。社会部員の会見なら絶対こんなんじゃ終わらない。どんどん質問を続けるべきだ》
《終わった……まさか……》
《ええっ……なんだこれ……。こんなの記者会見って言わないよ……》
《これ、メディア全体が誤解されちゃう。こんなの記者会見って言わない。ただの「政府発表」だよ》
《僕らは政府の発表内容を記事にする際に発表者(為政者)が嘘やデタラメを言っていないかを十分に確認するため、質問を重ねて確認する。その手順がすっ飛ばされている。記者会見を開くなら、しっかりと質問の時間を確保すべきだ》
《こんなの海外のメディアで流されたら、日本のメディアの信頼が失われちゃうよ。発表者にとって厳しい質問をガンガンぶつけて、会見者から予定調和的でない本音を引き出す。それが僕らが先輩から受け継いできた記者会見のはず。ちょっとびっくりで、言葉が出ない……。》
《冷静に考えて(ちょっと冷静になれないけど)、これだと質問できないから、会見者の言い分をそのまま伝えるだけの報道になってしまう。それなら「政府広報」と何ら変わらない。政府は今が有事だというなら、しっかりと「記者会見」を開くべきだし、出席記者は再度の会見を要請して欲しい》
《9年前と同じように今は有事だ。みんなどう動いていいか困っているし、事実を知りたがっている。だから報道者は事実を伝えるために闘わなきゃいけない。9年前、僕らはあれほど過ったのに……
《いや、これ誤解ないよう言うと、これが通常なのではなくて報道関係者は会見見て、みんな歯が折れるぐらいに歯ぎしりしていると思います。こんなの全然普通じゃないから。現場の記者ならバチバチ聞くから。絶対にこんなんじゃ終わらないから》
《多分に感情が乱れているけれど、これ、報道関係者はみんな怒ろう。報道に対する冒涜だ。現場も会社の上層部も怒ってほしい。汚い言葉をあえて使えば、「ナメるなよ!」。これじゃみんなが知りたいと思っている情報を何一つ伝えられない》
《すいません……ちょっと冷静になります……》
《冷静になって考えても、ちょっと信じられないよ。僕は田舎の記者だけど、こんなのあったら、みんなで「行くべ、行くべ!」って言い合って町長室に乗り込んでるよ。東京とか地方とかスケールとか関係ないよ》
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233679384172613632
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233686998990245888
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233687465308745732
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233687618543472640
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233687970613301250
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233688648874283008
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233689450728681472
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233690538152316929
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233691999351394306
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233693576896270336
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233694447474397185
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233695481835880448
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233695883188830208
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1233701222294491137
江川紹子のツイート。
《安倍首相の記者会見、一生懸命「まだ聞きたいことがあります」と訴えたけど、事前に指名されて質問も提出していたらしい大手メディアの記者に対して、用意されていた原稿読んで終わりでした。
https://twitter.com/amneris84/status/1233693261484572672
SHIN∞1が報告している。
長谷川榮一首相補佐官「予定をしておりました時間を経過致しましたので…」
記者「まだ質問あります」
長谷川「以上を持ちまして記者会見を終わらせていただきます」
記者「まだ質問あります」
長谷川「予定した時間がだいぶ過ぎておりますので…」
記者「まだ質問あります」
なんだこの会見》
https://twitter.com/shin19infinity/status/1233696274139844608
東京新聞は3月1日付で「対策列挙 乏しい具体性 首相会見肩透かし」を掲載しているが、次のように書いて記事を終えている。
《29日の首相の記者会見では、司会を務めた長谷川栄一内閣広報官が「予定していた時間が経過した」と終了を通告した際、ジャーナリスト江川紹子さんが「まだ質問があります。最初の質問にもちゃんと答えていない」と手を挙げた。長谷川氏は「予定していた時間がだいぶ過ぎている」と打ち切った。首相は会見後、特段の日程はなく、官邸を出て私邸へ戻った。》
日刊スポーツの中山知子の名前は記憶しておいたほうが良かろう。東京新聞の佐藤圭が次のように評価している。
《一般紙の政治部が書く記事よりも、はるかに本質を突いた日刊スポーツの記事。安倍会見のクズっぷりが非常によく分かる。》https://twitter.com/tokyo_satokei/status/1233908947376955393
日刊スポーツ ウェブ版が2月29日付で掲載した「満持しての安倍首相会見、疑問や不安に響かぬ精神論」は中川知子の署名原稿である。《多くの国民が目にする土曜夕方に会見を設定した割には、まさかの時間制限付きで、国民の不安と向き合う覚悟は、この日も見えなかった。
《「まだ質問があります」。官邸で始まった会見が30分を超え、事務方が終了を通告した際、指名を求める声が上がった。声の主はフリージャーナリスト江川紹子さん。27日に唐突に表明した休校要請をはじめ、「政治決断」の背景を説明するため、首相は異例の休日会見に臨んだが、予定時間超過を理由に約35分で終了した。
質問は5問で、通常の首相会見の流れと同じ。透明板に字が映るプロンプターが用意され、書面に時折目を落とした。積極的な説明が求められる中で、守りの姿勢が目立った。》
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202002290001179.html
首相動静を見ればわかるのだが、時間はたっぷりとあったのではないか。この日は会食もなかった。
《午後6時から同36分まで、記者会見。
 午後6時57分、官邸発。
 午後7時12分、私邸着。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020022900330&g=pol
山崎雅弘のツイート。
《それから26日後に行われた安倍首相の記者会見だが、官僚が作成した台本を芝居のように読み上げた後、記者の質問に答える首相は、ずっと下を向いて何かを読んでいた。幹事社の朝日新聞以下、大手メディアはこの期に及んでもなお、国民を裏切って政府の茶番劇に加担した模様。
報道ではなく宣伝だろう。》
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1233694174446116864
毎日新聞は2月29日付で「一斉休校、判断根拠示さず 具体策乏しく 感傷的に『断腸の思い』 首相会見」を掲載している。
《首相が繰り返したのは「これから1、2週間が瀬戸際」との専門家会議の見解だが、この見方は5日前の24日の時点で公表されている。唐突な休校要請は「断腸の思い」と感傷的に語ってみせたものの、なぜ1カ月にわたる休校を全国一律で求めたかについての説明は具体性を欠いた。》
https://mainichi.jp/articles/20200229/k00/00m/040/267000c
島田雅彦が呟く。
《たぶん、彼は「だんちょうのおもい」の意味を知らない。》
https://twitter.com/SdaMhiko/status/1233737701641183232

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5)【本日の一行情報】

◎私のスケジュール表において最初に中止になったのは2月19日に開催が予定されていた「小学館謝恩の会」であった。翌日の芥川賞・直木賞の授賞式は開催された。会場はともに帝国ホテル。
2月26日、安倍晋三首相は大規模なスポーツや化イベントなど、約2週間、中止か延期、または規模を縮小するよう要請したが、それ以前に小学館から「小学館漫画賞授賞式中止のお知らせ」が郵送されて来た。小学館漫画賞の授賞式は3月3日に開催される予定であった。日本出版者協議会の総会は3月4日に開催され、その後、懇親会となる予定だったが、懇親会は中止されることになった。私のスケジュールにも影響がいろいろと出始めている。新型コロナウイルスの衝撃は出版業界にも押し寄せているということだ。
3月2日に予定されていた織田作之助賞の贈呈式も延期が決まった
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200227-00000064-mai-soci
藝春秋の中部嘉人社長が実行委員長を務め、3月3日に東京會舘で開催を予定していた「和田誠さんを囲む会」が中止を決めた。
https://bunshun.jp/articles/-/36340
紀伊國屋書店は3月9日(月)に予定していた「紀伊國屋書店ベストセラー大賞」「キノベス!2020」「紀伊國屋じんぶん大賞2020」贈賞式を、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、中止することを決めた。