【文徒】2020年(令和2)6月16日(第8巻109号・通巻1766号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】葵遼太のラノベ「処女のまま死ぬやつなんていない~」は大化け期待作!
2)【記事】NHK「世界のいま」動画に謝罪も残り続ける問題
3)【記事】削除済み記事をめぐる石橋学とHBOとの論戦はどこへゆく
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】葵遼太のラノベ「処女のまま死ぬやつなんていない~」は大化け期待作!

この小説、ひょっとするとひょっとするかもしれない。化ける可能性があるということだ。葵遼太の新潮庫「処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな」である。葵遼太?そんな名前は知らない。それはそうだろう。これが葵遼太の処女作なのだから。もっとも昨年11月に太宰治の「人間失格を原案とするSFアニメのノベライズをやってのけたのも葵遼太であった。ストーリー原案は冲方丁であったが、「HUMAN LOST 人間失格 ノベライズ」(新潮庫)がそうだ。
https://www.shinchosha.co.jp/book/180191/
https://www.shinchosha.co.jp/book/180172/
谷津矢車はツイッターで「剛速球小説」であると評している。
《そして『処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな』 (葵遼太 新潮庫nex) は本当にど真ん中をぶち抜く青春小説。こういう剛速球小説は清々しくて佳きかな。》
《ど真ん中であるだけに、登場人物の現代性が強く求められる内容だと思うのですが、本当に登場人物たちの在り方が現代っぽくて、実に新しい。現代の子たち特有の「気の遣い方」が痛々しいほどにリアル。》
《ところで、本書はレッド・ツェッペリンに関する叙述がところどころにあって、現代高校生としてはやや知識が偏っているのではという指摘がありますが、1980年代にレッド・ツェッペリンR&Bなどの脈で再評価されたことなどを考えると、親の世代の嗜好を受け継いでいるのかも。》
《本書が2020年の話とするなら、親世代は1970年代-80年代生まれのはず。だとすると、親世代がリバイバルブーム時代にツェッペリンに触れていたのかしらとか。》
https://twitter.com/yatsuyaguruma/status/1272338497794240512
https://twitter.com/yatsuyaguruma/status/1272339415482785792
https://twitter.com/yatsuyaguruma/status/1272344366271488000
https://twitter.com/yatsuyaguruma/status/1272345076828536832
「ままない」という略称も既に生まれているのか!書店員・波多野七月が推している。
《『処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな』(葵遼太/新潮庫nex)、略して「ままない」を読み終えました。リア充向けの作品かと思ったら、とんでもない。これは「学校が苦しい場所だった」人間こそ読むべきだ。絶賛の嵐はダテじゃない。是非、アニメ映画化してほしい。》
https://twitter.com/hatano_natuki/status/1271719142438006787
和歌山県立きのくに青雲高校図書館のアカウントも絶賛している。
《『処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな』葵遼太/著 新潮社
校長室に呼ばれ「いかがなものか」と言われそうな題名ですが、この本を薦めずして学校司書といえるのか、というほどの傑作。青春小説のエッセンスがすべて(タイムリープ以外)詰まってる。快哉!》
https://twitter.com/seiunlib/status/1272004233869443074
新潮社では、この高橋裕介が担当した。
《無名の新人の作品を、本当にたくさんの書店員さんが読んで、語って、その上で売り場を作ってくださっていることに、感謝と感動しかありません。ありがとうございます泣。》
https://twitter.com/TkhShy/status/1269974445583593472
高橋が「note」に発表した章によれば、高橋は「ままない」校了までに7回読んだそうだが、7回とも泣いたそうだ。
《ちなみに、このタイトルは、ニルヴァーナカート・コバーン遺した言葉からの引用です。葵さんは元々、作品に別の題をつけられていたのですが、作中で藤田という大学生がカート・コバーン言葉をたびたび引用するのを読んで、僕にはそれが作品の核になる言葉に思えて、「これをタイトルにしませんか?」と提案しました。》
https://note.com/tkhshy6083/n/n1b6b04935ee1
明林堂書店のPOPは「泣いて、泣いて、泣きました。」と来たぞ
https://twitter.com/meirindo_minami/status/1271446900370104321
カート・コバーンレッド・ツェッペリンをリスペクトしていたからね。カート・コバーンはショットガンで自らの頭部を撃ち抜いて自殺した。享年27歳。
大盛堂書店の山本亮は「リアルサウンド」で次のように評価している。
《過去にこだわり続けているのに、正直な気持ちを押し殺し努めて冷静に見せる晃の痩せ我慢。自分がどんなに絶望していても、周囲や世界は勝手に光り輝いているという対比は、見事の一言に尽きる。無様でもいい、笑われてもいい、それでも信じる先へ向けて歩み続けていくことの大切さを教えてくれる物語だ。》
https://realsound.jp/book/2020/06/post-566620.html
岡本書店恵庭店は次のようにツイートしている。
《葵遼太先生『処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな』(略して #ままない)
当店でも推しております!!!
タイトルで「どんな内容……」と思われた方、こちらはカート・コバーンの名言です!人を無闇に傷つけない物語です。人が死ぬ泣ける話って苦手。という方もぜひ。》
https://twitter.com/okamotoeniwa/status/1272361706954448896
「LINEノベル公式ブログ」で葵遼太は自作について次のように語っているのが印象的であった。
《あるキャラクターが「悲劇は都合よくお前だけを主人公には選ばない」という意味のことを、こともあろうに主人公に対して言う場面があるんですね。
それを打ち消すために、常に「いま、ここ」「自分」「自分たち」だけが世界のすべてではない、ということを書こうとしました。世界は開かれているし、自分だけが特別なわけではない。そのことさえ意識していれば、どんづまりになることはないだろう、と。》
http://novel-blog.line.me/archives/22187104.html

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2)【記事】NHK「世界のいま」動画に謝罪も残り続ける問題

産経新聞は6月14日付で「NHK『黒人動画』 番組責任者が経緯説明、改めて謝罪」を掲載している。
《14日の放送では冒頭、番組責任者の田端祐一国際部長が「国内外で差別や偏見に苦しむ人たちを傷つけ、多くの方に不快な思いをさせてしまったことを深く反省し、心からおわびいたします」と頭を下げ、約3分半にわたり経緯などを説明した。
批判を浴びたアニメについて、「黒人の屈強な男性などが経済への不満から暴れているかのように描かれ、黒人に対する誤った印象を与えるものでした。また、放送当時、デモは平和的なものがほとんどで、さまざまな人種の人たちが参加していましたが、アニメはこうした状況を反映していませんでした」と説明。
経済格差のデータを分かりやすく伝えようと編集責任者やデスクが確認しながら制作したが、「黒人の描き方については人権や多様性に対する認識が甘かったと思います。その結果、尊厳を傷つけてしまうことになりました」と振り返った。》
https://www.sankei.com/entertainments/news/200614/ent2006140007-n1.html
茂木健一郎の指摘は鋭い。
《「これでわかった!世界のいま」、謝罪されたみたいですが、番組フォーマット自体に無理がある。坂下千里子さんが「視聴者代表」という構成だけど、なぜ女性で「ママ」なのか(番組ホーム頁より)。「説明される側」のジェンダーなどの設定に無意識のバイアスがある。余計なキャラは元々要らない。》
《このところNHKが多用してきた(あまりものを知らない視聴者代表としての)タレントがいるスタジオ、という番組フォーマット自体がもはや古い。NHKの番組全体のクオリティを下げている。坂下さんだって、実際にはいろいろ関心とか興味あるだろうに、「役割」をスタジオで演じているのはお気の毒。》
NHKの「放送化」全体が、芸能、タレントといった日本の地上テレビの法にどっぷりつかっていて、この番組に限らず、もはや持続不可能なほど劣化しているように感じる。Netflixどで海外の良質なドキュメンタリーなどを見る機会が増えた今、日本の公共放送の質の低さはもはやスキャンダルだと思う。》
https://twitter.com/kenichiromogi/status/1272108271508140032
https://twitter.com/kenichiromogi/status/1272108272435134466
https://twitter.com/kenichiromogi/status/1272108273374642177
番組の公式ホームページでNHK報道局国際部長・田端祐一名義の「6月7日の放送についておわび」が公開された。全を引用しておこう。
《6月7日に「これでわかった!世界のいま」でアメリカの抗議デモについて放送した際、不適切な内容が含まれていました。国内外の差別や偏見に苦しむ人たちを傷つけ、また、多くの方に不快な思いをさせてしまったことを深く反省し、心からおわびいたします。
放送では、デモの発端は黒人男性が警察官に押さえつけられて死亡したことを紹介したうえで、様々な人達が怒りを募らせている背景アメリカ社会の分断の現状など26分間にわたってお伝えしました。この中で黒人の人たちが置かれている厳しい状況を経済格差のデータをもとに1分20秒程度のアニメを制作しましたが、国の内外を問わず、多くの方々から「黒人の描写に偏見がある」などといった批判をいただきました。NHKはアニメのツイッターへの掲載を取りやめ、NHKプラスでの見逃し配信も停止しました。
アニメは、黒人の屈強な男性などが経済への不満から暴れているかのように描かれ、黒人の人たちに対する誤った印象を与えるものでした。また、放送当時、デモは、平和的なものがほとんどで、様々な人種の人たちが参加していましたが、アニメはこうした状況を反映していませんでした。アニメとコメントの一部は「黒人の人たちに対する差別と偏見を助長するものだ」と厳しい批判を多数いただきました。
今回、私たちが問われたのは、人種差別の問題を取り上げるにあたって、人権や多様性に対する意識を持って制作したかという点でした。アニメは、経済格差のデータを分かりやすく伝えようと、編集責任者やデスクが確認しながら制作しました。しかし黒人の人たちの描き方については、人権や多様性に対する認識が甘かったと思います。その結果、尊厳を傷つけてしまうことになりました。
今回の問題をうけNHKでは今後、取材・制作者への研修を改めて行い、人権に対する意識を徹底していきます。また、あらゆるテーマについて、多角的な視点を持って、いっそう丁寧に議論しながら取材・制作にあたってまいります。
この番組は、世界の様々な人たちが、どのような状況に置かれて日々の生活を送り、世界がどこに向かおうとしているのかを子どもたちにも分かりやすいように伝えるため、5年前に始まりました。
いかなる差別や偏見もあってはならないと思います。今回いただいた厳しいご批判を重く受け止め、2度とこうしたことがないよう、人権の尊重という原点に立ち返って取材・制作に取り組んでまいりたいと思います。》
https://www.nhk.or.jp/program/sekaima/sekainoima0607.pdf
前川喜平が呟いている。
《日本に人種差別は、めちゃくちゃある。》
https://twitter.com/brahmslover/status/1272233215042809856

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3)【記事】削除済み記事をめぐる石橋学とHBOとの論戦はどこへゆく

ハーバー・ビジネス・オンラインがツイートしている。昨日ので紹介した神奈川新聞の石橋学の連投ツイートを批判している。
《編集部及び藤倉氏は、あの抗議はあのTwitter本社前抗議活動は、反差別Twitterアカウントを凍結する一方、差別投稿を野放しにする運営への抗議活動だと主催者の方からも聞いておりますし、現場でもそう認識しております。現に神奈川新聞さんの記事も木村花さんのことについては触れられておりません。》
https://twitter.com/hboljp/status/1271983960260669440
これを再び石橋が連投をもって批判するという展開だ。
《私は毎日新聞社の後藤由耶記者を「意図的誤報」と報じたハーバー・ビジネス・オンライン(以下HBO)の記事は後藤記者を不当に貶めるものだと断言した。HBO編集部が反論のツイートをしているが、私は自分の確信を深めることになった。》
《私は後藤記者の記事には木村花さんの件が抗議の趣旨だとは書かれていないので問題はないと指摘した。HBO編集部は相変わらず後藤記者に「ミス」があったとしている(ただ、なぜだろう『ヤラセ報道』『捏造』からトーンダウンし『後藤記者のこれまでの功績にはリスペクト』とも書かれている)。
《だが「ミス」があったのはHBOの記事の筆者である藤倉善郎いう記者と編集部の側だった。それもミスというレベルではなく「意図的」としか説明のしようのないものだ。記事や記者はもちろん編集部、つまりサイトの信頼にもかかわる重大なものといえる。》
《編集部はツイートで後藤記者の記事を〝〟で引用し、「〝急死し女子プロレス選手の木村花さんのアカウントに多数の中傷ツイートがされていたことについて、抗議を呼び掛けた〟とするのは明らかに誤報だと思います」との認識を示す。》
《編集部は、主催者は木村さんの件は抗議活動の趣旨に入っていないと言っている、なのに記事には「木村さんのことについて抗議を呼び掛けた」と書いてある、だから明らかな誤報だという。だが、記事には続きがある。》
《記事はこうだ。「急死した女子プロレス選手の木村花さんのアカウントに多数の中傷ツイートがされていたことについて、抗議を呼び掛けた大阪府の主婦、○○さん(50)は『木村さんは(投稿に)殺されたようなもの。憎悪や差別のツイートを放置することは暴力への加担だ』と厳しく批判。」》
《編集部が引用を途中でやめた「抗議を呼び掛けた」に続く「大阪府の主婦、○○さん(50)は」以下を読み進めれば、この一木村さんの件について見解を尋ねられた主催者がツイッター社への批判を述べていることを記したものだと分かる。》
《逆にいうと「木村さんの件で抗議活動を呼び掛けた」とはどのようにしても読めない。「抗議を呼び掛けた」という所で目をつむり、以下を読まないことにしない限りは。私には記事の趣旨をねじ曲げる「意図的誤読」という言葉以外が思い浮かばない。》
《あるいは藤倉という記者も編集部も「木村花さんのアカウントに多数の中傷ツイートがされていたことについて」と「抗議を呼び掛けた大阪府の主婦」という二つの節の間に打たれた「、」の意味が理解できないのだろうか。記者はともかく記事をチェックする編集部のレベルを疑わざるを得ない。》
《いずれにしろ、HBOの記事の出発点で核心である後藤記者の記事に対する認識の誤りが、編集部のツイートによって明らかになった。誤認識に始まった取材がとんちんかんなものになり、取材結果も書かれた記事もおよそ正当と呼べるものではなくなってしまうのは言うまでもない。》
《記事や記者、HBOの信頼性にかかわるミスはこれだけではない。編集部による「当日後藤記者が取材しているとき、その近くにいたのは藤倉記者だけで、石橋記者の姿はその付近でお見かけしておらず、現場での後藤記者と主催者のやりとりを把握されているとは思えません」というツイートがそれだ。》
《唖然とするほかない。私は後藤記者の隣で取材をしていた。ノートにやり取りのメモもある。レコーダーも回している。その場にいなければ撮れない写真もある。後藤記者と主催者のやり取りの後、私が「関連してですが」と断りを入れて主催者に質問をしている動画もツイッター上に投稿されている。》
《「当日後藤記者が取材しているとき、近くにいたのは藤倉記者だけ」と言い切ってしまっているが、主催者に質問していた後藤記者の隣には毎日新聞社の別の記者もいた。私は現場でバズフィードの記者とも名刺交換をしている。藤倉という記者の目にはあの現場で一体何が見えていたのだろう。》
《私は藤倉という記者も編集部のスタッフも面識はない。藤倉という記者がどこでどう取材していたのかも、編集部が現場に来ていたのかも知らない。もし藤倉という記者が「後藤記者の近くにいたのは自分だけ」と言っているとしたら、編集部はどのように確認したのだろう。》
《私は主催者と後藤記者のやり取りを目の前で見聞きした上で「誘導尋問」や「取材対象者を騙して協力させたヤラセ」はなかったと判断したとツイートしている。編集部のツイートによれば私がうそをついているということになる。そのような事柄についてなぜウラを取ることをしなかったのだろうか。》
《記事だけでなく編集部のツイートがそうであるようにHBOは一事が万事、事実確認をおざなりに運営されているのだろうか。ネットメディアだから緩くてもいいと思っているのだろうか。そうではないというのなら、明らかな事実誤認であるこのツイートについて何らかの対処がなされるはずだ。》
《何より、これだけ事実誤認を重ねてしまう記者による記事にも対処がなされなければおかしい。そもそもツイッター社への抗議活動を取材したのも、ネット上で横行、放置されているヘイトやデマ、誹謗中傷による人権侵害に問題意識があったからではないか。》
《掲載に耐えうるものか検証がなされるべきで、結果によってHBOの見識が問われよう。そして対処も唐突に記事が削除されるということにはなるまい。件の記事ではまさに毎日新聞社のそうした対応を批判していたはずだ。ネット上で生じた被害をどう回復させるか企業責任のありようも大きな課題だ。》
《ちなみに藤倉という記者は「石橋某のアホなツイート」「石橋から取材を受ける人も(中略)不誠実な手法で変な記事を書かれる可能性がある。気をつけねば」と誹謗中傷をツイートしている。このような物言いを公にする人物に現場取材を任せることは弊社ではありえない。社の信用に関わるからだ。》
https://twitter.com/ishibs_kanagawa/status/1272168437322661890

https://twitter.com/ishibs_kanagawa/status/1272174767068467202
こうまでして石橋学が擁護し、称賛もしている毎日新聞の後藤由耶による記事「『憎悪や差別の投稿放置は暴力への加担』 ツイッター社前で100人が抗議」を私たちは読むことができない毎日新聞が削除してしまったからだ。石橋は、このことをどう考えているのだろうか。まさか毎日新聞が削除していることを知らないわけではあるまい。この点に言及することなしに「ハーバー・ビジネス・オンライン」の記者である藤倉善郎を批判しても、実弾を欠いた「虚砲」にしかならないのではないか。後藤の記事を読めない私たちからすれば、「読者」を置いてけぼりにした言論でしかないということを石橋は理解しているのだろうか。

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4)【本日の一行情報】

◎ロイターは6月12日付で「グーグル、差別的ターゲティング広告の根絶目指す新ルール導入へ」を配信している。
《アルファベット(GOOGL.O)傘下の米グーグルは11日、不動産や求人、金融などの広告が、郵便番号や性別、年齢や婚姻状況などに基づいて表示されることを禁じ、違法な差別の根絶に取り組むと発表した。》
https://jp.reuters.com/article/alphabet-google-ads-idJPKBN23J02C
ターゲティング広告と差別は相性が良いのである。

◎宮口幸治の新潮新書「ケーキの切れない非行少年たち」が新潮社Webマンガサイト「くらげバンチ」で鈴木マサカズによってコミカライズされ、連載が始まった。
https://natalie.mu/comic/news/383032
このコミカライズは成功するのではないだろうか。

◎「東洋経済オンライン」は6月13日付で長谷川朋子の「『テレビ宮崎』が連続ドラマに挑戦した深い理由 東村アキコの漫画を『東京並み体制』で実写化」を掲載している。地方局のテレビ宮崎が開局50年を記念して、東村アキコの「ひまわりっ~宮崎レジェンド~」を1話15分、全10話の連続ショートドラマとして製作し、放送したのである。
《寺村社長は社員に向けて「10年かかってもいいから、(投資額を)回収してほしい」と呼びかけている。地元でスポンサーを集め、タイム、スポット収入で売り上げを立てるという従来のビジネスモデルから脱却を図るための第一歩として捉えているからだ。》
https://toyokeizai.net/articles/-/356191

スパイク・リーの「ザ・ファイブ・ブラッズ」がNetflixで見られる。「ベトナム戦争からほぼ半世紀。ともに戦った4人の黒人退役軍人が、隊長の亡骸と埋められた金塊を探し出すために戦場へと舞い戻る」というストーリーなのだが、予告編を見ただけで身震いしてしまった。
https://www.netflix.com/jp/title/81045635
「魂に毒が入った」という台詞があるらしい。https://note.com/uerei_movielife/n/n269d990a594e
全編、「地獄の黙示録」に対するオマージュであった。ただね、河をボートで遡るシーンに使うべきは「ワルキュール」ではなく、ストーンズの「サティいファクション」ではないのだろうか。

◎「フリーの売業」を自称する西岡研介がツイートしている。
《あのマスクがポストに入っていた。が、もはや写真をアップする気にもならん。》
https://twitter.com/biriksk/status/1272326036500279297
私はフェイスブックに次のように6月12日に投稿した。
《アベノマスク、まだ貰えないのだが、オレはシカトされちまったのかな!》
https://www.facebook.com/terumasa.imai/posts/3022305514490081
まだ届いていない。「日刊大衆」によれば安倍首相のお膝元の山口県でさえ、アベノマスクが届いてない地域が大半だそうだ。
https://taishu.jp/articles/-/75631?page=1

上智大学国際教養学部長の中野晃一がオリンピックについてツイッターで次のように述べている。
《私は元々反対派ですが、東京オリンピックを開催してほしいと思ってる人は考えたほうがいい。
Withコロナとか言っちゃってる都知事の下で、東京に世界中のアスリートや観光客が集まると思いますか?
変なカタカナ言葉で騙せるのは、日本のメディアまで。》
https://twitter.com/knakano1970/status/1272143798131458048
BOOWYのドラマー高橋まことがリプライしていた。
《世界中コロナの勢いは衰えてないし、ワクチンだってまだまだなんでしょ!?そんな中簡易的オリンピックって言ったって選手来なきゃ始まらねえのが分からねえバカ共が何を言ってんのかって話し!!やっぱりバカに付ける薬はないんだなぁ~~。みんな気が付けよ!!。》
https://twitter.com/atomicdrum/status/1272151438471249921

◎昭社は、子どもたちが世界に興味や希望を持てるようなコンテンツを届けるべく新シリーズ「まっぷるキッズ」を創刊した。第一弾として、「ニッポンこども鉄道旅行」「全国の電車大図鑑」「東京の電車大図鑑」を6月19日に発売する。
https://www.mapple.co.jp/10285/

◎生活情報誌「オレンジページ」は6月17日(水)発売号で創刊35周年を迎える。記念号では「オレぺの革命レシピ」と題し傑作選を特集する。6月20日(土)放送の日本テレビ世界一受けたい授業」に編集長・秋山リエコが出演し、35年の「食」の歴史を振り返り、これまで特に反響のあったレシピを紹介するそうだ。
https://www.atpress.ne.jp/news/215856

◎書店向けWeb商談会が6月29日(月)~7月3日(金)の5日間にわたって開催される。アポイントや商談は無料ツールを組み合わせてコストを抑え、出版社も書店も参加費を無料とした。リアルな対面商談の単なる代替品ではなく、たとえば「北海道の書店が沖縄の出版社と出会う」ことも気軽にできる、アフターコロナを見据えたプラットフォームを目指す。出版社は次の45社が開催する
語研、ブロンズ新社、グラフィック社、マール社、Jリサーチ、西村書店、リトルモアポプラ社、アシェット・ジャポン、芸術新聞社、求龍堂、武蔵野美術大学出版局、晶社、白水社国書刊行会、パイ インターナショナル、合同出版、食べもの通信社、彩流社、東京美術、亜紀書房ラボ教育センター、太郎次郎社エディタス、廣済堂あかつき、かもがわ出版、ロクリン社、好学社、ひさかたチャイルド、絵本館、のら書店、子どもの未来社、光村図書、クレヨンハウス、視覚デザイン研究所、出版ワークス、ビーナイスアノニマ・スタジオ朝日出版社偕成社青弓社現代書館チャールズ・イ・タトル出版、自然食通信社、大和書房、大日本図書。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000574.000012505.html

◎日刊スポーツは6月14日付で「安倍首相『得意な企業が』生放送で中抜き疑惑否定」を掲載している。
《持続化給付金の支給事業をめぐり、委託経緯の不透明さから「中抜き」疑惑が浮上しているが、首相は「それぞれの分野において得意な企業がいる。得意なところに再委託すると説明を受けている」とし、「実際に事業に関わる実費が発生しない限り、お支払いすることはない」。再委託時の20億円の差額についても「このうち15億円は銀行の振込手数料。実費が発生しなければお支払いはしないということは、改めて明確に申し上げておきます」と強調した。
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202006140000808.html
衆議院議員後藤田正純も、この番組を見ていたのだろう。こう呟いている。
《いや、いや、いや、そういうことやなく!得意とかでなく!
○片方の見積もりがいくらだったのか?国民の税金なんやから黒塗りはあかんやろ?
差が150億とか話どう説明するか?
○再委託の割合高すぎ、つまり丸投げはいいのか?
〇なぜ直接電通発注せんかったん?》
https://twitter.com/MasazumiGotoda/status/1272153747402047488
小学館「小学一年生」元編集長・渡辺朗典がリツイートしている。
《誤解しないでほしいのだけど、
僕らは、政府を信頼したいと心から願っているんですよ。
信頼できる施策をして、最悪おかしなことをやったときにはきちんと説明して将来につなげる。そういう信頼できる政権であってほしいと願っているだけなんですよ。》
https://twitter.com/nabe_routen/status/1272347310584786944
「BusinessJournal」は6月13日付で「私が電通に製作費“7割中抜き”され企画を握り潰され、濡れ衣着せられクビにされた実話」を発表している。元プロレスラーでゲーム・映画コラムニストのジャンクハンター吉田こと吉田武のツイッターにおける連投をベースにした記事である。
《なんと任天堂から電通関西が貰っている予算のうち、たった3割しか制作費を落としていなかったことが判明しました。7割も中抜きです。せいぜい5割の半々だろうと思っていのですが、それが違った時のショックはまだ業界青二才な自分にはショックでした。》
https://biz-journal.jp/2020/06/post_162529.html
東京新聞の望月衣塑子がこの記事をツイッターで紹介している。
《今回の #サービスデザイン推進協議会 の問題に通じる #電通 の中抜き体質。税金の無駄遣いがないか更なる検証を。
任天堂から電通関西が貰った予算のうち3割しか制作費を落としてなかった。7割も中抜き。5割かと思ってたが、業界青二才な自分にはショックだった」》
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1272038384014258176
孫崎享の「転ばぬ先のツイ」を企画編集したという百合花梨が望月リツイートして、連投が始まった。
《あぁ~、私も何度も酷い目に遭わされた。随分前に電通とは縁切ったから、大昔の話だけど。
あるプロジェクトの企画の一端を頼まれて提案したら、数日後、「アレ没ったから、プレゼン費だけでイイよね?」って言われて一方的に50万円しかもらえなかった。》
《その額じゃ、デザイナーさんとか手伝ってもらったスタッフのギャラすら支払えないレベル。仕方なく、身銭を切るしかなかった。
こういう結果マイナスの仕事を強要されてた人って、結構多かったと思う。時々オイシイ仕事貰えるから、涙を飲んでたんだと思う。
《しかし、翌々月の雑誌に、(没になったはずの)私の企画がまんま広告掲載されていたわけですよ。あとポスターなんかも巷で見かけたり。
「ふざけるな!」ですよ、マジで。私の企画は、実は採用されていたことになるわけで。
・・仲間内でこの話すると「あ、俺も、同じ目に遭った」って人が結構いた。》
《つまり、企画が通っても、私に支払うコストを抑えたいから、嘘ついてたわけ、電通の担当は。しかも、そういう経験した人は多いわけです。
電通って、お天道様に顔向けできない稼業だと、ハッキリ言えます。》
https://twitter.com/yurikalin/status/1272197203902124040

https://twitter.com/yurikalin/status/1272197207525953536
テレビ東京報道局出身の青木俊が百合をリツイートしている。
電通に関してこの類の話はよく聞く。私が仕事をした電通の社員たちは、そんな変な人間はいなかったが、大会社になるといろんな人間がいるのだろう。ただし、同じ大手でも博報堂に関してこの類の話はあっても少ない。電通は様々な面で会社の体質の見直しが必要だろう。》
https://twitter.com/AokiTonko/status/1272207339647463424
百合花梨が青木にリプライしている。
《そうなんですよ。博報堂で酷い目にあったことないんです。
ただ、長時間ブレスト大好きな社風だった(当時)みたいで、つき合い切れずに途中で帰宅したこともありましたけどね(苦笑》
https://twitter.com/yurikalin/status/1272208772929220608
青木がリプライ。
《広告会社にもそれぞれの社風はあって、大手の間でも結構違う。博報堂は総じてジェントルマンだが、その一方、お公家さんとも言われて…。その点、電通はちゃんとケツ持つ度量はあって…。いずれにせよ、広告会社がなくてはエンタメも産業も回らない。どこの社もきちんと社会的責任を自覚してほしい。》
https://twitter.com/AokiTonko/status/1272211567321350146
博報堂出身の海野裕がツイートしている。
《同じ畑出身だけど、さすがに目に余るよね、電通。もっと野武士的な会社だと思っていたのに残念だ。》
https://twitter.com/y_umino/status/1272090258369179650

川奈まり子がツイートしていた。
《ヘンリー・デニソンを検索していたら作家の館淳一さんが2003年にお書きになった「掃苔録1 トーマス・ベイティ」というブログを発見。トーマス・ベイティという稀有な人の生き方が非常に興味深かったので、ここに投稿しておきます。》
https://twitter.com/MarikoKawana/status/1268451409873170432
まあ四の五の言わずに館淳一の「掃苔録1 トーマス・ベイティ」をお読みください。「プレイボーイ日本版」を支えてきた「知性」とは、こういうものなのである。
http://tate.32ch.jp/shosai/diary/haikai/Baty.html?fbclid=IwAR16O7amsmaZMTbOJ4NnrvrYiWFAPccaQNaBKkR4JLIkIoNjlXFq_uqZrP8
日本の外務省顧問であったトーマス・ベイティがフェミニズム作家のアイリーン・クライドと同一人物であったとは!

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5)【深夜の誌人語録】

リーダーに問われるのは失敗を独り占めできる器量を持てるかどうかだ。