【文徒】2020年(令和2)8月21日(第8巻154号・通巻1811号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】山本弘の連ツイに関係者が騒然…無事でした!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】山本弘の連ツイに関係者が騒然…無事でした!

「プロジェクトぴあの」(ハヤカワ庫)や「神は沈黙せず」「アイの物語」(角川庫)で知られるSF作家・山本弘が8月20日未明、ツイッターで次のように連投したことが発端であった。
《たぶん、このを読んでいる人間の多くは気づかないだろう。でもこれは一年以上前から考えていたことなのだ。もちろん妻や娘には内緒である。医者にも友人にも。》
《一年かけて伏線をはっていた。》
《決意したのはいよいよ僕の肉体が限界に近づいたからである。特に脳が。過去の僕のツイートを見ればわかる。まもなく僕は考えることすらまともに、できなくなる。》
《『チャリス』が僕のラストメッセージ
https://twitter.com/hirorin0015/status/1296121862632509441
https://twitter.com/hirorin0015/status/1296122907043618816
https://twitter.com/hirorin0015/status/1296128472868204544
https://twitter.com/hirorin0015/status/1296135619127590913
こっ!これは!!リプライが相次いだ。探偵小説家の芦辺拓である
《そうはさせませんよ。これから悠々とした作品を悠々と書くのです。そうでなければできないものがあるんです。作家としての新境地です。》
https://twitter.com/ashibetaku/status/1296142650941140992
町山智浩がリプライしている。
《それは、つまり作家引退というだけですよね? じゃあ、これからしばらくは映画観たりアニメ観たりして楽しみましょうよ。》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1296136288156782593
他にも次のようなリプライが書き込まれた。
《そうですよ、奥さんや娘さんと、たくさんアニメや映画を見てあげてください。》
https://twitter.com/fusuian/status/1296137347780681729
《「チャリスは、決してあきらめない。どんなに絶望的なピンチだろうと必ずチャンスをつかみ、悪を滅ぼし、最後に大逆転する。その素晴らしい姿に僕はほれこみ、夢中になるのだ。」と、日記にそう書いてたじゃないですか。》
https://twitter.com/satosan_oidame/status/1296138286147096577
トークライブ“Live Wire”の公式アカウントは8月20日午前3時31分にツイートしている。
山本弘さん、ご無事です。お電話でもお話しました。皆様、警察への通報等思いとどまってください。ご自宅でお元気です。》
https://twitter.com/golivewirecom/status/1296152708831821829
芦辺拓が呟く。
《ありがとうございました。ご尽力に感謝です!》
https://twitter.com/ashibetaku/status/1296165038202396672
こういう動きがあったのである。芦辺拓のツイート。
山本弘さんの件ですが、東京創元社の編集氏に自宅・仕事場の所在を伝え、それをもとに在阪の知人の方が警察に連絡するとともに駆けつけてくださって、ご無事が確認できた模様です。本当によかったです。》
https://twitter.com/ashibetaku/status/1296154647858565120
山本弘のアカウントから次のようなツイートが投稿されたのは8月20日午前4時20分であった。
《(代筆)
先程110通報がありました。
本人は無事です。
お騒がせ致しました。
コロナの影響下で外に出る機会も減り、気分が鬱々としていたようです。
皆様の暖かい声で、持ち直すことができました。ありがとうございます。
この度はご心配をお掛け致しましたことを深く御詫び申し上げます。》
https://twitter.com/hirorin0015/status/1296165242137788417
町山智浩が早速、反応した。
《よかったです。何か観たいけど手に入らない映画があったら言ってください。必ず入手します!》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1296166093862473728
齋藤紅人がリプライしている。
《小説講座でお世話になった者です。あの時先生が褒めてくれたおかげで趣味とはいえ僕は長編小説を書き上げることができました。これからも書いていきます。小説家山本弘ミームは拡散し様々なところで生き続けています。ジェライラの鎧はずっと僕の教科書です。》
https://twitter.com/redholic1978/status/1296198880539811841
山本弘が8月20日午後1時2分にツイートしている。
《みなさんにご報告。僕はつい数時間前、自殺をほのめかすようなメールを書きました。自殺を考えていたの事実です。でも、妻や娘の言葉で思いとどまりました。また友人の鋼鉄サンボくんの言葉や、多くの方のはげましのメールもいただきました。感謝いたします。》
《妻の言葉が何より胸に刺さりました。「あんたなあ、自殺ではお金はおりひんのやで」(笑)。》
https://twitter.com/hirorin0015/status/1296296625283821569
https://twitter.com/hirorin0015/status/1296299522490916864
山本弘脳梗塞で闘病中であったようだ。こんなツイートを発見した。眠田直は「と学会」会員の漫画家である。
脳梗塞で闘病中の山本先生を応援しよう!
星雲賞作家・山本弘が己の趣味だけで書いた、幻の美少女エロチック・アクション小説「チャリス・イン・ハザード」シリーズが電子書籍になりました。(成人向)》
https://twitter.com/goeppels/status/1296093499381518341
「プロジェクトぴあの」のあとがきで山本弘は次のように書いていた。
《リハビリを受けてもいっこうに良くなる気配はなく、二桁の足し算すらろくにできない。『プロジェクトぴあの』のような高度な数学を駆使する作品は二度と書けないのです。
だからこれは「ハードSF作家・山本弘」の遺書だと考えてください。これからも小説を書くことはあるかもしれませんが、ハードSFを書くことは永遠に不可能なのです。》
https://www.hayakawabooks.com/n/nf9f666619589
手塚るみ子がツイートしている。
山本弘先生のことはお名前でしか存じ上げないのですが、今回の件では先生の投稿へ返された多数のファンからの返信を読んでいて涙が出た。作品は作者自身の生命の一部であると同時に多くの読者の人生の一部でもあるんだと。》
https://twitter.com/musicrobita/status/1296300414988500992
カクヨム」は「山本弘のリハビリ日記」を公開している。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887816845
山本弘トンデモ本を楽しむ集団「と学会」の初代会長であり、「こんなにヘンだぞ!『空想科学読本』」(太田出版)の著者である

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2)【本日の一行情報】

◎綿野恵太のツイート。
《新人賞の下読みのバイトしたとき、朝起きて昨日飲み残したストロングゼロを飲み干すシーンの多さにびっくりした。》
https://twitter.com/edoyaneko800/status/1296286030371229696

◎千葉雅也のツイート。
《発売中のブルータスで白井聡さんとの対談が載ってますのでぜひよろしくです。資本主義に魂を乗っ取られた状況に対し、自転車駐輪禁止や禁煙推進などのことも例に挙げながら自由に論じています。》
https://twitter.com/masayachiba/status/1296302107935379459

百田尚樹のツイート。まずは、これ。
《★炎上覚悟★
「コロナなんか怖くない!すべての活動を通常運転に戻せ!」
これを言えない政府や政治家やメディアを持った国民の不幸。
日本は、コロナではなく、コロナ自粛で瀕死になる。》
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/1295377601133912066
百田尚樹のツイート。つづいて、これ。
《★炎上第2弾★
私はコロナなど怖くない!
有限実行で、マスクなんかしていない!
「他人にうつす危険を考えないのか!」
と怒鳴った人に言いたい。
君は他人を轢き殺す危険のある車を一生運転するな!家族にも運転させるな!》
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/1295378780916084737
またまた百田尚樹がツイート。
《東京のコロナ重症者は8月18日現在で27人。都民1300万から割れば、約50万人に1人である。
人間の髪の毛は約10万本。つまり5人の人間の髪の毛に1本だけ当たりの髪の毛を決めて、たまたま5人から1人を選んで1本の紙の毛を抜いて当たりになる確率と同じ。これを当たりやすいと思うかどうかは性格によるな。》
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/1295567704904962049
山口昌男は「知の遠近法」(岩波現代庫)で次のように書いている。
「煽情的な章の持つ効果は、それが中途半端な正義感を代表している時には、奴を殺せという最終的解決に人をけしかけることによって、日常生活における個々人の鬱積した憤怒の情念に形を与える役割を果たすことにある」
https://www.iwanami.co.jp/book/b255761.html
百田尚樹は首相が大好きな小説家なんでしょ。

毎日新聞は8月20日付で「伊藤詩織氏、杉田水脈衆院議員を提訴 中傷ツイートに繰り返し『いいね』」(塩田彩、宇多川はるか)を掲載している。
ツイッターで自分を中傷するツイートに繰り返し「いいね」を押されたことで名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの伊藤詩織氏(31)が20日自民党杉田水脈衆議院議員(53)に220万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。》
https://mainichi.jp/articles/20200820/k00/00m/040/077000c
伊藤は元東大特任准教授・大澤昇平に対しても名誉を傷つけるツイートを投稿したとして110万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。「弁護士ドットコムニュース」は8月20日付で「伊藤詩織さんが杉田水脈衆院議員と大澤昇平さんを提訴 『ツイッターの投稿で名誉を傷つけられた』」を公開している。
《訴状によると、杉田議員は2018年6月28日に英BBC放送で放送された伊藤詩織さんを取り上げた番組で、「女としても落ち度がありますよね」「伊藤詩織さんが記者会見をおこなった、嘘の主張をした」などと発言。ツイッターで「介抱してくれた男性のベッドに半裸で潜り込むような事をする女性」などと記した。
その後、6月30日~7月18日に伊藤さんについて「枕営業の失敗」「彼女がハニートラップを仕掛け(た)」などと投稿した他人のツイートを「いいね」した。
伊藤さんは杉田議員のツイッター投稿が指す女性は自身だと指摘。杉田議員の「いいね」は不特定多数が認識しうる場でなされているもので、「国会議員で約11万人(当時)ものフォロワーがいる杉田議員が『いいね』で中傷投稿に好感を宣明したことは、名誉感情侵害行為に当たる」と主張し、慰謝料など220万円を求めている。》
https://www.bengo4.com/c_23/n_11611/

◎「仮面 虚飾の女帝・小池百合子」(扶桑社)の横田一がツイートしている
小池都知事の会見で指名される記者は1回当たり5~10人ほどで、しかも露骨な記者選別を続けていることから“お気に入り記者”の質問がほとんどの状態となっているのだ。都知事会見で丁々発止のやりとりが皆無に等しいのは、小池の徹底したメディア・コントロールの産物といえる。》
https://twitter.com/yokotahajime1/status/1296288319039401984
「ダイヤモンド・オンライン」は7月6日付で「小池都知事が圧勝の裏で露骨にメディア選別、批判的な記者は“排除”」(岡田悟)を発表している。
《会見が始まる前後、部下の職員は記者席を何度も見回し、手元の紙にサインペンで何かを書き込んでいく。ダイヤモンド編集部が6月26日の記者会見でその紙を撮影したところ、「毎日」「朝日」「幹事社 東京新聞」「日経」「日刊スポーツ」などと書かれているのが読み取れた。どの社の記者がどの席に座っているのかが分かる座席表を作成しているのだ。
座席表はいつも、会見開始後15~20分ごろ、職員から初宿理事によって、質疑応答の前に都側からの発表事項についてプロンプターに浮かぶ字を読み上げている小池知事に手渡される。
小池知事の定例会見は、都庁の記者クラブにファクスで申し込めば、クラブ非加盟の報道機関やフリーランスの記者も参加可能だ。ただ、会見は都庁の記者クラブ主催ではあるものの、質問する記者は小池知事が指名する。》
https://diamond.jp/articles/-/242248
横田一は、この記事にも登場する。これも横田のツイート。
《「ダイヤモンド・オンライン」編集部は情報公開制度を使って、定例記者会見の最中に初宿理事から小池知事に手渡された座席表について開示請求。だが都側は、「コロナ対応や都知事選への対応で多忙であり、書の存在について確認ができない」と説明していた。(その後、開示)》
《「ダイヤモンド・オンライン」の記者は、小池都知事の会見でどの記者がどこに座っているかを書き込んだ座席表の写真を撮り、ウェブの記事で公開もしている。この座席表を見ながら、小池は自分に都合のよい質問をしてくれる“お気に入り記者”だけを会見で指名していたというわけだ。》
https://twitter.com/yokotahajime1/status/1296306920144265216
https://twitter.com/yokotahajime1/status/1296318718872494080

◎「J-CASTニュース」が8月18日付で発表した「缶チューハイでリモート飲みはもう飽きた。そんなあなたに『まぜるだけ』カクテルのススメ」は主婦の友社の「家飲みかんたんドリンク150」を紹介している。
《本来、カクテルを作るには「ビルド」「ステア」「シェイク」など、基本テクニックだけでも6種ほどあり、知識と経験が必要とされる。けれど、本書で紹介しているカクテルはどれも、たった3種の技術だけで作れる。「まぜる」「よくまぜる」「軽くまぜる」の3つだ。》
https://books.j-cast.com/topics/2020/08/18012692.html
「ピッツァ焼酎」が旨そうだ。ウオッカでも良さそう。

経済書では定評のある光社、なのである。光社新書のラインナップからすれば、そう評価しても間違いではあるまい。そんな光社からエマニュエル・サエズ+ガブリエル・ズックマンの「つくられた格差 不公平税制が生んだ所得の不平等」が刊行される。8月19日(水)に電子版をリリースし、紙書籍版は9月17日(木)に刊行する
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000515.000021468.html
富裕層に課税強化をし、最高税率を70%ないし90%まで引き上げるという考え方は、日本の野党も学ぶべきだろう。「つくられた格差 不公平税制が生んだ所得の不平等」は大統領選に出馬したバーニー・サンダースの理論的バックボーンとなったことでも知られている。「フレンチーズ」の経済学はアメリカを席捲しているのだ。一抹の不安は翻訳が経済学者でないことなのだが…。私であれば翻訳に山田鋭夫あたりが適任者だと思えてならない。
いずれにせよ、「社会保障を所管する官庁の1年目」だという「官公庁エコノミスト見習い」が呟く。
《これは読まねば…
バークレーに行きたい欲が高まる》
https://twitter.com/goveconomist/status/1295381091230965760
こういう官僚がいることを知るとホッとする。

◎Daysが運営するライトノベル総合情報サイト「ラノベニュースオンライン」は、ライトノベル専門のフリーペーパー「ラノベNEWSオフライン」を2020年10月下旬に創刊するそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000029524.html

藝春秋は、韓国の李承晩学堂校長・李栄薫編著「反日種族主義との闘争」日本語版を9月17日に発売する。韓国人の自己認識に日本のいわゆる“良心的知識人”が及ぼした影響は、小さくないという認識から書かれている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000043732.html
韓国では5月に刊行されている。産経新聞は5月11日付で「『反日種族主義』の続編発行 著者一同会見、批判に『反論』で応じる」を掲載している。
《新著では「慰安婦」「戦時動員」「独島(トクト、竹島の韓国での呼称)」「土地林野収奪」「植民地近代化」の5章に分け、李氏らへの批判に対し、研究に基づき反論する形をとっている。》
https://www.sankei.com/world/news/200511/wor2005110013-n1.html
一方、藝春秋は池上彰+「池上彰スペシャル!」制作チームによる「日本VS韓国 対立がなくならない本当の理由」も9月17日に発売する。

東京新聞は8月19日付で「電通への再委託額は計1415億円 過去6年間で72件」(桐山純平)を掲載している。
《持続化給付金など経済産業省の事業で、広告大手の電通が一般社団法人を通じて再委託を受けた金額が、2015年度から6年で計1415億円に上ることが分かった。事業数は72件で、再委託額は事務委託費計1585億円の89%に相当する。法人に隠れる形で、国から電通へ多額の税金が流れてきた構図が鮮明となった。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/49678

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループのTポイント・ジャパンとワンモアは、ワンモアが展開をするTポイントによるポイントファンディングサイト「GREEN × Tポイント」(https://green-point.jp/projects)において、8月18日(火)より、小学館の漫画「あさりちゃん」を支援できるプロジェクトを開始した。
今後は、CCCグループが有するアセットを活用し、小学館キャラクターを支持するファンとコンテンツとの架け橋の一助として、ファンのニーズに沿った形でTポイントが支援につながるプロジェクトに継続して取り組んでいく予定だという。また、本取り組みで得た知見と小学館キャラクター展開チームが有する人気キャラクター資産を活用し、新たな出版コンテンツビジネスも模索することになる。
小学館としては、ポイントファンディング「GREEN × Tポイント」においてプロジェクトを開始することでファンコミュニティの拡大と、デジタル活用によるコンテンツの新しいマネタイズを目指すということになる。
https://www.ccc.co.jp/news/2020/20200818_001926.html

◎「M&A Online」は8月19日付で「書店大手の教堂、再生計画から1年|新型コロナ重なり、窮地が続く」を公開している。
みずほ銀行三井住友銀行横浜銀行など6行が41億円超に上る債務の株式化に応じるとともに、日販GHDが5億円を出資。これにより、約20店舗閉鎖など一連のリストラに伴う赤字拡大で2019年8月期末に42億円まで膨らんでいた債務超過を一気に解消した。直近の純資産は7億7400万円とプラス圏に回復している。
また、借入金残高もおよそ60億円まで約4割減り、金利減免などの支援措置も2025年8月末まで継続することから、財務負担が相当程度軽減する。》
《店舗数は現在101店舗。今期は不採算の24店舗を閉鎖し、九州地区での出店もゼロとなった。店舗閉鎖は計画の線だったとはいえ、新型コロナが加わり、出版物の販売がさらに落ち込んだとみられるだけに、黒字確保は容易でないはずだ。》
《再生計画は明らかに縮小均衡を目指す内容。来期も引き続き不採算店舗の閉鎖を進める。黒字確保を図りながら、売上高は2025年に8月期に160億円程度と最盛期の3分の1以下に身を縮め、利益重視の経営体質を志向する姿勢を鮮明にしている。》
https://maonline.jp/articles/bunkyodo202008

◎蔦屋書店は、12月に上海市長寧区の化施設「上生・新所」(コロンビア・サークル)内に新店舗をオープンする。
https://www.nna.jp/news/show/2082985

◎「SankeiBiz」は8月19日付で「出版社がレストラン経営 元敏腕編集者が編み出した『本格日替わり定食』とは」(波溝康三)を掲載している。KADOKAWAが、今月、埼玉県所沢市に直営レストラン「角川食堂」をオープンしたが、仕掛け人は、エラリー・クイーンの翻訳本などを手掛けてきた元編集者である同社レクリエーション事業局フードビジネス課長の津々見潤子である
《津々見さんは1971年、佐賀県生まれ。東京外国語大学卒業後、都内の出版社などを経て、2002年にKADOKAWAへ入社した。書籍編集部に配属され芸担当の編集者としてエラリー・クイーンの新訳シリーズなどの編集を担当してきたが、20016年、突然、上司に呼び出され、こう伝えられた。
 「あなたは給料の半分以上を食費にかけるほどの“食通”と聞いているが本当か? 実は社内で計画中の、あるプロジェクトをやってほしいのだが…」
 社内でも極秘だったプロジェクトとは、デンマークにある世界最高峰のレストラン「ノーマ(NOMA)」のような店を、日本で出店できないか、という計画だった。もちろん、レストラン経営はKADOKAWAにとって初めてのプロジェクトだった。》
https://www.sankeibiz.jp/econome/news/200819/ece2008190700001-n1.htm

◎「ITmedia ビジネスオンライン」が8月19日付で公開している「門外不出の『編集マニュアル』には、何が書かれているのか 累計1000万部を売った話」は、アスコムの取締役 編集局長・柿内尚にインタビューしている。柿内は、広告会社、ぶんか社アスキーを経てアスコムに入社している。
《例えば、ヒットに必要な2大要素は「新しさ」と「共感」です。この2つのバランスが大切だと思っています。「この本は自分に必要な本だ」と思ってもらうためには、「新しい情報」と「共感できる情報」の両方が必要なんですよね。例えば、新しい情報を自分ゴトにしてもらえるように共感できるエピソードを盛り込む、みたいなことをします。そうした章に触れると、人は「あ、これは自分が読まなければいけない本だ」と感じるんですよね。
あと、意識しているのは「脳」と「心」、この2つに届けるようにしています。脳と心は同じかもしれませんが、ここでいう脳はロジカルなことで、心は感情のこと。脳ばかりに訴えても、それがすべて届くとは限りません。心で理解することも大切なんです。じゃあ、心で理解するってどういうことかというと、これも共感です。本を読んだ人が「あるある」「そうそう」と思ってくれるかどうか。書いていることがちょっと難しいことであっても、「あるある」「そうそう」と感じることができれば、心に落ちていく。ここがポイントなんです。》
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2008/19/news023.html

◎宝島社から刊行されている書家・中塚翠涛が監修・手本を担当するペン字練習帳「30日できれいな字が書けるペン字練習帳」シリーズが売れている。今年4~7月の販売数は、2018年発売「中塚翠涛の30日できれいな字が書けるペン字練習帳特別版」が前年比150%、2016年発売「30日できれいな字が書けるペン字練習帳横書きを美しく」が前年比170%、2014年発売「30日できれいな字が書けるペン字練習帳美字を書くコツ」が前年比232%と部数を伸ばしているのだ。現在までに11冊を発売、累計400万部を突破しているというから凄い。中塚翠涛は、日本テレビ系24時間テレビ43「愛は地球を救う」のテーマとなる「動く」の題字を担当している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001047.000005069.html

◎「bizSPA!フレッシュ」は8月19日付で「手取り12万円からアマゾンジャパン社員に。逆境下でのキャリアの築き方」を発表している。「20代で人生の年収は9割決まる」(日経ビジネス庫)の著者で、現在はエリエス・ブック・コンサルティング社の代表取締役を務める土井英司は次のように語っている。
《――アマゾンジャパンという会社はどうでしたか?
土井:面白い会社で、何より自分に合っているなと思いました。アマゾンジャパンでは残業が全く評価されず、「仕事が終わったら帰っていい」と言われたんです。言葉に裏のない会社だとは感じていたので、「本当に帰っていいんだな」と確信しました。
あと、当時の「Amazon」は本を売るサイトだったのに、日本の出版業界からとにかく嫌われていたのも気に入りました。私はいやがらせや逆境が大好きだったので、「この人たち全員にAmazonが好きと言わせてやる」と闘志に火が付いたんです。加えてビジネス書の評価が低い時代だったので「これを売って評価を上げてやろう」と。》
https://bizspa.jp/post-343251/
土井は出版社が育てたAmazonシンパだ。

◎日本アクセスは、「料理レシピ3メディアが選ぶ新商品グランプリ」を8月24日より公開する。
これは料理レシピサイト「クラシル」「オレンジページnet」「レタスクラブニュース」の3メディア編集部において、2020年秋冬に発売される新商品を試食・採点。その結果を「料理レシピ3メディアが選ぶ新商品グランプリ 2020年秋冬」特設サイトに、また各メディア編集部がセレクトした商品をそれぞれのWEBサイトにて公開するものだ。また店頭ではPOP 等による売場販促を連動させ、売り場の活性化も図る。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000023710.html

◎「ELLE Japan」を始め、「婦人画報」「Women's Health」等を発行するハースト婦人画報社のハーストメイド統括部長にADK出身の阿部健一郎が就任した。
https://www.seventietwo.com/ja/business/HeastMade-KenichiroAbe

◎「NEWSポストセブン」は8月19日付で「五輪『東京・パリ合同開催』という選択肢 郷原信郎氏が指摘」を発表している。「週刊ポスト」8月28日号が掲載している記事だ。郷原の次のような提案が「東京開催」にこだわるのであれば、最も妥当なのではないだろうか。
《2024年にはパリ五輪が予定されていますが、フランスも新型コロナで大きなダメージを受けている。そのため五輪に向けた準備も困難な状態です。競技場など施設の建設も難しく、恐らく準備は遅れるでしょう。
しかし、一方の東京には施設が揃っている。スタジアムでの陸上競技など大きな施設が必要な競技は東京で、そうでないトライアスロンやマラソンなどはパリで──。もしそのような形で東京・パリ共催のオリンピックができれば、それこそ新たな国際協調の枠組みを提示できるはずです。》
https://www.news-postseven.com/archives/20200819_1586749.html?DETAIL

◎「深夜高速バスに100回くらい乗ってわかったこと」(スタンド・ブックス)のスズキナオって絶対にブレイクするよ。cakesの同名の連載をまとめた「関西酒場のろのろ日記」が9月30日Pヴァインから刊行される。
https://cakes.mu/series/4538
8月19日付で「大阪市北区・梅田『風の広場』―どんなにお金がなくてもここなら飲める酒」を発表しているのだが、社会学者の岸政彦が絶賛している。
《この連載いつもうなる。感心する。そうそう、ここいいんだよ……》
https://twitter.com/sociologbook/status/1296095501746442240

中川淳一郎の「博報堂愛」に溢れた章である。
《私自身、会社を辞めたいと考える人を全面的に止める立場ではない。何しろ自分だって4年ぽっちで辞めているのだから。とはいっても、この1年で感じたのは「やっぱ商売の上流にいる博報堂は羨ましいな」ということである。何しろ私のような零細ヘッポコプランナーには来ないような大きな案件が次々とクライアントから相談される環境にいるのだ。
これがいかにラッキーなことか! もしも自分がこの事実に会社を辞めた2年後に気付いたら「スイマセン、やっぱり会社に戻してください。今度は安易に辞めません」と言っていたと思う。ただ、気付いたのが18年後の2019年8月の博報堂復帰の後で、45歳になっていたのだ。もう遅い。》
https://www.hakuhodo.co.jp/magazine/83878/

◎トリスタが運営する日本最大級のWebマンガサービス「ニコニコ漫画」と、KADOKAWAが発行する本とコミックの情報誌「ダ・ヴィンチ」が共同開催する「次にくるマンガ大賞 2020」が発表となった。
コミックス部門の第1位は戸塚慶「アンデッドアンラック」(集英社)、第2位は野澤ゆき子 、中村力斗「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」(集英社)、第3位は山本崇一朗 「それでも歩は寄せてくる」(講談社)、第4位は上山道郎「悪役令嬢転生おじさん」(少年画報社)、第5位は工藤マコト「不器用な先輩。」(スクウェア・エニックス)。
Webマンガ部門の第1位は「僕の心のヤバイやつ」(秋田書店)、第2位は「姫様"拷問"の時間です」(集英社)、第3位は「ほむら先生はたぶんモテない」(KADOKAWA)。
特別賞である「U-NEXT賞」はコミックス部門が「夏目アラタの結婚」(小学館)、Webマンガ部門が「パリピ孔明」(講談社)。
https://tsugimanga.jp/

小学館の少女マンガ誌「Sho-Comi」8月20日(木)発売18号付録は、「repipi armario」とコラボしたウエストポーチだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000797.000013640.html

藝春秋は、9月2日より順次、書店店頭で「2020 庫 秋100ベストセレクション」を開催する。今年のイメージキャラクターは女優の北川景子。キャッチコピーは「新しい私に出会う」だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000043732.html

◎「マイナビニュース」は8月20日付で「漫画が紙から電子になった裏側 - 白泉社 編集長インタビュー」を公開している。「マンガPark」編集長・井手優美が次のように語っている。
《「また、漫画家のデビューの仕方にも大きな変化がありました。これまでは"持ち込み"や"まんが賞"から漫画家が生まれることがメジャーでした。ですが最近では、投稿サイトやSNSへの投稿がきっかけとなり、大ヒットとなる作品の漫画家が生まれることもあります。さらに、作品に関するやり取りも、ネット上で行うことが増えています」》
https://this.kiji.is/669002057183904865?c=491375730748638305

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3)【深夜の誌人語録】

進むでもなく、退くでもなく、ここは待つことにする。