【文徒】2020年(令和2)10月8日(第8巻186号・通巻1843号)つづき

3)【記事】学術会議任命拒否事件 学会から抗議声明つづく

教育史学会は10月4日付で教育史学会代表理事・米田俊彦(お茶の水女子大学)名義の「日本学術会議への政治介入にかかわる教育史学会理事会声明」を発表した。
《教育史学会理事会は、菅義偉首相が日本学術会議の新たな会員に推薦された者の内の6名の任命を拒否したことに対して強く抗議し、被推薦者全員の即時任命を要求する。
日本学術会議法は、政府からの独立性を担保するために、会員を推薦する基準を「優れた研究又は業績のある科学者」と規定している内閣総理大臣が多種多様な学術研究の優劣に立ち入る権能を持ちえないことが明らかである以上、今回の措置では個々の学者の政治的・社会的な発言や活動が基準とされたと考えざるをえない。
「令和の滝川事件」とも称される今回の措置は、1933年に大臣が滝川幸辰京都帝国大学教授を「赤化教授」との評判に基づいて休職処分とした事件や、1935年に当時の学会の通説(天皇機関説)を「不敬」とする声に押されて部省が美濃部達吉帝国大学教授の著書を発禁処分とした事件を思い起こさせる。
当時の政府・部省は強権的措置により学問の自由を抑圧した上で、1936年の日本諸学振興委員会設置、1939年の科学研究費創設、1945年には学術研究会議への研究動員委員会設置などを通じて、「国策」に役立つ「国家有用」の研究だけを選択的に「振興」する体制を整備した。
学術研究会議の後身である日本学術会議が政府からの独立を原則としているのは、戦前・戦中の学界が「国策」に全面協力したことへの痛切な反省に基づいている。
学術会議は創設翌年の1950年には「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という声明を発し、2017年には「学術研究がとりわけ政治権力によって制約されたり動員されたりすることがあるという歴史的な経験をふまえて、研究の自主性・自律性、
そして特に研究成果の公開性が担保されなければならない」として「軍事的安全保障研究」に反対する旨の声明を発表した。時々の政権による学術研究への介入は、たとえ直接の標的対象が限定されていたとしても、日本国憲法に定める「学問の自由」を決定的に損ない、学界全体を萎縮させる効果を持つ。さらに、学校教育や社会全般における自由な化と表現の抑圧につらなる行為としても看過できない。
教育史学会理事会は教育史学の発展をもって貢献するべき日本学術会議協力学術研究団体の一学会として、政権による日本学術会議の政治介入に反対する旨、ここに決議する。》
http://kyouikushigakkai.jp/wp/wp-content/uploads/2020/10/ee755d59ced6a161bf776c40f047be99-1.pdf
社会事業史学会は10月3日付で社会事業史学会会長・大友昌子名義の「内閣総理大臣による第25期日本学術会議会員候補の任命拒否に対する抗議声明」を発表した。
《今般、内閣総理大臣が、第25期日本学術会議会員候補の任命を拒否した問題について、断固、抗議の意志を表明します。
内閣総理大臣による日本学術会議会員候補の任命拒否は、日本学術会議を独立機関として規定する「日本学術会議法」の趣旨に反する行為であり、日本国憲法第23条に保障される「学問の自由」を侵害し、敷衍して「言論の自由」および「民主主義」を破壊する行為です。
日本学術会議の協力団体として、社会事業史学会はその創設以来の理念である平和と民主主義の理念に基づき、学問の自主性と自律性を侵害する今回の会員候補任命拒否について遺憾とし、下記2項の実行を内閣総理大臣に求めます。
1.第25期日本学術会議会員候補の任命を拒否した理由を明らかにすること。
2.第25期日本学術会議会員候補をすみやかに会員に任命すること。》
http://shakaijigyoushi-gakkai.com/iAJxkD
社会政策学会幹事会は10月5日付で代表幹事・石井まこと名義の日本学術会議会員候補の任命拒否に対する声明」を発表した。
《社会政策学会は、内閣総理大臣による第 25 期日本学術会議会員候補の任命拒否に対して抗議の意を表明します日本学術会議法には、会員は日本学術会議の推薦に基づいて内閣
総理大臣が任命することと定められています。今回の 6 名の会員候補の任命拒否は、同法の立法趣旨およびこれまでの政府答弁に見られる法解釈を逸脱するものです。また、日本学術会議法には、会員を専ら学問的観点から選出することが定められています。非学問的観
点から任命拒否を行なうことは、社会政策学会が希求してきた学問の自由を脅かすものです。社会政策学会は、日本学術会議の協力団体として、6 名の会員候補を速やかに任命するよう内閣総理大臣に求めます。》
https://jasps.org/wp/wp-content/uploads/2020/10/%E5%B9%B9%E4%BA%8B%E4%BC%9A%E5%AD%A6%E8%A1%93%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E5%95%8F%E9%A1%8C%E5%AD%A6%E4%BC%9A%E5%A3%B0%E6%98%8E%E6%96%8720201005-1.pdf
日本社会福祉学会は10月5日付で日本社会福祉学会会長・木原活信名義の「『日本学術会議の新会員推薦6名の内閣総理大臣による否認』に関する会長声明」を発表している。
《既に報道にありますように、日本学術会議の新会員推薦者のうち6名の方々が内閣総理大臣によって任命が否認されました。
 日本学術会議は、2004年に改正された日本学術会議法によって学術会議内部の選考委員会で会員を決定し、内閣府に推薦して内閣総理大臣が任命することになっています。10月1日が任命式でしたが、突然の任命拒否ということは報道された通りです。
そもそも日本学術会議は政府に学術の立場から政策提言を行う独立した組織として活動してきました。そして、「科学者全体の総意」にもとづく組織としての性格を担っています。
今回の内閣総理大臣による推薦者の「否認」は、科学者の総意にもとづく組織の会員を政治が否認するという前代未聞のことであり、学問の自由を否定することになります。
日本社会福祉学会としては、このような事態を憂慮します。そして梶田隆章日本学術会議会長が表明されている「任命されていない方を任命していただくことを要望する」ことに賛同し、それを支持したいと思います。また梶田会長が要望されておられるとおり、法律に基づいて拒否されるのならその説明責任は政府の側にあり、その説明を強く求めます。》
https://www.jssw.jp/activity/statement/
10月5日付で「菅義偉首相の日本学術会議委員任命拒否に反対す明治学院大学キリスト教研究所・ 国際平和研究所有志の声明」を発表した。
《2020 年10 月1 日、菅義偉首相が日本学術会議から推薦された新委員候補者105 名のうち6 名への任命を拒否した、との報道がなされました。任命拒否の具体的理由は、本日3 日午後の時点でもあきらかにされておらず、現状では6 名の学者の研究領域ないし研究成果が、学術会議委員として不適格なものである、との見解を内閣総理大臣が示したことになります。
しかしながら、日本国憲法第23 条に「学問の自由は、これを保障する」とあるように、学術研究はあらゆる拘束から自由であることが憲法上保障されており、科学的・研究倫理的な検証以外の手法に則った研究成果の妥当性判断は、この「学問の自由」を侵害する行為にほかなりません。
明治学院大学キリスト教研究所・国際平和研究所有志は、「学問の自由」を守るため、今回の菅義偉首相の行為に抗議し、6 名の学者の委員への就任を認めるよう強く求めます。》
http://www.meijigakuin.ac.jp/~kiriken/%e8%8f%85%e7%be%a9%e5%81%89%e9%a6%96%e7%9b%b8%e3%81%ae%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%ad%a6%e8%a1%93%e4%bc%9a%e8%ad%b0%e5%a7%94%e5%93%a1%e4%bb%bb%e5%91%bd%e6%8b%92%e5%90%a6%e3%81%ab%e5%8f%8d%e5%af%be%e3%81%99/
日本映像学会は10月5日付で日本映像学会会長斉藤綾子名義の「日本学術会議会員推薦者の任命拒否に関する抗議声明」を発表した
日本学術会議の山極壽一前会長は、10月1日開催の同会議総会において、同会議が推薦した新会員のうち6名が菅義偉首相により任命を拒否されたことを明らかにしました。同会議の協力学術研究団体である本学会も、改選にあたっては同会議の推薦に基づき首相が任命することが従来的な憲法解釈による慣例であり、学問の自由の立場から当然だと考えます。
しかし、菅首相による今般の任命の拒否は学問の自由を侵害するおそれのある明らかな政治的介入です。
日本映像学会理事会は任命を拒否した菅義偉首相に強く抗議を表明し、日本学術会議が要望する任命拒否の理由の開示と任命拒否された6名の新会員の速やかなる任命を強く求めます。》
https://jasias.jp/archives/7609
日本パグウォッシュ会議は10 月4 日付で「日本学術会議会員任命拒否に関する声明」を日本パグウォッシュ会議代表・鈴木 達治郎、副代表・栗田 禎子、副代表・高原孝生名義の「日本学術会議会員任命拒否に関する声明」を発表した。
《2020 年10 月1 日、日本学術会議により新会員として推薦されていた105 名のうち6名
が、首相によって任命されなかったことが判明した。
 日本学術会議はわが国の科学者を内外に対して代表する機関であり、科学の発展を図り、我が国の行政や産業、社会に科学を反映浸透させるため、政府に対して政策提言や勧告を行なう役割を担っている。首相の所轄ではあるが「独立して」職務を行なうものとされ(日本学術会議法第3 条)、独立性を担保するため、会員はあくまで日本学術会議の「推薦に基づいて」内閣総理大臣が任命する(同7 条)ことが定められている。
 日本学術会議によって推薦された会員の任命を首相が拒否するという今回の事態はきわめて異例であり、日本学術会議法と明白に矛盾するものであると言える。さらに現法が改定された際の「人事に介入しない」旨の国会答弁とも矛盾する。日本学術会議の「独立性」という原則が侵されれば、科学者が時の政権におもねることなく、あくまで科学の観点から社会のあり方について客観的・冷静な助言を行なうという学術会議の責務を果たすこと自体が難しくなるだろう。
 日本学術会議は、1949 年、戦前の反省の上に、科学を基礎とする化国家の建設と平和的復興をめざして設立された。同じく平和を希求し、科学者の社会的責任の自覚の上に核兵器廃止を求めて活動するパグウォッシュ会議は、日本学術会議の使命に深く共感すると共に、学問の自由を脅かし、学術会議の存立にかかわるとも言える今回の事態を憂慮する。
 10 月2 日、日本学術会議菅首相に対し、「任命拒否の説明と撤回」を求める要望書
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/siryo301-youbou.pdf)を提出した。
日本パグウォッシュ会議はこれを支持し、政府が今回の決定を一日も早く撤回することを
要求する。》
https://www.pugwashjapan.jp/seimei-20201004
関西社会学会は10月5日付で関西社会学会理事会名義の「『日本学術会議会員任命拒否に対する声明』発出のお知らせ」を発表した
菅義偉首相は、第25期日本学術会議会員の任命にあたって、日本学術会議が推薦した105名の候補者のうち6名の任命を拒否し、現在に至るまでその明確な理由を説明していません。これは首相による任命権の恣意的な運用に道を開き、日本学術会議の独立性を損ない、自由な学問研究による社会への貢献を阻害するものです。
関西社会学会は、人間と社会を研究する社会学者の学会として、同調圧力を強め社会を委縮させる、この決定に強く抗議します。そして、速やかに今回の決定理由を開示するとともに、この決定を撤回して6名の候補者を会員に任命することを求めます。》
https://t.co/XD24skgpPZ?amp=1
日本地域福祉学会は10月1日付で会長・原田正樹による会長声明を発表した。
《第25期日本学術会議の会員任命にあたって、日本学術会議が推薦した会員の中から政府が理由等を明らかにせず、任命拒否をするという事態が起こりました。憲法23条の「学問の自由を保障する」という見地からも、明らかに不当なものであり、日本学術会議の協力学術研究団体として日本地域福祉学会は、強く遺憾の意を表明するものです。学問の自由と研究倫理、それは政府、権力に介入されず自律的に営まれるものでなければなりません。政府に対して強く抗議し、日本学術会議には毅然とした対応を求めます。》
http://jracd.jp/file/20201001_kaityoseimei.pdf
生物科学学会連合は10月5日付で 緊急声明を発表した。
《生物科学学会連合は、第25期日本学術会議会員候補者6名が、政府により任命を拒否されたことに対する日本学術会議の要望書を支持します。早期の解決を望みます。》
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=3244622248989622&id=100003256364726
基礎経済科学研究所は10月3日付で「菅総理大臣の日本学術会議会員任命に関わる蛮行に抗議する」を発表した。
菅総理大臣は 10月1日「日本学術会議」の新会員を任命したが、同会議が推薦した候補者 105人のうち 6人を除外した。
日本学術会議法は、戦後、1948 年に「わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と連携して学術の進歩に寄与することを使命とし」(前て制定され、この前は多くの改正を経た現行法においても不変である。戦時中、学問の自由が剥奪され、軍事利用されていったことへの反省を込め、「わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させること(第1章第2条)」を目的に掲げている。科学とは疑いを持ち、検証することなしには成立し得ないものであり、学問の自由が必要である。だからこそ同法第 3 条の「独立して」という規程は決定的に重要である。
また、同法第 7 条第 2 項は「会員は、第 17 条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。」となっているが、第 17 条によれば、推薦主体は同会議である。1984 年の法律改正によって研究分野ごとの推薦に基づいて総理大臣が任命する形式に変更された際も、当時の中曽根総理大臣や総務長官は政府が行うのは形式的な任命に過ぎず学問の自由独立はあくまで保障されると答弁し、2004 年に今日の日本学術会議法になって以降も学術会議からの推薦者の任命が拒否されたことはなかった。
 今回、菅総理大臣が除外した6名の候補者は、いずれも政府批判を行っていた研究者である。この6名にターゲットを絞り、任命を拒否したことは、政府が科学を封じ込め、ねじ曲げ、政策に疑問の余地を挟ませないという姿勢を示したものである。この行為は、学問を、科学を、そして科学者を政治的意図に従わせようとするものにほかならない。
 日本学術会議の役割の一つに政府への勧告・提言があるが、科学的見地に基づく政策提言を行うためには、上記の通り政府からの独立が必要不可欠である。日本の平和的復興、人類社会の福祉に貢献するためという目的に反する政策が行われているとしたら、日本学術会議が科学的見地に基づいて独立して、政府を批判することは必要不可欠なものであり、その意見を封じ込め支配しようとする行為は人類社会の福祉の実現に対するあからさまな攻撃でもある
 しかも、不許可の理由も決定過程も開示しないという姿勢は、この間、日本政府が一貫して行なってきた情報隠蔽と改竄、マスコミ支配の流れの中に位置付けられるものである。
 このような行為を看過すれば、日本は恥ずべき専制国家であることを内外に示し、何よりも科学の死につながるものである。わが研究所は、2020 年度総会の名をもって、菅総理大臣の今回の蛮行に強く抗議するとともに、以下のことを要求する。
 1  6人を除外した理由を開示すること
 2  6人の「除外」を撤回し、同会議会員に任命すること
 なお、この事態は基本的事実が判明したばかりであり、今後の帰趨によっては戦前の滝川事件や天皇機関説事件等に匹敵する重大な問題になる可能性をはらんでいる。わが研究所は、この件に関する事態の推移を注視するとともに、事態に即し必要な対応をすることを表明する。》
http://kisoken.org/wordpress00/?p=2483
東京大学社会科学研究所長の佐藤岩夫は10月5日付で「本研究所教員の日本学術会議会員任命をめぐる問題について(所長メッセージ)」を発表した。
《報道されている通り、本研究所の宇野重規教授は、かねて日本学術会議より同会議の第25期・第26期会員候補者として推薦されていたところ、任命権者である内閣総理大臣により任命されない異例の事態となりました。
宇野教授は、日本学術会議法第17条に定める「優れた研究又は業績がある科学者」であることは疑いなく、また、そのような者とし日本学術会議の正式の選考手続を経て会員候補者に推薦されました。同教授が日本学術会議会員候補者として正式に推薦されたにもかかわらず、任命されず、その理由も明らかでないことは誠に遺憾といわざるをえません。日本学術会議が10月2日に発出した要望書の通り、宇野教授が日本学術会議の推薦に基づき速やかに同会議会員に任命されることを期待します。》
https://issnews.iss.u-tokyo.ac.jp/2020/10/post-916.html
 歴史学研究会委員会は10月3日付で「政府の日本学術会議会員任命拒否に断固抗議する緊急声明」を発表した。
《10月1日、日本学術会議第25期の発足にあたり、同会議が推薦した新会員候補105名のうち6名の任命を、政府が拒否したことが明らかとなった。現行制度下で、初の事態である。
今回の政府の対応は、同会議の職務の独立を定める日本学術会議の趣旨に反するのみならず、学問の自由を著しく侵害し、科学者の自律した研究活動を委縮させ、ひいては言論の自由や思想・信条の自由といった民主主義社会の根幹をも否定しかねないものである。学問の自由と独立が否定され、国民統制と戦争協力に動員された過去の歴史を想起する時、今回の措置が将来に大きな禍根を残すことが強く懸念される。
以上から、政府による任命拒否に断固抗議する。また、時の政権の恣意によって任命拒否が行われるのではないかとの社会の疑念を払拭するためにも、政府に対して、任命が見送られている新会員候補のすみやかな任命と、任命を見送った経緯についての明確な説明を要求する。
そして、この問題の解決に向け、立場や専門の違いを越えた、広汎な連帯を呼びかけるものである。》
http://rekiken.jp/appeals/20201003.html
東京大学大学院人社会系研究科長・大西克也は10月6日付で「本研究科教員の日本学術会議会員任命をめぐる問題について」を発表した。
《本研究科・日本化研究専攻の加藤(野島)陽子教授は、日本学術会議より第25期会員候補者として推薦されていましたが、内閣総理大臣により任命されない事態となりました。
加藤教授は、日本近現代政治史の専門家として優れた研究実績を持ち、日本学術会議法第十七条に定められた選考基準に基づき適切に推薦されたと認識しています。加藤教授は、内閣府などの公書管理に関する委員会委員を長く務め、その知見をもとに学術会議でも当該問題にも取り組むことが期待されていましたが、十分に理由を説明することなく任命されなかったのは大変残念です。10月2日付で日本学術会議から発出された「第25期新規会員任命に関する要望書」に記載された要望2点が、早期に実現することを望みます。
コロナ禍で様々な分断が加速する中、本研究科は多様な主張に耳を傾け、他者への理解と尊重を通じて寛容なポストコロナの社会を実現することに、学術的見地から貢献することを目指しています。このような立場から、日本学術会議が十分に活動を行うことができるよう、今後とも協力していく所存です。》
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/news/2020/12351.html
立憲デモクラシーの会は10月6日付で「菅義偉首相による日本学術会議会員の任命に関する声明」を発表した。加藤陽子宇野重規は立憲デモクラシーの会の呼びかけ人である。
《10月1日、菅義偉首相は、日本学術会議の新会員の候補者105名のうち、6名を除外して任命した。除外の理由は示されていない。2004年の法改正で日本学術会議が候補者を推薦する方式がとられて以来、同会議の推薦した候補者を首相が任命しないのは初めてのことである。
日本学術会議法は、同会議は210名の会員で組織され、会員は、同会議が「優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し・・・内閣総理大臣に推薦する」ものとする(同法17条)。会員の任命権者は内閣総理大臣であるが、任命は日本学術会議の「推薦に基づいて」行われることとされている(同法7条2項)。
一般に、「何々に基づいて」という言は、行政機関の権限行使を強く拘束するものと理解されている。しかも、日本学術会議法は、同会議が「独立して」その職務を行うものとしており(同法3条)、同会議の政府からの独立性を尊重すべき旨を明確にしている。会議による会員候補者の推薦は、内閣総理大臣の任命権の行使をとりわけ強く拘束するものと理解することができる。
今回の首相の行動は、現政権が学問の自由を掘りくずそうとしているのではないかとの強い懸念を与える。学問の自由は、一般国民の学問研究の自由を保障するだけでなく、大学の教員を中心とする高等研究教育機関の構成員の権利をとくに保障している。
学問の自由は、研究の内容および手続につき、研究者間での相互批判と検証を可能とするべく研究の内容および手続について厳しく規律が課される点で、表現の自由や思想・良心の自由などの他の精神自由権とは大きく異なる。研究の内容および手続に関する厳密な規律があってはじめて,社会全体の中長期的な利益に大きく貢献する研究業績を生み出すことができる。学問の自由の意味は、こうした規律があくまで、大学をはじめとする学術機関や各分野の研究者集団の自律に委ねられるべき点に存する。
学問研究の成果が、しばしば社会の既成の価値観やその時々の政府の政策への批判やその変革をもたらすこと、そのために社会や政治部門の側からの敵対的反応を招きがちであることから、外部の政治的・経済的・社会的圧力に抗して各学問分野の自律性を保護すべき必要性もそれだけ大きい。
日本国憲法が学問の自由を保障する条項を特別に設けているのもそのためであるし、また、日本学術会議法が、会員の人事について同会議の独立性・自律性を強く認めているのも、科学者集団の自律性が保障されてはじめて、同会議の目的である、わが国の「科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させる」ことが可能となるからである。
今回の6名の候補者の除外について、加藤勝信官房長官は、政府が日本学術会議に対して、「会員の人事などを通じて、一定の監督権を行使することは法律上可能になっている。直ちに学問の自由の侵害にはつながらないと考えている」と述べ、さらに「専門領域での業績にとらわれない広い視野に立って・・・しっかりと精査していくのは当然のこと」と述べたと伝えられているが、これまで説明してきたように、こうした権限行使がそもそも「法律上可能になっている」とは言いがたいし、各専門領域での研究者による評価を政府が「広い視野」という名目に基づいて覆すことは、学問の自由の侵害そのものである。
首相は今回の権限行使を直ちに撤回し、6名の候補者を会員に任命すべきである。過ちを改めるについて憚りがあるべきではない。》
https://constitutionaldemocracyjapan.tumblr.com/
日本私大教連は10月3日付で日本私大教連中央執行委員会名義の菅首相による日本学術会議会員推薦者の任命拒否に関する緊急声明」を発表した。
《 10月1日、日本学術会議の総会において、山際寿一前会長は、学術会議が推薦した新会員のうち6名が菅義偉首相により任命を拒否されたことを明らかにした。
日本学術会議は、わが国の科学者を内外に代表する、政府から独立した機関であり、同会議の会員は、任期6年で、その半数が3年ごとに改選されるが、改選にあたっては同会議の推薦に基づき首相が任命することとなっている。会員に推薦された者をそのまま任命することは、現在の任命方式に変更される際の国会審議における政府答弁でも明言されていた。これまで半数改選に際して、被推薦者が任命されなかった例は過去になく、このことにより同会議の独立性が一定担保されてきたのである。
政府は、昨年、首相の任命拒否が可能であるとの解釈変更を行っていた。これは、今回の任命時期にあわせて行ったもので、意図的であったことは明らかである。これは解釈権の枠を超えた、立法権簒奪ですらある。
今回の新会員の任命にあたって、任命されなかった被推薦者には、国会の参考人として共謀罪法案や安保法制に対して批判を行った者が含まれている。政府の政策を批判したことを理由に、任命されなかったとすれば、明らかに政治的な判断によるものと言わざるを得ない。
政治的な判断によって会員が任命されるようになれば、学術会議は政府の御用機関となり、日本の学術が政治に従属させられることになりかねない。戦前、日本の学術が戦争に動員された反省を踏まえ、政府からの独立を保障しつつ、設けられたのが現在の日本学術会議である。
学術は、人類共通の財産として営まれるものであり、決して権力者のものではない。
今回の菅義偉首相による任命拒否は、日本学術会議の歴史に残る汚点となるばかりか、学問の自由を定めている日本国憲法の明確な蹂躙である。
日本私大教連中央執行委員会は、このような暴挙を行った菅義偉相に抗議するとともに、日本学術会議法の定めどおりに推薦された6名の会員の任命拒否を直ちに撤回することを強く要求する。あわせて日本学術会議には、引き続き6名の任命を行うよう政府に働きかけることを求める。》
https://jfpu.org/wp-content/uploads/2020/10/20201003NS_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%AD%A6%E8%A1%93%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E4%BC%9A%E5%93%A1%E4%BB%BB%E5%91%BD%E3%81%AB%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%82%8B%E7%B7%8A%E6%80%A5%E5%A3%B0%E6%98%8E.pdf
京都大学大学院学研究科長・宇佐美理は10月6日付で「日本学術会議会員任命拒否について」を発表している。
《報道されている通り、日本学術会議の第25期会員候補者として推薦された105名
のうち、6名が任命されませんでした。そしてその中に、本研究科キリスト教学専
修の芦名定道教授が含まれております。
明確な理由なく任命が拒否されるのは、日本学術会議の存立意義を否定するもの
であり、学問全体の自立という見地からも、まことに由々しき事態であると考えま
す。 つきましては、日本学術会議が10月2日に発出した要望書の要求二点がかなえ
られることを希望します。》
https://www.bun.kyoto-u.ac.jp/news/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%ad%a6%e8%a1%93%e4%bc%9a%e8%ad%b0%e4%bc%9a%e5%93%a1%e4%bb%bb%e5%91%bd%e6%8b%92%e5%90%a6%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/

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4)【本日の一行情報】

栗原裕一郎のツイート。
日本学術会議の件、報道が出始めた最初は、ガースーもよくわからないところに手を入れてきたなあと思ってたんだが、その後の蜂の巣を突いたような騒ぎの広がりを見るに蟻の一穴のごときピンポイントぶりだったわけで、どこまで計算尽くなのかが気になる。》
https://twitter.com/y_kurihara/status/1313489779447795713

◎学術会議の会員は平均すると年間21万円で、畠山理仁のツイートによれば国会議員には1人あたり年間1億円以上のコストがかかっている!
《国会議員には1人あたり年間1億円以上のコストがかかっている。安易に「答えを差し控える」のは、堂々と仕事をさぼっていることに他ならない。ひどい居直りだ。首相も官房長官も特別職の公務員で「全体の奉仕者」。誰のために働いているのか。まずはきちんと説明を。説明できないことをしてはいけない。》
https://twitter.com/hatakezo/status/1313502800400138240

平野啓一郎のツイート。
《違法でもやったもん勝ち、言ったもん勝ちを認め続けると、国がどんどんボロボロになっていく。まず理由を首相に説明させるべき。メディアは食い下がらないと質問したことにならない。》
https://twitter.com/hiranok/status/1313381961025511426

讀賣新聞が遂に社説で取り上げた。10月6日付で「学術会議人事 混乱回避へ丁寧な説明が要る」を掲載している。
《今回の決定について、政府が十分に説明していないのは問題だ。過去の答弁との整合性をどう取るのか。菅首相は、判断の根拠や理由を丁寧に語らねばならない。》
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20201005-OYT1T50201/

◎「少年ジャンプ+」は「プロ漫画家のためのNEXTステップ作品募集」を10月5日~11月30日まで実施している。昨年実施した第1回では、連載が3人、読切が6人決まっている。作品は非公開、ペンネームも公表しない。加えて、過去に掲載された原稿、連載会議で落ちたネーム、打ち合わせでうまくいかなかった作品、読切として掲載されたが連載まで行かなかった原稿など、何でも大丈夫だそうだ。
https://shonenjumpplus.com/article/nextstep
ちなみに「少年ジャンプ+」は原稿料を公開している。読切の場合は、モノクロ1ページで9000円以上。連載の場合は、モノクロ1ページで12000円以上。過去の実績を踏まえた額を相談の上、それ以上の額を支払うという。これに加えて広告売上も作家に還元される。毎月、数十万円以上の広告収入を得ている作家が複数いるとのことだ。
「ORICON NEWS」による「アニメ&ゲーム」は10月5日付で「『少年ジャンプ+』プロ漫画家向けの作品募集企画開始 連載会議で落ちたネームなども可能」を公開し、次のように書いている。
《また、作品応募者には、『少年ジャンプ+』の編集者が必ず返信。現在『少年ジャンプ+』で『道産子ギャルはなまらめんこい』を連載している作者・伊科田海氏は「自分が他誌(紙の週刊少年雑誌)から『少年ジャンプ+』に移り、強く感じるのは『自由度の高さ』と『反響の多さ』です」経験談を説明する。
「紙の漫画雑誌と比べてWEBの漫画媒体の強みは連載頻度やページ数、作品のジャンルや表現方法等の自由度が高い事だと思います。そしてその中でも『ジャンプ+』は読者も格段に多いので、たくさんの反応をいただけます。反響の具体例として自分のTwitterフォロワーはこの連載で現在までに3万6000人以上増えました。いろんな作家さんのライフスタイルに対応できてなおかつ、あらゆる可能性を秘めた漫画媒体だと思います」と伝えた。》
https://www.oricon.co.jp/news/2173567/full/

◎岸田奈美の「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(小学館)は「note」から生まれた。「好日好書」は10月3日付で「岸田奈美さんインタビュー 人生を変えた、ブログにつづった家族愛」を発表している。
《バズり始めた去年の秋ごろから、いろんな出版社さんからご連絡をいただいたんですが、障害のある家族の感動エッセイを書き下ろすような企画で、言葉にできない違和感がありました。車椅子の母と知的障害の弟と、障害のある家族がいて頑張っている女の子という見方をされることが多くて。
そんな中、小学館の担当編集者から熱量の高いメールをいただいて、「いまいちばん私が書きたいことは「note」に書いていることだから、それをベースに書けないか」と相談したら、「それでいきましょう」と言ってくれたんです。
ただ、横書きの「note」では、リズムを大事に、省く言葉や行間なども考えて記事にしていたんですけど、縦書きにしたら全然伝わらなくて、けっこう書き直しました。》
https://book.asahi.com/article/13781729
「好日好書」は同日付で「noteから生まれた作家・岸田奈美さん 『褒められたいなら自分から褒める』人生観をつくった5冊」も発表している。
https://book.asahi.com/article/13781713

◎「人生がときめく片づけの魔法」が世界1,200万部を超えるベストセラーとなった近藤麻理恵河出書房新社から「Joy at Work 片づけでときめく働き方を手に入れる」を刊行するのを記念して、近藤麻理恵Netflix冠番組「KonMari~人生がときめく片づけの魔法~」のプロデューサーであり、夫でもある川原卓巳によるオンライン配信トークイベントが開催される。二人はアメリカ在住。トークイベントは国境を超える。
https://store.kinokuniya.co.jp/event/1599449906/

◎「CNET Japan」は10月6日付で「アマゾンの『Luna』がグーグル『Stadia』より成功しそうな理由」を公開している。「Stadia」を次のように批判している。
《われわれが期待したのは、膨大な数のテレビゲームを低価格の月額料金で遊べる、ゲーム界のNetflixのようなサービスだ。だが、いざ始まってみると、かなり期待外れだった。無料のゲームが断続的に登場するが、大半はぱっとしないタイトルだった。「DOOM Eternal」や「レッド・デッド・リデンプションII」といった最近のテレビゲームは事実上は正規価格で、購入を促すようになっている。言ってしまえば、Stadiaは、「Xbox」や「PlayStation」をややこしく複雑にして、ダウンロードの代わりにストリーミングでゲームを提供するサービスのように感じられる。》
一方、「Luna」については、こう評価している。
《そうした失敗をにらみながら、Amazonは先頃、競合サービス「Luna」などを発表し、今後、正式なリリースを予定している。表面的にはStadiaに似ていて、無謀なアイデアに見える。たが、ごく初期のこの段階でも、LunaはStadiaの過ちから学んだように思えるし、その点だけからでも、成功の可能性はLunaの方がはるかに高そうだ。
Lunaが成功する可能性があるように思える第一の理由は、そのビジネスモデルだ。初期タイトルは100本用意され、アーリーアクセス期間の月額料金は5.99ドル(約630円)。一方のStadiaは、現在「Stadia Pro」プランで28タイトルの無料ゲームを提供しており、毎月新たな無料ゲームを追加していく。
Lunaのサービスは、Stadiaを大きくしのいでいるように思えるし、重要なことに、新作に対して追加の課金を求めず、料金体系をシンプルに保っている。》
https://japan.cnet.com/article/35160131/

◎大矢博子が「小説推理」11月号の「BOOK REVIEW 双葉社 注目の新刊」で、深沢潮の「乳房のくにで」を次のように評価している。タイトルは「『母』とは何か。現代社会に通底する母性信仰の根を暴く」。
《うっわあ、怖い怖い。これはちょっとしたホラーだぞ、とゾクゾクしながら読んだ。だが読み終わったときには、心は力強い温もりに満たされていた。深沢潮『乳房のくにで』はそんな物語だ。》
https://hon-hikidashi.jp/enjoy/115085/
「WEZZY」は10月6日付で「乳離れしない国で、母乳信仰に振り回される女性たち/『乳房のくにで』深沢潮インタビュー」を公開している。深沢は次のように語っている。
《この物語の家族感や価値観に関しては、日本会議などの本を読み込んで書いています。日本全般がこうだ……というよりは、ヒエラルキー上層部の権力者たちが、こうであるという世界観です。人を役割でしか見ない。男性たちは子どもを育てることに参加する意思があまりない。そういった価値観を見ていると、つくづくこの国は、乳離れしない国だなと。どんな場面でも、女性が人をケアする役割を求められる社会です。》
《みずからその人を助けるっていうのは全然構わないのですが、社会の圧でみずからそうしてるような形にさせられて、実は搾取されている。それが喜びだよと、刷り込んでくる感じがすごくあります。今は「自助・公助・共助」なんて言われてますが、自助が増えれば、そのケアをさらに求められるんじゃないでしょうか。》
《私たちは枠組みに入れられていて、欲しくもないマスクが送られてくるんだよという状況。みんなが社会の枠組みの中の被害者なので、手を取り合ってこの状況を変えていきたい。そういった考えを持って書きました。母乳が出るとか出ないとか、自分ではどうしようもないところで分断させられる。それは女性が望んでやっていることではありません。》
https://wezz-y.com/archives/81803
東洋経済新報社出身の井戸まさえが「乳房のくにで」について連ツイしている。
《友人の深沢潮さんの新刊小説『乳房のくにで』(双葉社)読了。
20代後半~30代前半、妊娠、出産、母乳育児・・日々それしか考えていなかった一時期がある。
今思えば確実に何かに取り憑かれていたのだと思う。
いや、取り憑かれていたのではなく、私は「乳房のくに」に生きていたのだ。》
《そして知るのは、自分の身体から出る乳さえ、自分の意思ではコトロールできないという現実だ。カタカタになり、子どもが目覚めるのを待つこともできずダダ漏れして止まらなくなったり、どんなに求められようとも涙程度の雫しか出すことができなかかったり。》
《『乳房のくにで』は、かつて自分をいじめていた同級生奈江の子の「乳母」として雇われた主人公福美を中心に展開する。福美の雇い主は奈江の義母。政治家一家の後継者たる孫のために奈江の、福美の「乳房」をコントロールする。
背景には社会的常識とは乖離した政治家一家の恐るべき日常の後進性がある》
《ラストシーン。
喝采とともにため息も出る。
「乳房」に寄りかかり生きる人々が退場するのに、あとどれほどの時間がかかるのだろうか。
闘いは終わらない。だが、闘い続けることでしか生まれないであろう、変化の兆しが救いである。
深沢さん、ありがとう!!》
https://twitter.com/idomasae/status/1313422618721021952

https://twitter.com/idomasae/status/1313423783332474880
ときわ書房志津ステーションビル店では「好評&好調」だそうだ。
https://twitter.com/tokiwashizu/status/1311898827134251008

◎「デイリー新潮」は10月5日付で「朝日新聞、社員の勤務表書き換え公表で“二度赤っ恥をかいた”と言われるワケ」を掲載している。
《朝日社員が明かす。
「この総局長は、山平慎一郎・前広島総局長です。大阪社会部出身で、和歌山カレー事件などを取材してきた記者。本社の経営企画室を経て、19年9月に広島総局長に就任。1年も経たないうちに今回の不祥事を起こした。広島総局長は大阪本社内の地方支局のなかでは出世コースの一つだったのですが……」
平氏は、朝日が新聞協会賞を受賞した森友・加計学園問題の取材記録をまとめた「権力の『背信』 『森友・加計学園問題』スクープの現場」(朝日新聞出版)で、まえがきを執筆していた取材班のひとりだった。
「彼は当時、大阪社会部のデスクとして取材班の陣頭指揮を取っていました。“財務省書改ざんを指摘していた側の記者が、自分の会社で勤務表を改ざんしていたなんて、まずいだろう”と、社内で話題になっています。もっとも、今年の広島総局は、『戦後75周年企画』に、河井克行・案里夫妻の買収事件が重なりてんやわんやだったので、山平氏に対して同情の声もあります」(同)》
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/10051200/?all=1
ワタミ云々は「」も10月6日付で紹介している。

◎10月6日(火)に発売の「女性自身」10月20日号は、Snow Manの9人が同誌で初めての表紙を飾り、 かつ10ページにおよぶグラビアに登場する。発売前から一部のネット書店で完売したとのこと。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000581.000021468.html
編集力を凌駕するジャニーズ力?カメラマンとして「Tokyo Dance」や「東京の恋人」の笠井爾示を起用したのは編集力であって欲しいところだ。

◎「春オンライン」は10月6日付で「全国で約1万人の被害者…『ジャパンライフ』に関与した“元朝日新聞政治部長に直撃取材60分」を発表している。政治家も、官僚も、新聞記者も、「ご飯論法」を駆使するということなのだろう。
《「私はジャパンライフの顧問になってくれとは一度も頼まれたことがないんですね。日本化協会の代表理事になってくれということを頼まれたわけで」
「週刊春」記者にそう話すのは、朝日新聞政治部長で、ジャパンライフ株式会社の顧問を2013年から17年まで務めた橘優氏だ。》
https://bunshun.jp/articles/-/40673
さて、出版は?そういう局面がないことを祈るばかりである。

◎「ダイヤモンド・オンライン」は10月7日付で木俣正剛の「小泉純一郎と安倍晋三、メディア戦略がまるっきり違った2大首相の素顔」を発表している。
自民党政治家のほとんどは、進歩派の朝日新聞嫌いだし、当時は視聴率が高かった報道ステーションなど、自民党批判をやっているテレビが嫌いなのも共通しています。
しかし、安倍さんの場合は極端でした。議員会館の事務所に行くと、『諸君!』の既刊がズラリと揃っています。確かに、『諸君!』拉致問題などの北朝鮮批判を強く行っていたことは事実で、その愛読者であることは、版元である