◎イタリアの校長先生による「休校」の生徒たちに送った「手紙」がマンゾーニの「いいなづけ」からの引用から始まることを知ったのは、「ボン先輩は今日もご機嫌」にエントリされた「イタリア新型コロナ:休校中の校長が生徒に送った手紙が秀逸!と話題」によってであった。
https://bonsenpai.com/coronavirus-in-italia0228?fbclid=IwAR19iW7fpCbOc9K1Zb8CzI3htltLrLWRGtICPhX8ttARySsOvGsG3EBJBOQ
この手紙の存在を私に教えてくれたのは電通OB森隆一のフェイスブックで次のような投稿を読んでのことであった。
https://www.facebook.com/ryuichi.mori.5/posts/2886622271392937
かくて私は3月2日付文徒で、こう書いている。
《開高健の「パニック」や小松左京の「復活の日」も読んでおきたいし、できればマンゾーニの「いいなづけ」にも辿り着きたいところだ。》
https://teru0702.hatenablog.com/entry/2020/04/02/172756
前置きが長くなったが、イタリア・ミラノの「アレッサンドロ・ヴォルタ」高校校長であるドメニコ・スキラーチェの手紙の全文を世界文化社が「『これから』の時代を生きる君たちへ」として刊行したのである。
https://www.sekaibunka.com/book/exec/cs/20504.html
業界紙の報道によれば「発売1週間で即重版、初版7000部と重版3000部を合わせ、発行部数は1万部に達した」そうだ。
◎西日本新聞は5月29日付で「ジュンク堂福岡店が6月末休止へ 九州最大140万冊、仮移転営業困難に」を掲載している。
《蔵書約140万冊、年間約250万人の来店で九州最大規模を誇る福岡市・天神のジュンク堂書店福岡店が、入居ビルの再開発に伴う6月末の一時閉店について、代替店舗に仮移転せずに営業休止する見通しであることが分かった。仮移転先の確保に難航しているため。2024年末にも開業する新ビルに再出店予定だが、大型書店チェーンの営業休止がもたらす空白に戸惑いの声は広がりそうだ。》
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/612140/
◎日本経済新聞は5月28日付で「ソニー、現代自と映画などの宣伝で提携」を掲載している。
《ソニーは27日、現代自動車と映画事業の宣伝で提携すると発表した。現代自動車の新モデルや技術をソニーの映画やゲームなどのコンテンツに登場させる一方、ソニーのマーケティングを支援してもらう。ソニーはコンテンツの知的財産を強化し、配信先を増やして稼ぐリカーリング(継続課金)モデルを掲げる。こうした戦略を現代自動車との提携で加速する。》
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59695400Y0A520C2X20000/
◎電通は5月27日付で「緊急事態宣言解除に伴う、電通および国内電通グループ各社の段階的な業務体制変更について」を発表した。
これによれば6月1日からの「フェーズ1」は、段階的緩和の導入期とし、1日当たりの各執務エリアへの出社人数を20%以下に抑えて運用する。会社運営上必須かつ各オフィスビル内でなければ遂行不可能な業務に限定して、本人の意思確認を行った上で上長の指示に基づき、必要最小限の人数でその業務にあたる。
「フェーズ2」では、1日当たりの執務エリアへの出社人数の割合を最大50%に緩和して運用する予定だ。「フェーズ2」への移行時期については、政府および各自治体の方針や感染状況等の社会情勢を踏まえ改めて決定する。
https://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2020035-0527.pdf
◎電通、電通クリエーティブX、電通ライブは、共同で、店舗やショールームをバーチャルに体験できる3D空間やウェブサイトを制作し、ネット上でも円滑な顧客サービス展開を支援する「クイックDXソリューション」を開発し、提供を開始した。業種別にフォーマット化することで、企画・プラン正式決定からサイトオープンまで最短約2週間での制作、提供が可能となる。
https://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2020036_0528.pdf
◎エディアの子会社である一二三書房のブレイブ文庫より発売中の小説「チート薬師のスローライフ~異世界に作ろうドラッグストア~」(ケンノジ)がテレビアニメ化されることになった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000279.000021592.html
◎小学館は蛯原友里が日本メディカルハーブ協会認定「ハーバルセラピスト」の資格を生かして手がけ、2015年に刊行した「きれいになるハーブ~おしゃれに暮らす幸せレシピ~」を電子書籍化した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000681.000013640.html
◎コミックス累計 670 万超の、新選組を舞台にした渡辺多恵子の「風光る」が、「月刊flowers」(小学館)7 月号において表紙&巻頭カラー大増100Pで完結した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000673.000013640.html
◎「PRESIDENT Online」は5月29日付で「アジア諸国にも立ち遅れる日本企業のデジタル・マーケティング活用」を公開している。
BCGマネージング・ディレクター&パートナーの森田章によれば、BCGとグーグルが共同で、日本、欧州、アジア・パシフィック、南米の各地域で200社以上を対象に、デジタル・マーケティングの活用状況を調査した。この調査では、「デジタル・マーケティング成熟度」を定量化し、次の4段階に分類したという。
《第1段階(Nascent)は、マーケティング・キャンペーン単位での取り組みが行われている。主に外部データを使用し、自社データはほとんど活用できていない。運用型広告もほとんど用いておらず、売り上げと結びつけた取り組みになっていない。
第2段階(Emerging)は、自社データや自動入札をある程度活用しているが、マーケティング活動はチャネルごとの最適化にとどまっている。
第3段階(Connected)は、オンライン・オフラインのデータの一部が統合され、売り上げや利益の最大化に向けたチャネル横断のマーケティング活動ができるようになっている。
第4段階(Multi-moment)は、あらゆる顧客接点を活用しながら、個々の顧客のLTVの向上を目指して、アジャイルなマーケティング活動ができている。
分析の結果、日本の調査対象企業(34社)のうち73%が第2段階、24%が第3段階となった。欧州(第2段階が50%、第3段階が44%)やアジア・パシフィック(それぞれ48%と42%)と比べて、かなり後れをとっていることがわかる。》
https://president.jp/articles/-/35719
こういた日本の情況が何を意味するかと言えば、《依然として従来型のマス・マーケティングや広告代理店への依存度が大きく、データ・ドリブン・マーケティングの組織能力を内製化しきれていない傾向》にほかならない。
◎6月1日付オリコン週間“本”ランキングで「あつまれ どうぶつの森 完全攻略本+超カタログ」(徳間書店)が初の1位を獲得した!
https://www.rbbtoday.com/article/2020/05/29/179356.html
◎日本雑誌広告協会は「緊急事態宣言解除後における雑誌広告業務について」を発表した。
《本年 8 月を目標に、安全に配慮し、段階的な制限解除を要請いたします。
下記の業務について引き続き検討を行っていきます。
① 安全な業務環境への取り組み
業務環境において具体的には下記施策を推奨いたします。
(ア)「感染症対策」「咳エチケット」の実施
(イ)「 3 つの『密』」を行わない業務環境作り・業務対策の実施
(ウ)「在宅」・「リモートワーク」の実施
(エ)「デジタルネットワーク」の活用
② 継続的な雑誌広告掲載フローの策定
(ア)トラフィック手法の見直し
(イ)見本誌・広告掲載誌の配本方法の見直し
(ウ)上記にかかわる納品先・個人情報の取り扱い
③ 掲載証跡・経理書類の運用・管理》
http://www.zakko.or.jp/pdf/200528.pdf
◎アナウンサーの富川悠太は6月4日からテレビ朝日の「報道ステーション」に復帰する。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020052900803&g=soc
◎日本経済新聞は5月28日付で「毎日放送、ラジオを分社化 21年10月にも」を掲載している。
《MBSメディアホールディングスは28日、傘下の毎日放送のラジオ事業について分社化に向けた準備会社を設立したと発表した。現在は毎日放送がラジオの放送免許とテレビの放送免許を持つ。新会社はラジオの放送免許を承継し、2021年10月からラジオ事業を始める予定。テレビ事業が残る毎日放送についても商号の変更を検討する。》
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59712380Y0A520C2LKA000/
◎Google は「ジャーナリズム緊急救援基金」を立ち上げ、世界 5,300 以上の中小規模のニュースルームや編集部に向け、各 5,000 ドルから 3 万ドルの資金を提供することを決めた。日本においては、宮崎日日新聞、山形新聞、広島 FM などの地方で活動している報道機関の他、地域の情報を配信しているウェブメディアなど計 28 社・団体への支援を決定した。
https://japan.googleblog.com/2020/05/blog-post_29.html
◎トーハンは2020年 上半期ベストセラーを発表した。
総合1位=「The WORLD SEIKYO ワールドセイキョウ 2020年春号」聖教新聞社
文庫総合1位=「AX アックス」伊坂幸太郎/KADOKAWA
単行本 文芸書1位=「流浪の月」凪良ゆう/東京創元社
単行本 ノンフィクション・教養書他1位=「The WORLD SEIKYO ワールドセイキョウ 2020年春号」聖教新聞社
単行本 ビジネス書1位=「FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド/日経BP
単行本 ゲーム攻略本1位=「ポケットモンスター ソード・シールド 公式ガイドブック 完全ストーリー攻略+ガラル図鑑」元宮秀介&ワンナップ /(株)ポケモン、(株)ゲームフリーク 監修/オーバーラップ
単行本 児童書1位=「こども六法」山崎聡一郎 著、伊藤ハムスター イラスト/弘文堂
単行本 実用書1位=「はじめてのやせ筋トレ」とがわ愛 著、坂井建雄 監修/KADOKAWA
新書 ノベルス1位=「鬼滅の刃 しあわせの花」「鬼滅の刃 片羽の蝶」吾峠呼世晴、矢島 綾/集英社
新書 ノンフィクション1位=「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治/新潮社
全集1位=「日本文学全集」河出書房新社
e-hon調べ1位=「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディみかこ/新潮社
https://www.tohan.jp/bestsellers/upload_pdf/20200529bestseller_2020kh.pdf
◎日販も2020年 上半期ベストセラーを発表した。
こちらの総合第1位・第2位は小説版の「鬼滅の刃 片羽の蝶」「鬼滅の刃 しあわせの花」だ。新書フィクションは集英社の独壇場である。ベスト10のうち9冊がジャンプブックスである。
https://www.nippan.co.jp/news/2020kamihannki/
◎学研プラスは、小学生向け学習漫画「学研まんがでよくわかるシリーズ」の電子版として「ウイルスのひみつ」を緊急制作し、休校措置対応の学習サービスプラットフォーム「Gakken家庭学習応援プロジェクト」で無料公開した。
https://www.oricon.co.jp/news/2163244/full/
◎私は5月21日付文徒の「文春砲が炸裂!黒川検事長も、朝日も、産経も同じ穴の貉だった!」で次のように書いてしまった。
【「デイリー新潮」が5月19日付で掲載した「『検察庁法改正案』を安倍首相が諦めたホントの理由」は、関係者のこんなコメントを掲載していた。
《「法務検察の内外に図らずも敵を作ってしまったかもしれません。“黒川さんは仲良しの記者と懇談をしていて、麻雀卓を囲んでいる”というような話が流れていました。普段なら、情報交換とか法務検察をどうしていくかという知見を得る手段として、むしろ評価されるとは思います。ただ、コロナ禍と法案でタイヘンなタイミングで間が悪いと言われても仕方ないかもしれません」
別の関係者はこう明かす。
「緊急事態宣言下の5月1日にも、新聞記者ら3人と卓を囲んでいたようです。これを嗅ぎつけたメディアが黒川氏に、“記者とカケ麻雀をしていた?”と取材をかけたということです。黒川氏はその事実をもちろん官邸には伝えています」》
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/05191700/?all=1
この関係者の話を「週刊文春」が証明してしまったのである。文春砲炸裂!だぁ。
「5月1日、産経記者の自宅で〝三密〟6時間半 黒川弘務検事長は接待賭けマージャン常習犯」
《東京高検検事長の黒川弘務氏(63)が、産経新聞社会部記者や朝日新聞の元検察担当記者らと賭けマージャンをしていたことが、「週刊文春」の取材で判明した。》
《産経関係者の証言によれば、黒川氏は昔から、複数のメディアの記者と賭けマージャンに興じており、最近も続けていたという。その際には各社がハイヤーを用意するのが通例だった。
マージャンは密閉空間で4人が密集し、密接な距離で卓を囲む「3密」の典型で、東京都も雀荘に休業を要請している。また、少額でも賭博罪に該当する。》
https://bunshun.jp/articles/-/37926
「週刊新潮」は、悔しくて仕方ないだろうな。】
しかし、「週刊文春」6月4日号の解釈によれば、「デイリー新潮」は「週刊文春」がスクープするのを知っていて、その前日に件の記事を公開したというのである。「週刊文春」は「新潮社関係者」に次のように語らせている。
「じつはこの記事、X氏が手掛けたものなんです。X氏は『黒川さんのダメージを少しでも軽減させたい』と息巻いていた」
このX氏は木嶋佳苗と獄中結婚したという四十代前半の「週刊新潮」デスクなのだそうだ。
https://bunshun.jp/articles/-/13293
「週刊文春」は、こう書いている。
「つまり、X氏にとって黒川氏は、妻の死刑執行に直に携わる、“利害関係者”なのだ。ゆえに、二人の関係性は重大な問題を孕む」
◎「文春オンライン」は5月30日付で「幻冬舎 箕輪厚介氏『何がセクハラだよボケ』『俺の罪って重くない』『反省してない』オンラインサロン会員へ大放言《動画入手》」を発表している。いくら酔っ払っているとはいえ、この男に出版人としての矜持など皆無なのではないだろうか。
【A子さんへの人格否定発言、そして自身のセクハラ観を披瀝した箕輪氏は、配信の中で、さらに持論を展開していく。今回のセクハラ問題は、出版関係者を中心に非難の声が上がり大炎上したが、箕輪氏はそれを《出版人の嫉妬だよね》と断じているのだ。
《表舞台っていう処刑台なんだよ。あとは出版人の嫉妬だよね。箕輪むかつくっていう。でもこれ箕輪むかつくっていうのは、今回箕輪のセクハラ騒動で、文春砲で箕輪が黙って、3日間ぐらい何もツイートしなくていきなり「東京改造計画」ドーンってやってこんだけニュースになってめちゃめちゃ売れて、また嫉妬してるだろうね。「ふざけんなこいつ」って》】
https://bunshun.jp/articles/-/38132
箕輪は、この会員向けの動画でこんな暴言も吐いている。
《あの、反省してないです。気を付けます。以上。反省はしないです。忌野清志郎のことばに、「自分の手で食っていく奴が簡単に反省しちゃいけない」っていうことばがあって。俺は反省してないです。ふざけんなバーカ》
武田砂鉄がこの発言に触発されて呟いている。
《セクハラを追及されても動じないオレを身内にプレゼンするために忌野清志郎のことばを使っちゃう人のことを「出版人」は「嫉妬」しません。》
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1266699355227971586
絵本コーディネーター東條知美のツイート。
《若い人へ。
これは、愛されるべき人間臭さでも豪胆でもなんでもなく、単なる悪い見本。
人として非常に恥ずかしいことです。》
https://twitter.com/TOMOMIT/status/1266703385937362944
深町秋生が「文春オンライン」の記事を読んで《おえー。》と吐き気を催したようである。
https://twitter.com/ash0966/status/1266668078638628864
オレもだ。いずれにしても箕輪厚介は民衆を舐めているのだ。その一事をして彼は出版人であろうはずもない。次の畠山理仁のツイートは箕輪厚介の人間性を現しているのかもしれない。
《私は箕輪厚介氏と面識はない。でも、「ずいぶんひどい人だな」と思ったことがある。それは選挙取材の現場で起きた。箕輪氏は公の場で、新人候補の「応援演説に行く」と約束をしていた。陣営は喜び、大々的に告知をして待っていた。でも、箕輪氏はついに現れなかった。選挙も人もなめすぎ。天才的無礼。》
https://twitter.com/hatakezo/status/1264980194718216193
編集者・須藤健が次のように自らを戒めている。
《箕輪の件,本人はどうでもいい.告発した方は報われてほしい.ただ,自分の仕事がそのつもりがなくても「力関係の上側」になる可能性をはらんでるってことは,いくら意識しすぎてもしすぎることはないと,あらためて思った.そういう心算・態度で仕事をしてきたことはないと信じたいが……》
https://twitter.com/ajian1108/status/1267060019968663552
小川たまかが「YAHOO!ニュース」に寄稿した「加害者周辺で被害者バッシングが起こるのはテンプレ 箕輪厚介氏の二次加害発言について」で次のように書いている。
《私は、ここまでやってはいけない二次加害のテンプレート行動をしてしまう箕輪氏に驚きます。最初の報道時、文春の取材に「僕話したいんですけれど、会社が弁護士立ててやってて、そういう取材がきても答えるなってだいぶ前から言われてて」と答えていた箕輪氏が、オンラインサロン内ではここまで脇の甘い言動をすることにも。幻冬舎にはハラスメントの研修がないのでしょうか。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/20200531-00181216/
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6)【深夜の誌人語録】
五十歩百歩なのではない。百歩は五十歩に勝るのだ。