【文徒】2020年(令和2)6月8日(第8巻103号・通巻1760号)つづき

◎「春オンライン」は時事通信にも進出している。
https://www.jiji.com/jc/bunshun?id=38189

KADOKAWAは、累計700万部突破の神永学「心霊探偵八雲」シリーズの完結巻として「心霊探偵八雲12 魂の深淵」を6月25日に刊行する。このシリーズは、2003年神永学自費出版として芸社より刊行した「赤い隻眼」に端を発している。これまでコミカライズやテレビドラマ化(2006年・テレビ東京系)、再演を含め6度の舞台化やアニメ化(2010年・NHKBS2にて放送)を遂げるなど、幅広いメディアミックスを展開して来た。
6月25日には公式ファンブック「心霊探偵八雲 COMPLETE FILES」も発売される。シリーズ完結を記念し、Webサイン会(直筆為書き入りサイン本予約発売)の実施、オンライン書店の特典付きサイン本セット販売を行うことが決定した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000007129.000007006.html

◎「BBC NEWS JAPAN」は6月4日付で「スナップチャット、トランプ氏の投稿の宣伝を停止 『暴力を扇動』」を発表している。
《メッセージアプリの「スナップチャット」は3日、アメリカのドナルド・トランプ大統領のアカウントをプラットフォーム内で宣伝しない方針を明らかにした。「人種間の暴力や不正を扇動する主張を増幅させない」ためだという。》
https://www.bbc.com/japanese/52916251

◎ロイターは6月5日付で「FB、中国新華社など『国営メディア』と明記 広告も禁止へ」を発表している。
《米フェイスブック(FB.O)は4日、中国新華社などの国営報道機関による情報を明確にするため、国営メディアという表示を付けると発表した。さらに、これら国営メディアによる米国内のユーザーを標的とした広告の掲載を夏以降禁止する方針を明らかにした
新華社のほか、ロシアのスプートニクやイランのプレスTVなどが対象となる。米国営メディアは編集の独立性を維持しているという理由で除外される。》
https://jp.reuters.com/article/facebook-media-idJPKBN23B2WB

◎ロイターは6月5日付で「ツイッター、トランプ陣営のフロイドさん追悼動画を閲覧停止に」を発表している。
《短投稿サイト運営の米ツイッター(TWTR.N)は、白人警官による暴行で死亡した黒人男性ジョージ・フロイドさんを追悼する、トランプ大統領の選挙陣営による投稿動画を閲覧できないようにした。著作権に関する苦情があったためという。
動画はフロイドさんの事件後に行われたデモ行進や暴動の様子などを撮影した写真や動画が次々に切り替わるもので、トランプ氏の演説の声が流れている。》
https://jp.reuters.com/article/twitter-trump-idJPKBN23C0CN

◎「AFP BB NEWS」は6月5日付で「ツイッター、トランプ氏のアカウント凍結も排除せず」を発表している。
《米交流サイト(SNS)大手ツイッターTwitter)の幹部は4日、もしドナルド・トランプDonald Trump米大統領が扇動的な投稿を続けるようなら、アカウントを凍結する可能性も排除しない方針を示した。
トランプ氏は、記者の質問を浴びることなくメッセージを発信する場としてツイッターに頼ってきた。アカウントのフォロワーは8170万人以上で、フォロワー数トップ10に入っている。》
https://www.afpbb.com/articles/-/3286779

集英社から刊行される北野武の「不良」だが、私が気になって仕方ないのは単行本書き下ろしとなる短編「3-4 X 7月」である。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000155.000011454.html

◎小説家・志茂田景樹のツイート。
《おーい、富川悠太アナよ。高校の至らぬ先輩としてはおこがましいことを言うが、復帰いちばんの顔見せは少し卑屈すぎたんじゃないか。きみは、あのコロナに打ち勝ったんだよ。つまり、凱旋者だ。コロナを取り上げることはこれからも多いだろ。そのことを常に心の底に置いて堂々と務めろよ。》
https://twitter.com/kagekineko/status/1269049166971297792

◎「AXIS」は「暮しの手帖を立ち上げた編集長、花森安治を『読む』 三部作『花森安治選集』が刊行」を掲載している。第1巻の「美しく着ることは、美しく暮すこと」は5月下旬に刊行された。第2巻「ある日本人の暮し」は7月中旬刊行予定。第3巻「ぼくらは二度とだまされない」は9月下旬刊行予定。
https://www.axismag.jp/posts/2020/06/219328.html
第3巻は大塚英志の「大政翼賛会のメディアミックス」(平凡社を踏まえて読みたい。花森の「ぼくらは二度とだまさない」という覚悟が「暮しの手帖」に結実しているはずだ。こうも言える。女性ファッション誌の編集者は花森安治の過ちを二度と繰り返してはならないのだと。

◎日販は5月期の店頭売上前年比調査の結果を発表した。これによればの店頭売上前年比は全体で 111.2%となり、2008 年 7 月の集計開始以来、初めて 110%を超えた。ジャンル別で見てみよう。
雑誌は89.8%。「るんばちっくハッピー☆おそうじロボ USA-8」が付録だった「ちゃお」や「Myojo」が良かった
書籍は102.3%。2019 年 3月以来の前年超えとなった。一斉休校解除の動きがあった影響により、学校の授業で使用する国語辞典や英和辞典などが大きな伸長を見せた。総記、ビジネス書、専門書、学参、児童書の 5 ジャンルで前年を上回っている。
コミックは157.6 %。「鬼滅の刃」である。「鬼滅の刃」関連商品がコミック全体の売上に与える影響は、35.2%にもなるという。
開発品は102.0%。
https://www.nippan.co.jp/wp-content/uploads/2020/06/pos_202005.pdf
https://hon-hikidashi.jp/more/108687/

◎鈴峯紅也は徳間庫「警視庁公安J」、中公庫「警視庁組対特捜K」、朝日庫「警視庁監察官Q」 でシリーズ累計55万部を突破している。各シリーズが絡まっていることが特徴だろう。ファンによれば出版順に読むのが王道らしい。鈴峯のデビューは「警視庁公安J」によってである。徳間庫からシリーズ6冊目にあたる「警視庁公安J ダブルジェイ」が発売された。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000263.000016935.html

◎「ダイヤモンド・オンライン」は6月5日付で渋井哲也の「テラハ事件、テレビとSNSユーザーが『共犯者』になった重すぎる教訓」を掲載している。
《こうした演出での反応はSNSにも現れ、拡散されていく。ネット・ユーザーの中には、その演出を本気にしたり、感想を書き込む人がいたりした。本気と思わないにしても「ネタ」として、楽しみ、煽ったりする人もいただろう。これらの相乗効果でSNSは盛り上がる。それを見つつ、次の番組の方向性がつくられていく。『テラスハウス』は、番組制作側とSNSユーザーとの「共犯関係」で成り立っていたとも言える。》
ここも重要だ。
《アンチコメントで盛り上がるユーザーは、誹謗中傷された人のことを想像するよりは、そのコメントへの反応(当事者かどうかにかかわらず)を見て楽しむ。そして、それらのアンチでの盛り上がりをさらに過熱させ、回数を増やしたり、極端なコメントを書き込んだりしていく。実際、木村さんへのアンチコメントには「いいね」が多かったとも言われる。》
https://diamond.jp/articles/-/239340

◎光社より4月22日(水)に発売された「髙橋リタの偏愛ITEMリスト100」の重版が決定した。2刷2,000部を増刷し、累計10,000部。高橋は小学館の「Oggi」や「Precious」で活躍したスタイリストである
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000406.000021468.html

KADOKAWAは角川武蔵野ミュージアムのオープンを記念した、武蔵野にまつわる学賞「角川武蔵野学賞」の募集を6月5日よりWeb小説サイト「カクヨム」で開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000007114.000007006.html

トーハンは、フィギュアスケート羽生結弦選手の写真集「YUZU'LL BE BACK Ⅱ~Dancin'on The Edge3」(スポーツニッポン新聞社)を、トーハン独占販売のMVPブランドとして、6月19日に発売する。
https://www.tohan.jp/news/20200603_1585.html

◎「PRESIDENT Online」は6月5日付で東洋館出版社の社長・錦織圭之介を取り上げた「『後悔だけはしたくない』三菱商事から出版社に飛び込んだ新米社長の8年間」を公開している。錦織は次のように語っている。
《さらに問題だったのは、編集が持ち込み原稿を断れないこと。うちは教育書専門なので学校の先生からの売り込みが多いのですが、断る勇気が持てず押し切られてしまう。教育の世界は狭いし、これまでのつき合いやしがらみもあったのでしょうが、何でも引き受けていたらつまらなくて売れない本ばかりになってしまいます。
こうした悪しき慣習や社内の空気は断ち切らなければならない。そこで社長になったとき、「私を悪者にしていいから、自分が作りたくないものは全部断れ」と明言しました。「新社長がやるなと言っているから」と私を理由に使えばいいからと。そして著者ではなく読者である先生たちに目を向けて、どんな需要があるかを考え、自分が本当に作りたい本を企画してほしいと伝えました。
出版とは本来そうあるべきだし、それが出版の面白さでしょう? 持ち込まれた原稿をそのまま出すなんて、つまらないじゃないですか。だから意識改革にはかなり力を入れました。》
https://president.jp/articles/-/35911

◎アケミン、小川たまか、三浦ゆえが論じ合う「フリーランスへのセクハラ・原稿料未払い問題を考える」が6月11日(木)に有料配信されるそうだ。アケミンは「箕輪厚介氏のセクハラ報道で噴出。女性ライターが語る“悪質編集者たち”からの被害」を、小川たまかは「加害者周辺で被害者バッシングが起こるのはテンプレ 箕輪厚介氏の二次加害発言について」を、それぞれ書いている。
https://rooftop.cc/news/2020/06/05203000.php
https://joshi-spa.jp/1007743
https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/20200531-00181216/

讀賣新聞オンラインは6月6日付で社説「改正著作権法 作者の正当な権利を守りたい」を掲載している。
《音楽と映像に限っていた規制の対象を、漫画や小説、論などの著作物全般に拡大した。海賊版と知りながらダウンロードする行為は、原則として違法になる。繰り返しダウンロードする悪質な行為には、刑事罰も設けた。
ただ、分量が少ないケースなどは対象外とした。ネット利用者が萎縮したり、知る権利を侵害したりしないように配慮した。》
《出版不況の中、電子出版の市場は昨年2割以上伸びた。法改正の契機となった海賊版サイト「漫画村」の閉鎖もあり、正規版サイトの利用者が増えたためだ。
出版化の重要性を共有し、社会全体で守ることが大切だ。》
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200606-OYT1T50003/

共同通信は6月6日付で「久米さん、ラジオ番組終了へ 現在唯一のレギュラー」を配信している。
フリーアナウンサー久米宏さん(75)は6日、パーソナリティーを務めるTBSラジオの番組「久米宏 ラジオなんですけど」が今月末で終了すると明らかにした。》
https://this.kiji.is/641915128287364193

東京経済大学准教授の大久保奈弥はサンゴの生物学者だ。彼女のもとに届いたアベノマスクが「大当たり」した。
《今週うちに来たアベノマスク、大当たり赤いビックリマーク
外側から見ても分かるから(赤丸)、思わず顕微鏡写真を撮っちゃったよ。ビニール袋の内側には1匹の虫がくっついていて、後の不明なものはマスクの表面や中でペシャンコになっていた。記念にとっとこ~。》
《数が多すぎてもう数えるのめんどくさいから、1枚のマスクだけでやめた
普通の家には顕微鏡ないから分かんないだろうなあ~》
https://twitter.com/acroporanobilis/status/1269262548555063296
https://twitter.com/acroporanobilis/status/1269263552851804170
こ、こんなに!
原発のコスト」(岩波新書)の大島堅一も大久保に刺激を受けて、自分のもとに送られて来たアベノマスクを顕微鏡で見てみると…
《うわ。大久保先生の顕微鏡写真があったので、うちにきたアベノマスクを自宅の顕微鏡で見てみたら、虫の残骸らしいものとか、ゴミが結構ついてる。袋開けずに見ててこれだから完全に元々中に入ってるものだよ。アベノマスク、使っちゃだめ。アベノマスク=ゴミと考えてよいのでは。》
https://twitter.com/kenichioshima/status/1269440890256277505
大島は、こうもツイートしている。
《気になったので、中国製のマスクを顕微鏡で精査してみたけども、ゴミは一個も入ってなかった。アベノマスクって何なの。嫌がらせですか。》
https://twitter.com/kenichioshima/status/1269443530952290309

◎日刊スポーツは6月7日付で「裕木奈江、過去のヌード挑戦に自己嫌悪『吐き気が』」を掲載していた。
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202006070000099
む.html
この記事について裕木奈江が日刊スポーツにリプライしている。
《「嫌悪感を持っている」なんて言っていませんよ。
なぜ言っていないことを書くのでしょう?
迷惑ですので消してください。》
https://twitter.com/nae_auth/status/1269429263196921861
裕木はつづけてツイートしている。
《日刊スポーツさんの公式からフォローされていないので、ライターさんがフォローしているのかな。
それに吐き気がするのはまさにこういう扱いを受けてきたからなのよね。》
https://twitter.com/nae_auth/status/1269430036978896896
確かに裕木は「自己嫌悪」という言葉は使っていない。6月7日正午現在、日刊スポーツの記事は削除されている。

鈴木涼美が「cakes」に連載している「ニッポンのおじさん」で幻冬舎の編集者・箕輪厚介を取り上げている。次のような指摘は、核心を衝いているのではないか。
《彼が動画の中で、自分が嫉妬されているという脈の中で発する「だって実力が違いすぎるんだもん」は、深層心理では、彼の本意とは逆向き、つまり普通の編集者として編集の仕事をしては、他と実力の差がありすぎて太刀打ちできないから、正攻法ではない形で仕事をせざるを得ないと言ってるんじゃないかと、私なんかは訝しむ。
別にそれ自体は悪くないというか、人間そんなにみんな実力者じゃないし、一番は一人しかいないので、まっすぐ向かって勝てない相手には何かしら奇策を出すものではある。私がこのページ上で乳を放り出しているのも、そんなもんである。ただ、その自覚が綺麗に欠如しているあたりが、彼が空虚である所以だ。》
https://cakes.mu/posts/30365

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5)【深夜の誌人語録】

創造力に貢献する嘘もあれば、権力を補完する嘘もある。