【文徒】2020年(令和2)12月7日(第8巻226号・通巻1883号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】「鬼滅の刃」が新聞を助ける!全国紙に大盤振る舞い
2)【記事】宅八郎、死す
3)【記事】首相が記者会見を完全コントロール!「逃げ」の姿勢を許した記者クラブ
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】「鬼滅の刃」が新聞を助ける!全国紙に大盤振る舞い

集英社は「鬼滅の刃」の完結巻となる23巻を12月4日に発売したが、12月3日付夕刊の読売新聞、朝日新聞毎日新聞産経新聞(大阪のみ)、日本経済新聞の全5紙に「完結巻記念全面広告」を出稿した。共同通信は12月3日付で「『鬼滅の刃』最終巻で新聞広告
夕刊5紙に『想いこそが永遠』」を掲載している。
《広告は、夜を思わせる一面黒の背景に「永遠というのは人の想いだ/人の想いこそが永遠であり/不滅なんだよ」との言葉を浮かび上がらせた。主人公の竈門炭治郎が属する「鬼殺隊」の当主産屋敷耀哉のせりふで、作品に込められた思いを表現したという。》
https://www.47news.jp/news/5564291.html
発売日当日の12月4日付朝刊でも同じく5紙を使って、何と各紙に4頁の出稿だ。朝日新聞デジタルは12月4日付で「鬼滅の刃ャラ、全国紙5紙を席巻 朝刊4ページで掲載」(佐々波幸子)を掲載している。竈門炭治郎讀賣で、煉獄杏寿郎は日経!
《主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)や妹の禰豆子(ねずこ)ら、主なキャラクターが1人1面いっぱいに、各紙3人ずつ登場する。共通の紙面では、作者の吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんから読者へのメッセージを載せている。》
https://digital.asahi.com/articles/ASND375T3ND3UCVL01K.html
集英社、夕刊も使うところがナイスなんだよなあ。別に出稿しなくたって「鬼滅の刃」の売れ行きには、さして影響はしまい。新聞を応援しようという気持ちがなければ成立しない企画でしょ。集英社のクライアントとしての見識が見て取れる広告である。新聞記者歴10年以上だという「ぶんや@社内業界記者」がツイートしている
鬼滅の刃全国紙広告。
新聞が鬼滅を宣伝したというより、鬼滅が新聞(広告)を宣伝してくれたのが本質だな。
これを新聞広告の力だと勘違いしてはならない。》
https://twitter.com/bunyabunya2020/status/1334723654429511687
というように、この新聞広告はSNSでも話題となっている。元新聞記者の獅子まいこがツイートしている。
《鬼滅広告の効果すごい。
読者視点だと、新聞広告は完全にコアターゲット外(健康食品とか)が多いし、読む枚数減って損した気分になってたけど。今日は先に広告見つけるために紙めくったなぁ。
嵐もそうだったし、広告で新聞が売れる時代なんですね。若者に新聞を手に取ってもらう方法見つかったね(?)》
《アニメも映画も見ていない母ですが、
「ちくわくわえた女の子の欲しい!」と近所の新聞販売店を巡り、朝日新聞ついでに全紙コンプリートしたとのこと。
田舎にある全国紙の販売店は、複数紙で統合されていることが多いので、こういう時はラッキーなのかも。もうこんなことする日はないと思うけど。》
https://twitter.com/shishi_maiko223/status/1334704201927016450
https://twitter.com/shishi_maiko223/status/1334779899521863680
「匿名記者P」が獅子をリツイート
《「もうこんなことする日がないと思うけど」というのが重要なポイント。
新聞広告局がこの現象をどう捉えているかはまちまちだろうが「紙面に載ったものが特別な価値を持つ『事がある』」ことを生かして売り方を変えていく必要がある気もするね。
特定の日の新聞を後日もっと買いやすくするとかさ。》
https://twitter.com/InsidewhisperP/status/1335002684290519040
ITmedia NEWS」は12月4日付で「『鬼滅の刃』の新聞広告、早速メルカリでの転売続出 ネット上では『案の定』の声も」を掲載している。
《メルカリやオークションサイト「ヤフオク!」では主に朝刊や、朝刊と夕刊のセットが出品されている。通常、各紙の販売価格は1部当たり50~180円(税込)だが、5紙セットで3000円の出品もあった。
Twitterでは4日朝に「広告掲載の新聞」「新聞広告」などがトレンド入り。「絶対欲しい」などの声があがる一方で「案の定転売されてた」「新聞も転売されるのか」という意見も出ている。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2012/04/news106.html
中日新聞東京新聞の広告局のアカウントによる次のようなツイートに注目だ。
《中部圏で #鬼滅の刃23巻 を待ちわびた皆様、私どもの力不足で残念な思いをさせていまい、本当に申し訳ありません…。全国紙のような部数でも、全国紙の全部が47都道府県に配っているわけじゃなくても、東京新聞と北陸中日合わせ一都15県をカバーしても、悔しい思いを度々します。が、今日は特に辛い…》
https://twitter.com/np_ad_/status/1334719007363014659
「窓際さん」が翻訳している!
《翻訳「朝毎読は分かるとして、都市圏でしか配ってない日経やうちより発行部数が少ない産経新聞鬼滅の刃の広告を掲載できて、ブロック紙の雄である中日新聞が無視されたのは許しがたく、プライドを傷つけられた。というか産経とかもはや全国紙の看板下ろせよ、アベ政治による歪みを感じる」》
https://twitter.com/nekokisha/status/1334874949429977091
「窓際さん」に座布団一枚!
しかし、キメツノミクスの勢いは止まらない。ダイドードリンコ、10月5日(月)に発売した、TVアニメ「鬼滅の刃とのコラボ商品「ダイドーブレンド ダイドーブレンドコーヒーオリジナル」「ダイドーブレンド 絶品微糖」「ダイドーブレンド 絶品カフェオレ」の販売計画を、販売好調につき約1,500 万本上乗せしたという。
https://www.dydo.co.jp/corporate/news/2020/201203/pdf/20201203_01.pdf

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2)【記事】宅八郎、死す

宅八郎が8月11日、小脳出血で死去していた。享年57歳だった
https://www.47news.jp/news/5567829.html
作曲家の片岡宏介がツイートしている。
《先ほど宅八郎さんの弟さんから電話があり、宅さんが8月に脳出血で亡くなられたとのこと。
一時期は一緒にバンドもやり、アイドルのリミックスも一緒にやってCD出したり、ホントに毎日のように連絡とって仲良くしてました。ここ10年くらいは疎遠になっていましたが、突然の連絡で本当に驚いています。。》
https://twitter.com/KosukeKataoka/status/1334485751275212801
これは荒井カオルのツイート。
宅八郎が死んだそうなので、『宅八郎処刑宣告』という古い本を読み返している。自分のことを悪く書いた週刊誌記者を逆取材し、そいつが会社のカネでデートしたメシ代の領収書切ってる現場を押さえたり、自宅前で家族に突撃取材したり、徹底的に実名で書きこんでいく怖ろしい本である》
《「ゆきゆきて、宅八郎」とかタイトルや小見出しが秀逸な本だ》
https://twitter.com/araikaoru/status/1334482661797023745
https://twitter.com/araikaoru/status/1334484597141172229
町山智浩のツイート。
宅八郎はもったいなかった。とにかく人から舐められることに我慢できなくて、編集者やライターや小峯隆生や田中康夫に執着して人生も才能もムダにしてしまった。ただ自分の好きなことをしていればもっと何かできたかもしれないのに。》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1334626891303534592
香山リカのツイート。
《彼が「宅八郎」になる前からの知り合いでした。だんだん強烈なキャラから素の繊細な青年に戻る時間が減っていき、距離ができたままになってました。才人であったことは確かです。ご冥福をお祈りします。サブカル全盛の良い時代でしたね、あの頃…。》
https://twitter.com/rkayama/status/1334504680013983744
大月隆寛のツイート。
宅八郎ナンシー関
法政大学の生んだ、数少ない偉人であった》
https://twitter.com/kingbiscuitSIU/status/1334635977181024256
「HEAVEN」で編集長・山崎春美のもとで副編集長をつとめていた、現在は和光大学で教鞭を取る野々村宏のツイート。
宅八郎宅八郎になる前、大学生時代に、おとなクラブ遠藤さんから、「うちに最近、出入りしている彼はプラスチックスの追っかけなんだよ。きっときみと話が合うと思うのでよろしく」と言われて、彼、矢野くんを紹介された。
私がびっくりしたのは》
《(承前)、宅八郎になる前の大学生の彼は、「高校時代にプラスチックスを見て、これだ! と思い、いっぺんにファンになったんですよ。ただ」
ーーただ?
「自分はひとつのものに夢中になると、それだけを追いかけてしまう癖があるんです。だから、ヒカシューもP-モデルもよく知らないんです。」
と。》
《あの頃は、おたくの定義についていろいろな人と議論した。
たとえば映画監督と映画おたくの関係について。
映画おたくは映画監督の必要条件である。
しかしながら、映画おたくは必ずしも映画監督になれるわけではない。
であるとか、だ。
それで言えば、宅八郎はおたくである以前にパラノイアだった。》
《もちろん、おたくとパラノイアはほぼ重なっているが、パラノイアよりおたくの概念のほうが広い。宅さんの場合の核はパラノイアだったのだろう。音楽やファッションへの固執が人に対する復讐に変わっただけで、だからこそあそこまで執拗になったのだ、と私は思っている。根っこのビヘイビアは同じだ。》
《だから、宅八郎はおたくのカリカチュアであって本人はおしゃれ人間で真のおたくではない、と読解する向きは、違うなと思うし、現代では特定の個性あるブランドに固執するファッションおたくはいくらでも存在する。そのファッションおたくのビヘイビアが他のおたくと違うかといえば、まったく違わない。》
《あとひとつ。彼が本名から宅八郎にミューテーションした当時の背景には宮崎勤の事件が大きくあった。彼が最初の宅八郎のキャラクター設定を守りきれたかは別として、そして戯画化がいちばん良い方法であったかも別として、彼はなにかを守るためにその方法を選んだのだった。それは言っておきたい。》
https://twitter.com/nonomurax/status/1334715419119140864
https://twitter.com/nonomurax/status/1334716747018997760
https://twitter.com/nonomurax/status/1334719660927827968
https://twitter.com/nonomurax/status/1334721769492500480
https://twitter.com/nonomurax/status/1334725950169206786
https://twitter.com/nonomurax/status/1334729370179530752
「いまだから読みたい本 ── 3.11後の日本」(小学館)や「中西俊夫プラスチックスの上昇と下降、そしてメロンの理力」(K&Bパブリッシャーズ)の編集者・熊谷朋哉も連ツイを発表している。
《今年8月に宅八郎さんがお亡くなりになったことが発表になりました。プラスチックスの大ファンで、一時はミュージシャンとして小山田圭吾くんたちとともに立花ハジメバンドのメンバーでもありました。DJとしても「宅ザイル」として、玄人を唸らせる選曲とトラックメイキングを見せる一面もありました。》
《宅さんは時に周囲とトラブルを起こすこともありましたし、もしかすると業界/世間一般のイメージはあまり良くないのかもしれません。しかし、彼が本当に自分の知識と言葉に全てを賭ける書き手であったことは記憶されなければなりません。》
《彼の最高の名言は、「僕ってオタクっぽいところがあるじゃないですかー」でした。いやいや、そもそも宅さんがその元祖でしょと思いましたが笑、しかし、彼の「おたく」と今の「オタク」にはかなりの違いがあるように思われるのです。彼の知識の偏重は闘争の一環であって、自分の趣味への自足ではない。》
《たとえ逮捕されても、彼には、自他の利害を超えて、自らの「書き手」としての立場をきちんと守り抜こうとする気概がありました。その意味で、もはや数少ない昭和の書き手のひとりが息を引き取ってしまったという印象が残ります。》
《彼のプラスチックスについての章です。80年代的というか、いろいろひどい(褒め言葉)章ですが、「宅八郎」にしか書くことのできない名で、自身のことを語りつつ、意外な事実を教えてくれてもいます(プラスチックス『情報過多』[徳間書店2016]所収)。》
《今年の正月だったか、「宅八郎」に興味があるというハーヴァード大学の日本化研究者、ジェレミー・ウールズィさん を紹介する電話を宅さんに入れたのが最後の会話になってしまいました。宅さんの諸活動がハーヴァード大の博士論に載る日も近い。我々は偉大なる昭和の変人を失った。》
《宅さんには中西俊夫自伝『プラスチックスの上昇と下降、そしてメロンの理力』の注釈をお願いしました。余りの細かさに、よくもまあここまでと当方が呟いたら、「だってボク、プロのストーカーじゃないですかー」と、色々踏まえた怖いことをサラリと仰って笑いを取るのでした。》
《宅さんと私はプラスチックスを介したお付き合いで、私は主に、ミュージシャンやDJとしての宅さんの側面しか知らないと言っていいと思います。サブカルチャー方面の彼のお仕事を後世のためにまとめてくれる方々が出てくることを祈ります。》
https://twitter.com/tomoyakumagai/status/1334468217301921792

https://twitter.com/tomoyakumagai/status/1334486370161573889
ファシスト外山恒一のツイート。
《『全共闘以後』でも日本における反テロ戦争勃発(オウム弾圧)に際しての最良最大の反戦の闘士と絶賛した宅八郎氏が亡くなったそうだ。いつか復活してほしい、可能な限りお力添えもしたいと、偶然にも京都に向けて車を走らせながら妄想を膨らませていたところだったから驚いたが、それ以上に悔しい。》
https://twitter.com/toyamakoichi/status/1334680876001546241
西岡研介のツイート。
《おお、あの世でも岡留さんを追い回したって下さい 合掌》
https://twitter.com/biriksk/status/1334709164975656962
スポーツ報知は12月5日付で「マジックハンドの衝撃・宅八郎ん死去 渋谷区長選出馬に田中康夫氏の自宅周辺徘徊…」を掲載している。
《過激な言動で知られ、何度か騒動にも発展した。反政治権力を掲げる月刊誌「噂の真相」(2004年休刊)では、自身の連載中止を巡り、元長野県知事田中康夫さんの自宅周辺を徘徊(はいかい)するなどトラブルに。また、週刊誌「SPA」では漫画家の小林よしのりさんと、オウム真理教についての見解の相違やプライバシーの侵害などを巡って激しく対立した。テレビでは「天才・たけしの元気が出るテレビ!」(日本テレビ系)など、多くの人気番組に出演した。》
https://hochi.news/articles/20201205-OHT1T50000.html

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3)【記事】首相が記者会見を完全コントロール!「逃げ」の姿勢を許した記者クラブ

毎日新聞は12月4日付で「菅首相、初論戦は『逃げ』全集中 9月の約束『丁寧な説明』はどこへ」を掲載している。
菅義偉首相にとって初の論戦の舞台となった臨時国会は4日、事実上閉会した。だが、日本学術会議の会員任命拒否問題や「桜を見る会」前夜祭で安倍晋三前首相側が費用補?していた問題などを巡っては十分な説明とは言い難く、「逃げ」の姿勢が目立った。》
https://mainichi.jp/articles/20201204/k00/00m/010/398000c
「『逃げ』の姿勢が目立った」というよりも「『逃げ』の姿勢を許してしまった」記者会見ではなかったろうか。この日を振り返ろう
フリーの畠山理仁は12月3日午後7時39分、首相記者会見のスケジュールを次のように予測していた。
菅義偉首相が4日(金)夕方に記者会見をする「方向」と読売新聞が報じ、時事通信が「調整」と報じた。私も予定があるので官邸報道室に電話して聞いてみた。
「まだ決まっていないんですぅ~」
以下は私の予想する流れ。
→明日午前中に案内→正午申込締切→13時あみだくじ→14時当落連絡→18時頃会見?》
https://twitter.com/hatakezo/status/1334447149640085504
江川紹子が畠山をリツイート。12月4日午前9時9分。
《決まっているのに教えない不親切と、申し込み時間を短縮する意地悪などを重ねて、フリーランスで出席できる人をできるだけ減らしていこうという“努力”なんでせうね。》
https://twitter.com/amneris84/status/1334651004441137152
畠山が12月4日午前9時40分にツイート。
《官邸報道室から9:33にメールで連絡。本日夕方の菅義偉首相会見について。参加申込締切は11時30分。抽選後なるべく早く連絡。記者会見は「18時メド」だという。》
https://twitter.com/hatakezo/status/1334658832547475456
新聞労連委員長を経験している京都新聞記者の日比野敏陽が12月3日午後7時39分付の畠山の投稿をリツイートしている。12月4日午前10時2分のこと。
《一昨日から質問取りしてるのに、まだ決まってない、って。》
https://twitter.com/usvSkcLjitpbC9W/status/1334664404323823617
畠山が日比野をリプライ。
《私は質問を事前通告していないので参加できても当たらないのでしょうかね?》
https://twitter.com/hatakezo/status/1334665670361956352
日比野が応じる。
《出席させてそれはないですよね。
私たちは、質問取りに正直に答えない方針です。》
https://twitter.com/usvSkcLjitpbC9W/status/1334666908126212096
畠山のツイートを追っていこう。午前10時50分。
《官邸報道室からのメール→
いわゆる3つの「密」を避けるため、前回同様、事前登録を行っていただいた方(常勤幹事社を除く)のうち抽選に当選した方のみご参加いただきます。
9月16日の会見で当選した方以外の方を優先します。
当選された方にはなるべく早くこちらからご連絡させていただきます。》
https://twitter.com/hatakezo/status/1334676424536412161
午前10時59分。
菅義偉首相記者会見、内閣記者会常勤幹事社(各社1名で19人)は指定席。それ以外の参加記者は10人。外国記者、専門新聞協会、雑誌協会、インターネット報道協会フリーランスから抽選で決まります。抽選方法は「あみだくじ」です。》
https://twitter.com/hatakezo/status/1334678763343204353
午後1時11分。
《首相会見のあみだくじには当たりました。》
https://twitter.com/hatakezo/status/1334711973792022530
江川紹子が12月4日午後0時20分にツイート。
菅首相の記者会見の申し込み。9時32分にメールが来て、11時30分に締め切り時間厳守、と。その間私は、裁判所の傍聴券で並び、午前中の裁判傍聴してお昼の休廷でメール確認。フリーランスが参加できないよう、ここまで底意地の悪いことをやるのね~》
https://twitter.com/amneris84/status/1334699008485277697
英軍事誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー東京特派員の高橋浩祐が午後0時53分にツイート。
《本日夕方の官邸での菅首相会見。外国メディア勤務である私のもとには、本日午前9時38分に会見の案内がメールで来ていた。そして、なんと締め切りがそれから2時間弱の午前11時30分!受付時間があまりに短すぎる!他の作業をしていたから申し込み間に合わなかった。会見の話は数日前からあったのだから、》
《もっと早く案内をよこして欲しかった。江川紹子さんもおっしゃっているけれども、官邸広報室は少し意地悪すぎないか。僕らは記者クラブメンバーではないから、四六時中記者クラブにいて、情報の授与を待っているわけにはいかない。もっと申し込みに時間の余裕をください。》
https://twitter.com/KosukeGoto2013/status/1334707472993435648
https://twitter.com/KosukeGoto2013/status/1334708496328085504
江川が高橋にリプライ。
《安倍政権の時は、前日夕にメールと電話の双方で連絡が来ていましたね。》
https://twitter.com/amneris84/status/1334735593591300096
高橋が驚く。
《ぎょぎょ。江川さん、そうなんですか?僕はメールだけでした!
《官邸広報の外国メディアとフリーランスへの接し方も微妙に違うのかしらん~ 今日のメールも外国メディアへの送信の方が遅いし。。。》
https://twitter.com/KosukeGoto2013/status/1334737273057812481
12月4日午後5時23分、朝日新聞のサンフランシスコ支局長・尾形聡彦がツイート。
菅首相が午後6時にようやく記者会見を開きます。9月半ばの約30分の短い会見以後、実質2カ月半も会見から逃げ続けたのは異例です。官邸広報は各社から必死に事前の質問とりをしているそう。記者は事前通告という「やらせ」とは決別すべきです。会見では各記者の姿勢も問われます》
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1334775354108432390
この期待は裏切られることになる。小川裕夫は12月4日午後6時50分に「わかった速報」で次のように報告している。
《【わかった速報】山田真貴子内閣広報官の手元の資料をズームで撮影したところ、事前に報道各社から取りまとめた質問であることがわかった。断片的ながら、新聞社名と質問が写っていた》
https://twitter.com/ogawahiro/status/1334797166640959488
朝日新聞の尾形聡彦のタイムラインを追ってみよう。
菅首相会見。コロナ情勢が緊迫しているのに日本の主要メディアはGoToで首相の責任を問うような質問を一切せず、良かったは仏記者の西村カリンさんが二階氏とGoToの関係を問うた場面ぐらい。日本の主要メディアは事前通告の質問をし、菅氏はメモを読むばかりで緊張感の全くない本当にひどい会見でした。》
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1334802510171709440
菅首相会見。12問中、事前通告がない質問は仏記者の西村カリン氏、京都新聞、フリー安積氏の3問程度にみえ、主要社は環境、解散、日米など事前に割り振られたような質問ばかり。いま喫緊の課題である新型コロナ対策で首相の責任を問う質問がなく、主要国の首脳会見ではありえない緩さに愕然としました》
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1334807497845088257
菅首相会見。記録的な感染者が出て、危機的な状況の新型コロナ対策について、日本の主要社の記者たちが質問を重ねようとせず、別の話題ばかり聞いていることに驚きました。WHら主要国の会見では考えられない光景です。菅首相の緩い対応を容認しているのは、周りの多くの記者であり、強い憤りを感じます》
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1334813037316825089
菅首相会見。感じたのは、日本の多くの政治記者と菅氏のひどい馴れ合いでした。永田町には「自分は菅と話せる」と自慢する記者が大勢いて、菅氏は情報で記者を操っています。新型コロナの危機でも、記者の多くが「菅氏は自分に得」と自らの利害を優先させ、権力監視を怠っている。記者失格だと思います》
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1334820850365681664
朝日新聞デジタルは12月4日付で「二階氏が会長だからGoTo優遇?首相『特別じゃない』」を掲載している。
《4日にあった菅義偉首相の記者会見では、最後の質問が「Go toトラベル」についての質問だった。記者が自民党二階俊博事長の名前を挙げて「全国旅行業協会の会長を務め、強く推進している。結果的にほかの業界に比べて優遇してないか」とただした。》
https://digital.asahi.com/articles/ASND46GR3ND4UTFK023.html
この最後の質問をした記者は朝日新聞の記者ではない。ラジオ・フランスの西村カリンである。西村は朝日の記事を引用ツイートしている。
朝日新聞の記者さん、記者クラブのみなさん、二階幹事長の役割を知っていたでしょう。なぜ数ヶ月前から総理に聞いていないですか。私より総理に質問する機会が圧倒的に多いじゃないですか?
私は質問しなければ、誰も聞かなかったのは本当におかしい。》
https://twitter.com/karyn_nishi/status/1334831398398529538
西村は、こうもツイートしている。
《私は次回の総理の記者会見に出席出来ないと思う。席の数は限られているから、今回出席した記者以外の記者が優先されるから。》
https://twitter.com/karyn_nishi/status/1334851332222545922
西村の前に「日本学術会議の会員任命拒否に対するアカデミズムの反発は広がると思っていたか」と質問したのは京都新聞だった。首相の答弁に西村カリンは衝撃を受けている。
《完全に学者を馬鹿にした場面で、その場にいった私はショックを受けた。総理大臣として、こんな態度は許されない。》
https://twitter.com/karyn_nishi/status/1334830012910903296
朝日新聞デジタルは12月4日付で「学術会議、反発拡大に首相『かなりなるんじゃないかと』」を掲載している。
菅義偉首相は4日の記者会見で、日本学術会議の会員6人の任命拒否問題をめぐり、記者団から「これほどまでアカデミズムからの反発が広がると思っていたか」と問われたのに対し、「これほど(反発が)大きくなるかどうか、ということだが……」と笑みのような表情を浮かべつつ、「私は、かなりなるんじゃないかなというふうに思っていました」と述べた。》
https://digital.asahi.com/articles/ASND46QGYND4UTFK026.html
問うたのは京都新聞だという事実を何故に報道しないのだろうか。
これは朝日新聞の南彰のツイート。
《学術会議の任命拒否問題について、笑みのような表情を浮かべつつ、「私は、かなりなるんじゃないかなというふうに思っていました」と話す首相。
政権によるパワハラを象徴するような場面です。》
https://twitter.com/MINAMIAKIRA55/status/1334826473421635585
「病気は社会が引き起こす インフルエンザ大流行のワケ」(角川新書)を刊行している医師の木村知は何がそんなにおかしいのかと憤っているようだ。
《【菅首相記者会見】「学術会議問題、アカデミズムからの反発がここまで拡がると予想していたか、この拡がりをどう考えるか」と問われ、批判は大きくなるだろうなとは思っていたとニヤニヤしながら菅首相。何がそんなにおかしいか。そんなに国家権力で学問に圧力かけるのが、愉快で愉快で堪らないか。》
https://twitter.com/kimuratomo/status/1334799828128186369
望月衣塑子は「本当に酷い」とツイートしている。
《本当に酷い。
菅首相、学術会議問題の反発「かなり大きくなると思っていた」と笑み浮かべ回答
学術会議の任命拒否問題について、菅首相は、反発を予想していたかについて記者から問われると「かなりなるんではないかと思っていた」とやや笑みを浮かべて答えた。》
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1334841962378059777
白井聡は首相の笑みを「知的なるものへの憎悪」だと理解している
《学者から反発を受けるのが楽しくて仕方ないのだろう。菅の「知的なるものへの憎悪」を初めて見た。安倍と違って、この憎悪すらないのかと思っていたが。》
https://twitter.com/shirai_satoshi/status/1334958168741277699
望月優大。
《この場面、確かに笑っていた。違法であっても押し通す。ねじ伏せること自体に喜びを感じているような。》
https://twitter.com/hirokim21/status/1334872310679969798
私は前首相にマゾヒスト的傾向を見て取っていたが、今度の首相は紛れもなくサディストだろう。この笑みが今回の記者会見を象徴しているのかもしれない。これは上智大学国際教養学部教授・中野晃一のツイート。
《菅の記者会見、学者を小バカにし嘲笑った(本当はこんな騒ぎになると思わなかったくせに虚勢w)以外あまりニュースになってないようですね。朝刊はさて。
気配も責任も消したい菅さんとしては話題にならない記者会見は大成功でしょう。これで国会でも記者会見でも丁寧に説明した、って胸張りますよ。》
https://twitter.com/knakano1970/status/1334854505783939074
東京新聞労働組合のツイート。
《学術会議への人事介入。/大きな問題に/「なるんじゃないかなと思ってました」と/首相が笑った意味は重大です。/騒ぐメディアや国民がいる、という嘲笑か。/民主主義への露骨な挑戦、という不敵な笑みか。/どちらにしても、明らかに/首相の座に置いといてはいけない人物です。》
《▼記者12人が質問した/▼4~5人が「よろしくお願いします」と/不要なあいさつから始めた/▼少なくとも半数以上に対し/首相は目でペーパーを追いながら答えた/▼緊張感ある問答は、京都新聞記者と/自殺者増加&国民への説明姿勢を聞いたフリー記者/GoToと二階氏の関係を問うたフランスの記者だけ》
https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1334823319816732674
https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1334829541403967493
尾形聡彦の総括。
《馴れ合いの菅首相会見。背景にあるのは、メディア選別が露骨だった安倍氏に比べ、今はリベラルメディアでもキャップ級で菅氏に心酔する記者が多く、幅広い記者が取り込まれていること。会見から2ヵ月半逃げた菅氏への批判が、1ヵ月半会見しなかった安倍氏時より弱いのはそのためで、大問題だと思います》
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1335032095433900032
記者を取り込んでいたから、「原稿棒読み、滑舌悪い、目線は下」でも良かったのである。蓮池透が呟いている。
《なんだったんだろう?昨日のモゴモゴ会見。原稿棒読み、滑舌悪い、目線は下。さっぱり分からなかった。》
https://twitter.com/1955Toru/status/1334976829258493952

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4)【本日の一行情報】

アマンド銀座が閉店。
https://twitter.com/TJO_datasci/status/1334705595337695232

シンガポールブロックチェーンエンターテインメントプラットフォーム事業を開発運営 するDigital Entertainment Asset Pte. Ltd. (DEA社)は、デジタルコンテンツ流通・配信事業を展開するメディアドゥと、ブロックチェーンを活用し日本の電子書籍コンテンツのグローバル展開を推進するため、資本業務提携することを合意した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000047612.html

藝春秋出版局芸のツイート。
《週刊春ミステリーベスト10が発表されました。
1位は辻真先さん『たかが殺人じゃないか』。おめでとうございます!
藝春秋からは芦沢央さん『汚れた手でそこを拭かない』が5位にランクイン。面白かった! 日常を変容させる恐怖にゾクリとする一冊です。こちらもオススメ。》
https://twitter.com/BunshunBungei/status/1334341323776610305
早川書房「ミステリが読みたい!」でも、宝島社「このミステリーがすごい!」でも第一位を獲得し、見事、三冠を達成したわけである。飯田一史が「YAHOO!ニュース」に12月4日付で「2020年ミステリーランキング三冠達成!辻真先たかが殺人じゃないか』は何がそんなにすごいのか」を発表している。
《各社どんな作品が評価されやすいのかには傾向があるにもかかわらずこうも重なったのは、今村昌弘『屍人荘の殺人』が「このミステリーがすごい!2018年度版」「週刊春ミステリーベスト10」「2018 本格ミステリ・ベスト10」において第1位を獲得して以来3年ぶりのことだ。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/iidaichishi/20201204-00210918/
「たかが殺人じゃないか」の版元は東京創元社だが、同社からすれば三冠も三連覇も達成している。
《またも海外編・国内編両部門制覇! これで3冠!
そして『このミス』史上初の三連覇!
アンソニーホロヴィッツ『その裁きは死』が海外編第1位!
辻真先『たかが殺人じゃないか』が国内編第1位! 》
https://twitter.com/tokyosogensha/status/1334726522947584002
「K島氏」がツイートしている。
《88歳で初の1位という快挙を辻真先さんが成し遂げたこと、読者としても元担当編集としてもほんとうにうれしい。おめでとうございます、新作も楽しみにしております。ちなみに僕が編集者になってはじめて担当した単行本は辻さんの『悪魔は天使である』でした。隻腕の青年刑事の造形がいいんですよ!》
https://twitter.com/blue_airship/status/1334921413040324610

◎宝島社は、今夏始動したコラボアパレル事業において、人気英国ブランド「KANGOL」(カンゴール)とコラボしたワンマイルウェア「KANGOL TOP+BOTTOM SWEAT SET BOOK」(本体 1990円+税)を12月2日(水)より、人気北欧ブランド「moz」(モズ)」とコラボした中綿ダウンジャケット2種「moz 中綿ダウンジャケット BOOK」(本体 4980円+税)を2020年12月10日(木)より、セブン-イレブン、セブンネットショッピング限定で発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001086.000005069.html

集英社の漫画アプリ「少年ジャンプ+」に連載されている「怪獣8号」はコミックス第一巻が発売されたが、同作は「少年ジャンプ+」史上最速で3000万閲覧数を突破したそうだ。今度の震源は「少年ジャンプ+」か。
https://www.oricon.co.jp/news/2178244/full/
主人公の名前が奮っている。日比野カフカという。「変身」へのオマージュなのだろう。
少年ジャンプ+」副編集長・中路が3000万という数字を早くも修正している。
《コミックスの帯には30,000,000閲覧数突破と書いてますが、本日ジャンプ+史上最速で40,000,000閲覧数を突破しました。》
https://twitter.com/nakaji2017/status/1334880207778398210
12月5日をもって「少年ジャンプ+」史上最速で4000万閲覧数を突破してしまった。「少年ジャンプ+」編集長・細野修平が呟く。
《マジか…》
https://twitter.com/HosonoShuhei/status/1334882035706384386

◎「モデルプレス」は12月2日付で「『STORY』日本女性月刊誌初のマスク表紙 マスクコーデ60体特集も」を発表している。
《コロナ禍が襲った2020年。そんな時代、「STORY」2021年1月号ではマスクをファッションの一部としてとらえ、前向きに、明るい気分になれる、オシャレで素敵なマスクを115枚厳選し、そのうえでマスクとの相性を考え抜いたコーデを紹介。マスクコーデ60体を掲載し、マスクを着用した高垣のコーデで表紙を飾る、日本女性月刊誌初のマスク表紙&マスクコーデ特集となる。
https://mdpr.jp/news/detail/2331206

朝日新聞デジタルは12月3日付で「『EテレNHKらしさの象徴』 売却論に会長が反論」を掲載している。
《「NHKは『Eテレ売却』で受信料を半減できる」。内閣官房与の高橋洋一・嘉悦大教授が「週刊ポスト」(12月11日号)でそうした主張をしたことについて、NHK前田晃伸会長が、きっぱりと反論した。》
https://digital.asahi.com/articles/ASND3621GND3UCVL01B.html
週刊ポスト」は頑張っていると思う。恐らく販売部数に何の影響もないだろうが、朝日新聞が「Eテレ売却などの改革案を語った高橋教授のインタビューは誌面だけでなく週刊ポストのネットニュースでも流れて拡散されていた」と書いていることを軽く見てはならないはずだ。「週刊ポストのネットニュース」とは「マネーポストWEB」=「NEWSポストセブン」に他ならないが、「週刊ポスト」のこうした記事が「NEWSポストセブン」のビジネスに貢献するのは間違いあるまい
《高橋氏がNHK改革の具体策にあげるのが、教育放送「Eテレのチャンネル売却だ。
NHKの分割・民営化はいっぺんにはできない。まず手をつけるべき改革は、教育チャンネル(Eテレ)の売却です。(中略)そこでEテレのチャンネル(周波数帯)を売却して携帯(通信)用に利用すれば、通話だけではなく、もっと多種多様の映像コンテ