【文徒】2021年(令和3)3月8日(第9巻42号・通巻1939号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】首相記者会見「宣言再延長の原因」を答えられなかった…
2)【記事】電通新聞局出身の静岡新聞静岡放送社長 大石剛の「ダブル不倫疑惑」
3)【記事】テレ東は燃えているか?①プロデューサー 佐久間宣行が独立へ
4)【記事】テレ東は燃えているか?②上出遼平が「群像」で叫んだ!
5)【本日の一行情報】
6)【深夜の誌人語録】
7)【お知らせ】 
----------------------------------------2021.3.8 Shuppanjin

1)【記事】首相記者会見「宣言再延長の原因」を答えられなかった…

東京新聞労働組合が次のようにツイートしたのは、3月5日午後8時51分のことである。
《今日これから首相会見。/内閣記者会、今日こそはちゃんとやってくれ。/まさか今日も事前の質問通告、やらせ会見じゃ/ないよね。やったら終わりです。》
https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1367804947576750082
新聞は終わった。
時事通信は3月5日付で「小野広報官が司会デビュー 菅首相会見1時間超に」を配信している。体調不良を理由に辞職した山田真貴子前内閣広報官の後任に就いた小野日子が3月5日夜に開催された首相記者会見の司会役としてデビューしたが、これ単なるヨイショ記事じゃん。
《開始直前に会見室に入った小野氏は、緊張した様子で「3日付で内閣広報官を拝命した」と自己紹介。首相の冒頭発言の後、フリーランスも含めて15人の記者を指名し、会見時間は異例の1時間10分余りに及んだ。ただ、1人1問で追加の質問は控えるよう求めるなど、前任の山田氏と同様、記者にクギを刺すことも忘れなかった。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021030500959&g=pol
東京新聞は今回も指名されなかった、と事実を書けよ。
日本経済新聞は3月5日付で「首相、異例の70分記者会見 小野広報官が初司会」を掲載している。異例?これまでよりも10分程度長かっただけではないのか。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE05CNS0V00C21A3000000/
讀賣新聞オンラインは3月5日付で「小野内閣広報官、首相会見で初めての司会役…1時間10分間を無難に仕切る」を掲載している
《小野氏は記者会見の開始に合わせて自己紹介し、「どうぞよろしくお願いします」とあいさつ。緊張した様子を見せていたが、約1時間10分にわたった記者会見を無難に取り仕切った。》
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210305-OYT1T50256/
無難って?五百旗頭幸男がリツイートしている。
《従来通り更問いを認めないと宣言し、手を挙げた記者を順に指名しただけで「無難に仕切る」となるからすごい。》
https://twitter.com/yukioiokibe/status/1367856977770995712
これも五百旗頭のツイート。
《内閣広報官が変わっただけでしかない首相会見。若手記者中心のぶら下がりの方が緊張感があり、国民にとって見る価値があった。今日の会見なら、NHKがゴールデンタイムに1時間以上生中継する意義を感じない。棒読み会見の犠牲になったニュースをきっちり伝えたほうが、国民のためになる。》
https://twitter.com/yukioiokibe/status/1367825510068195331
朝日新聞サンフランシスコ支局長・尾形聡彦も「ぶら下がり」のほうがマシだったと評価している。
菅首相会見。幹事質問以外に、十数問の質問が出ましたが、フリーの江川記者などごく一部がその場での質問だった以外は、大半は事前通告の質問のように見え、菅氏はメモを読む会見に逆戻りし、迫力不足でした。“ぶら下がり”は北海道や朝日ら総理番記者の奮闘で活性化しているのと比べ、落差が大きいです》
菅首相会見。“ぶら下がり”は、総理番の頑張りで他国同様の丁々発止のやりとりになりつつあるのに比べ、今回の記者会見は事前通告の質問ばかりに見え、米WHら主要国ではありえない会見が続いています。首相が質問に答えていないのに、記者が再質問しない、できない点は特に問題で、即座に改善すべきです》
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1367851453365166080
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1367851459035893760
無難も何も、何も変わっていないではないか。鮫島浩がツイートしている。
《山田真貴子内閣広報官が辞職して首相記者会見の進め方が変わると期待したが、何も変わらない。従来と同じ顔ぶれが指名され、彼らの質問に迫力はなく再質問もなし。馴れ合い会見を変える千載一遇の好機だったのに、官邸記者クラブは一体何をしていたの?記者の指名権や再質問権を取り戻す交渉をしたの?》
https://twitter.com/SamejimaH/status/1367825801190674442
首相は精神論しか語っていないように思えた。毎日新聞出身の横山裕道も同じように感じたようだ。
《むなしい首相会見
菅首相は緊急事態宣言の2週間延長の根拠を何も示さなかった。再延長に至った原因も答えられない。そして「宣言を解除できるようにする」「私が先頭に立って解決する」と精神論ばかり。これでは2週間延長しても、どれだけ効果があるか分からない。》
https://twitter.com/zxghiro/status/1367941774082150400
ロゴスもなければパトスもない。私たちの胸に迫って来ないのだ。山崎雅弘のツイート。
菅首相の記者会見を生中継しているが、このボソボソと原稿を読む菅氏の言葉を聞いて、未来に希望を持てる人がいるなら驚きだと思う。そして内閣記者会の記者たちは結局、何一つ現在の「秩序」を変えず、新しい内閣広報官に唯々諾々と隷従する道を選んだ模様。何も変わらない。変えるチャンスを捨てた。》
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1367813342081945601
舛添要一も納得していない。
《緊急事態宣言再延長について、菅首相が記者会見、今ごろになって検査の拡充を言っているが、私は1年前から一貫して主張してきた。私と同じ主張をする者は反政権として非難されるという不健全な状態が続いてきた。尾身会長はじめ政府の手足の専門家にも反省を求めたい。》
https://twitter.com/MasuzoeYoichi/status/1367810085028696064
菅首相の会見:欧米よりも日本は感染者が少ないと誇ったが、東アジアでは劣等生であることを恥ずかしく思ったほうがよい。そうしないと、緊急事態宣言を延長したところで、何も変わらない。》
https://twitter.com/MasuzoeYoichi/status/1367810831455449093
菅首相の記者会見:尾身会長は、首都圏の特殊性を言うが、関西を知らないのか。関西も状況は同じだ。全く説明になっていない。私が厚労相新型インフルに対応したとき、尾身会長の専門家会議に失望し、岩田健太郎神戸大教授や私の東大医学部の教え子たちにチームBを作らせ、その意見に従い成功した。》
https://twitter.com/MasuzoeYoichi/status/1367814548338532353
首相は冒頭で「大きな効果が目に見えて表れている」と語り始めたが、二週間の延長を発表するのに、この言い草はないだろうよと私は思ったが、東京新聞労働組合も同じ感想を持ったようである。東京新聞労働組合の連ツイに耳を傾けてみよう。
《首相会見。/いきなり「大きな成果が表れている」と/自画自賛から始まってる時点で/ダメだ。/東京都で日々の新規感染者が/500人を下回ったことでよしとしてる…》
《今日の会見は、東京など1都3県で/緊急事態宣言をまだ解除できないことの/「強い危機感」を訴えるのが主眼のはずだ。
「大きな成果が表れている」/などと語り始めるのは、どう考えても誤りです。/成果が十分出てないから、延長するわけで。》
《首相会見。/「大きな成果が出ているなら/なぜ緊急事態宣言を解除できないのか?/なぜ延長なのか?」と/記者団は問うべきです。》
《首相会見。/幹事社(朝日新聞)が聞いたのは/「なぜ解除に至らなかったのか、その原因は何か?」/だと思うが、首相は正面から答えず/結局「今後努力したい」みたいな話で終わってる。/「質問に答えてない」と幹事社は言うべきだ。》
《首相会見。/尾身会長は尾身会長で別途、会見すべき。
首相会見は、尾身会見の見解でなく/首相の政治決断、政治責任問いただす場だ。》
《首相会見。/読売新聞は、GoToトラベル再開の見通しについて/共同通信は、東京五輪の海外からの観客について/日経新聞五輪と感染抑え込みについて質問した。/首相は下(答弁原稿か)をちらちら見ながら/答えてる。》
《首相は緊急事態宣言を発した1月に/「1カ月で状況を改善させる」と言った。/いま2カ月たって、首都圏でいまだ解除できない。/そのことの政治責任を/記者団はストレートに問いただすべきだ。/政府の対策が不十分だったことを追及すべきです。》
https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1367808119661756416

https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1367817166083428352
英軍事誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー東京特派員・高橋浩祐のツイート。
《「ワクチンは希望の光」と菅首相は述べたが、他国からのワクチン到着を待つ日本はイスラエルUAE、米英などと比べてもかなり出遅れている。。。夏季オリンピックの開催は極めて厳しいのが実情。》
https://twitter.com/KosukeGoto2013/status/1367809795793711104
朝日新聞編集委員・原真人のツイート。
《プロンプターもあり、かなり会見説明の練習をしてきた跡も見られた。以前の会見より大分マシになった。
それでも本気で伝えたいものを持たない人の言葉には、どう繕っても言霊が宿らない。》
https://twitter.com/makotoha/status/1367829201634566146
ドイツ・フランクフルト在住の毛ば部とる子のツイート。
菅首相、会見で得意げにテレビコマーシャルを増やすって言ってるけど、それが政府のできることの中心なのか。情けないな。》
https://twitter.com/kaori_sakai/status/1367869014630928387
やはり唖然とすべきは幹事社の朝日新聞から「宣言再延長の原因は?」と問われた簡単な質問にさえ答えられなかったことだ。フリーランスの江川紹子は「安倍政権で官邸が官僚を支配する仕組みを作った。反省や見直しが必要なところは。三者を入れて検討する考えは。」と訊いた。これに対して首相は
《若手官僚が途中で退職するのは残念だが、労働力の流動化は大事だ。第三者委員会についてはまだ様子を見たい。》
と答えた。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/89879?rct=politics
外務省出身の田中均がツイートしている。
《若手官僚が辞めていくことを記者会見で首相は職業の流動性ととらえたが、それとは次元が違う。燃えるような使命感を持つ官僚を育てるため高級官僚も政治権力も範を示すべきと答えて欲しかった。》
https://twitter.com/TanakaDiplomat/status/1368110924406562817
首相は長男に正剛と名付けるぐらいだから、中野正剛のことを尊敬しているのだろう。それだけに中野正剛が「戦時宰相論」を次のように結んでいることを知らないわけではなかろうに。
《難局日本の名宰相は絶対に強くなければならぬ。強からんが為には、誠忠に謹慎に廉潔に、而して気宇広大でなければならぬ。》

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2)【記事】電通新聞局出身の静岡新聞静岡放送社長 大石剛の「ダブル不倫疑惑」

「メンカタ@静岡道楽日記」が3月4日に呟いている。
《この新聞広告で、全国的に有名になった静岡新聞静岡放送ですが、今回は別のことで全国的に有名になってしまいました・・・》
https://twitter.com/shizuokadouraku/status/1367418053038731265
「別のこと」とは、社長と局アナの「ダブル不倫疑惑」であった。
「FRIDAY DIGITAL」は3月4日付で「TV局社長と女子アナW不倫!手をつないで『密会用マンション』へ」を発表している。
《女性の腰に慣れた様子で手を回していたのは、静岡新聞と静岡放送の両社を束ねる、地元メディアのトップ・大石剛社長(51)。そして、社長の傍らにピタリと付き添っているのは同局の原田亜弥子アナウンサー(40)だ。》
《局の目の前にあるゴルフショップで合流した二人は、原田アナの運転で、完全予約制の個室「米ぬか酵素風呂」へ。車内では大石社長が原田アナの頭をポンポンと撫でたり、頬をさわったり、見ているこちらが恥ずかしくなるほどのイチャイチャぶりだった。
その後も大胆にも手を重ね合わせながら繁華街を歩くなど、人目を気にする様子はまるでなし。そうして夜9時頃に件の〝密会用〟マンションへと帰り、日付が変わっても出てくることはなかった――。》
https://friday.kodansha.co.jp/article/166890
「元記者の紀谷理馬」のツイート。
《昔から3代目が会社を潰すというし、大石さんのところの新聞社もそろそろ店仕舞いですかね。散々女とハメ散らかして、シリコンバレーな風も浴びることができたし、思い残すことはないでしょう。》
https://twitter.com/motokisha/status/1367491709937070088
「売り家と唐様で書く三代目」だね。
産経新聞記者・三枝玄太郎もツイートしている。
《ついにあの大石一族が週刊誌沙汰に。日本一ケチと言われる地方紙の雄、静岡新聞SBSグループの御曹司のスキャンダルww。お父様の大石益光氏の時代にもいろいろイロ系の噂はあったけど、不思議と表沙汰にならなかったんだよな~。》
https://twitter.com/SaigusaGentaro/status/1367441291806576642
「ORICON NEWS」は3月5日付で「静岡新聞社静岡放送、社長とアナの不倫疑惑報道で謝罪『二度と発生しないよう取り組んでまいります』」を配信している。
静岡新聞社静岡放送は5日、写真週刊誌『フライデー』(講談社)で報じられた大石剛社長(51)と同局の原田亜弥子アナウンサー(40)の“ダブル不倫疑惑”の件について、公式サイトで謝罪した。》
https://www.oricon.co.jp/news/2186328/full/
最初に発表されたのは3月5日付「読者、視聴者、聴取者、関係者の皆様へ」と題された章だった。こう書かれていた。
《この度は、写真週刊誌の報道に関しまして、読者、視聴者、聴取者、関係者の皆様に、ご心配やご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ございませんでした。社としてのコンプライアンスへの取り組みが不十分であったことを 厳粛に受け止め、今後このようなことが二度と発生しないよう、一丸となって取り組んでまいります。》
https://www.excite.co.jp/news/article/SportsHochi_20210305_OHT1T50067/
「ITmedisビジネスONLiNE」は3月5日 14時28分付で「『社長は不倫してないが、コンプラ上の問題があった』 写真週刊誌の報道を受け、静岡新聞社静岡放送が謝罪」を公開している。
静岡新聞静岡放送の担当者は、ITmedia ビジネスオンラインの取材に対して、「不倫関係はない」と報道を否定した。しかし、報道にあったような両者の行き過ぎたスキンシップについては「コンプライアンス上問題があり、批判を受けても仕方がない」と認めた。大石社長の処分については、現時点で「検討していない」とした。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2103/05/news098.html
しかし、その後、情況は急転直下して、大石は静岡放送の社長を辞任する意向であることを発表する。ホームページに掲げられたは「読者、視聴者、聴取者、関係者の皆様へ」から「静岡放送よりお詫びです」に変更される。
《この度は、写真週刊誌の報道に関しまして、視聴者、県民の皆様、関係者の皆様に、ご心配やご迷惑をおかけして、誠に申し訳ございませんでした。
なお、社長の大石のコメントは次の通りです。
「この度は私の軽率な行動でお騒がせをし、申し訳ございません。報道されたような不適切な関係は一切ありませんでしたが、今後は誤解を与えないような行動をとるように留意してまいります。」
社としてはご批判を厳粛に受け止めております。今後このようなことがないよう一丸となって取り組んでまいります。なお大石は静岡放送の社長を辞任する意向です。》
https://www.at-s.com/sbstv/index.html
朝日新聞デジタルは3月5日付で「静岡放送社長が辞任へ 女性アナウンサーと私的関係報道」(宮川純一)を掲載している。
静岡放送(SBS)は5日、写真週刊誌に女性アナウンサーとの私的な関係を報じられた大石剛社長(51)が辞任する意向であることを明らかにした。取締役は続ける見込みで、兼務する静岡新聞社の社長職については進退を明らかにしていない。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP356GZ8P35UTPB00T.html
芸能ジャーナリストの渡邊裕二は「BLOGOS」に「静岡のメディア王と女子アナのW不倫疑惑 静岡新聞社長続投で問われるコンプライアンス意識」を発表している。
静岡県内には、フジテレビ系列のテレビ静岡日本テレビ系列の静岡第一テレビテレビ朝日系列の静岡朝日テレビがあるが、静岡放送はTBS系列のテレビ局として、県内で最初(1952年)に開局した。
「社の中核は静岡新聞です。県内では60%近くを独占していて、地方紙としては全国でもトップクラスの発行部数(公称では55万部)を誇っています。特に朝刊紙と夕刊紙の部数がほとんど変わらないのが特異とされています。
読売新聞、朝日新聞毎日新聞、さらには中日新聞などが束になっても敵わない、いわば独占的なメディアになっています。さらにテレビとラジオの2媒体まで持った放送局としても君臨しているわけですから、名実共に〝静岡県のメディア王〟と言っても過言ではないのです」(地元商工会関係者)》
大石の次のようなキャリアにも注目しておきたい。
安倍晋三前総理と同じ成蹊大学を卒業後に大手広告代理店の電通に入社、新聞局の配属となり6年勤めた後に静岡新聞・SBS静岡放送に入った。その後は中枢の新聞社編集局長などを歴任し、2009年に静岡新聞社取締役となり、11年に常務、その翌年12年静岡新聞・SBS静岡放送社長に就任した。》
https://blogos.com/article/521211/
毎日新聞は3月6日付で「記者メール 静岡新聞社長の真意は=山田英之/静岡」を掲載し、次のように書いている。
静岡新聞の紙面の質は高く、連載「サクラエビ異変」は複数の賞を受賞している。それだけに大石社長は、発言が事実なのか、事実としたらどういう気持ちで言ったのか、きちんと説明してほしい。
県民の一人として、静岡新聞読者の一人として、SBS視聴者の一人として、真意を知りたい。今年1月に掲載された両社の広告「マスコミをやめる。」宣言で、県民に貢献する決意を示した両社員一人一人のためにも。》
https://mainichi.jp/articles/20210306/ddl/k22/070/173000c
大石剛は静岡新聞自衛隊研修からやり直ししたら良い。

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3)【記事】テレ東は燃えているか?①プロデューサー 佐久間宣行が独立へ

「ORICON NEWS」は3月4日付で「テレ東・佐久間P、3月末の退社予定をラジオ生報告 ディレクター業を続けるために決断」を配信している。
テレビ東京の佐久間宣行プロデューサー(45)が、3日深夜放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン(ANN)0(ZERO)』(毎週水曜 深3:00)に出演。今月いっぱいをもって、テレビ東京を退社する予定であることを報告した。
冒頭から「いやーあれだね、ニュースになっていたね。ガハハ(笑)。びっくりしたよ。サラリーマンが会社をやめるニュースがヤフートップになる?」と率直な思いを吐露。「実際、本当なのっていうのもあると思います。本当です、ガハハ。本当だけど、正直、こんなに早く出るとは思わなかった」と打ち明けた。》
https://www.oricon.co.jp/news/2186050/full/
「お笑いナタリー」は3月1日付で「佐久間宣行プロデューサーがテレ東退社へ、担当番組には引き続き関わる」を発表している。
《佐久間プロデューサーが手がける番組は、現在「ゴッドタン」「あちこちオードリー~春日の店あいてますよ?~」「青春高校3年C組」などが放送中。トンツカタン森本、ヒコロヒーも出演する4月9日(金)スタートの「ドラマ24『生きるとか死ぬとか父親とか』」にもプロデューサーとして携わることが先月2月に発表されたばかりだ。テレビ東京によれば、同局で担当している番組については引き続き関わっていくという。》
https://natalie.mu/owarai/news/418295
日刊スポーツは3月4日付で「佐久間Pが円満退社報告『以後もテレビ東京と契約』」を掲載している。
《退社の経緯については「3年前か4年前から、自分で編集して、カンペを出すディレクターとしては、最年長なんですよ」と現状を明かし「会社とは何回も話し合いしてたの。管理業務もして、おかげさまで少し出世もしてね。そうすると現場にベタ付きはできなくなるよ、みたいな話。他局だと、ディレクターずっとやってる方いるかもしれないけど、テレビ東京ではそうはならなくて、管理職をやらなくてはいけないという話になって。正直まだディレクターやりたいなと思いまして」と、現場希望が理由と説明した。》
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202103040000030.html
日刊ゲンダイDIGITALは3月4日付で「匿名放送作家『Z』 TVのトリセツ テレ東名物プロデューサー独立が象徴 明日なきテレビ業界」を掲載している。
《会社で上司の顔色をうかがったり、リモートになって羽を伸ばしているようなサラリーマンは考えた方がいい。できるヤツは二歩、三歩先を考え、とっくに動き始めている。フリーもそうだが、いまのポジションにしがみつくことしか頭にないサラリーマンに明日はない。》
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/285944
これは佐久間本人のツイート。
https://twitter.com/nobrock/status/1367198616994029570
蛇足ながら紹介しておくと、佐久間は「大奥」(白泉社)のよしながふみの大ファンなのだそうだ。
《──佐久間さんとよしなが作品との出会いはいつ頃だったのでしょうか?
佐久間 1990年代後半、大学生の頃ですね。最初は「月とサンダル」だと思います。マンガ好きの後輩から「これ知ってます?」って教えてもらって。とにかく面白くて、その後「こどもの体温」かな。「ソルフェージュ」「1限めはやる気の民法」も買って。コミケでバイトをしていたので、同人誌も含めてよしなが先生の著作は全部持ってるはずです。「西洋骨董洋菓子店」「愛すべき娘たち」「フラワー・オブ・ライフ」の辺りからはリアルタイムで読んでて。「あのひととここだけのおしゃべり」は素晴らしすぎて3冊買って、2冊は後輩たちにプレゼントしました。》
https://natalie.mu/comic/pp/melody01

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4)【記事】テレ東は燃えているか?②上出遼平が「群像」で叫んだ!

傑作「ハイパーハードボイルドグルメリポート」の上出遼平は3月4日にこんなツイートを投稿している。
《明日、書店に並びます。
僕たちは命を懸けて番組を作るから、偉い人たちも気合入れて向き合ってくれよという手前勝手な抗議の叫びです。
1万2千字使って叫んでいます。
面倒なことばかりだけど、お付き合いいただけたら嬉しいです。
事なかれ主義にはもううんざりなんだよ。》
https://twitter.com/HYPERHARDBOILED/status/1367474925053779969
このツイートの存在を知った私は当然、書店に駆け込み、「群像」4月号を買った。ある、ある。上出遼平が発表した「抗議の叫び」のタイトルは「僕たちテレビは自ら死んでいくのか」だった。上出はテレビマンとしても優秀だが、その章も魅力的である。
《たいした話ではない。たいした話ではないけれど、ただ、言うべきことは言わせてほしい。言いたいことも言えない世の中はポイズンなのだ。今日はここで、告発というにはいささか物足りない、ささやかな抗議をさせてもらう。とはいえこれは、マスメディアのあり方の根幹に関わることだとも思っている。》
簡単に言えば上出遼平はテレビ東京HDの社長にケンカを売っているのだ。上出の企画は、映像を伴わない音声コンテンツをインターネットで配信するというものであった。取り上げたのは暴走族。しかし、人事上の問題も、コンプライアンスの問題もクリアし、いよいよ配信という段階になって、上出の前に立ち塞がったのがテレビ東京HDの社長であった。
《9月末日に僕の所属するテレビ東京制作局とプロジェクトを管轄する関連会社の上層部が社長に意図を説明し、判断を仰ぐとのことだった。》
《予定されていた日を過ぎても音沙汰はなく、暦は無情にも10月となった。明日には話し合いが、来週には話し合いがと繰り返されては反故にされる日々は、アフリカの汚職警察に振り回されるあの感じによく似ていた。》
《しかし、結局この日も話し合いの席は設けられなかった。代わりに得られたのは、次のような秘書室経由のメッセージだ。
「反社会的勢力やそれに準ずる者を取材するのはNG」
「審査部の意見を聞いた上で、何か起こった際の責任は関連会社が取るべし」
腰が抜け、顎が外れた。》
http://gunzo.kodansha.co.jp/58959/59976.html
SNSでも「僕たちテレビは自ら死んでいくのか」は大反響を呼んでいる。まずは、こんなツイートから紹介しよう。
《群像4月号掲載の上出遼平さんの論よかった 「『令和日本不良群像』【暴走族編】」という音声ドキュメンタリーがお蔵入りになったことに対するテレビ東京HD社長への抗議 リスクを恐れ報道の倫理とプライドを無視し始めたメディアの中でこの声を上げたのはハードボイルドな希望》
https://twitter.com/toroni95/status/1367734492996149249
藝春秋digital」の村井弦も私と同じく書店に走ったようだ。こうツイートしている。
《仕事の合間に書店に走り『群像』を購入。テレ東・上出遼平さんの「僕たちテレビは自ら死んでいくのか」を読んだ。全てのメディア人、いや組織で新しいことに挑戦する全ての人が「自分ごと」として読んだ方がいい論考。単なる告発記事ではない。“目先の安心を求める病”に罹っている社会への提言だ。》
https://twitter.com/Murai_Gen/status/1367744975149015040
ジャーナリストの松岡久蔵がツイートしている。
《今日講談社から発売された「群像」に掲載された、テレビ東京上出遼平氏の「僕たちテレビは自ら死んでいくのか」は必読です。上出氏は「ハイパーハードグルメリポート」のプロデューサーですが、素晴らしい報道人であることがこの章を見るとわかります。
https://twitter.com/kyuzo_matsuoka/status/1367832021179895813
フリー記者・成相裕幸のツイート。業界界隈で上出の「抗議の叫び」を聴こうと話題になり、今月の「群像」は売れているようだ。
《くまざわ浅草で群像、店頭にあった最後の1冊購入。初回配本は多くないのは知っているが、発売2日で完売するのをみたのは初めて。早くも話題となっているテレ東・上出遼平氏の論点「僕たちテレビは自ら死んでいくのか」、これはあらゆるメディア関係者が共有すべきファクトと論考。》
https://twitter.com/ainari1984/status/1368059377081409546
NHKのというよりも、「亜由未が教えてくれたこと ”障害を生きる”妹と家族の8800日」の坂川裕野も読んだようだ。
《群像4月号・上出遼平さんの「僕たちテレビは自ら死んでいくのか」読んだ。テレ東とテレビ業界への告発であると同時に、制作者として抱く誇りと希望が胸を打つ超超名。何度も読み返したいし、腐ったり句たれてる場合ではないと改めて思う。》
https://twitter.com/yuya_skgw/status/1367839009582448642
坂川は、こうもツイートしている。
《『令和日本不良群像』第1シリーズ【暴走族】いつか聞ける日が来てほしい。聞きたい。》
https://twitter.com/yuya_skgw/status/1367839567135436806
今回、「群像」を購入し、「僕たちテレビは自ら死んでいくのか」を読んだ者であれば、誰もが思うことだ。私も聞きたい。
ABCテレビ中村光 も共感し、共鳴している。
《『群像』の上出遼平さんの記事「僕たちテレビは自ら死んでいくのか」を読みました。
朝日放送テレビでも同じようなことが起こっています。具体的な事例は違うけど因数分解すれば同じ。
事なかれ主義にはもううんざりなんだよ。》
https://twitter.com/nakamura8hikaru/status/1367699614049079296
水道橋博士のメルマ旬報」で「碇のむきだし」、「週刊ポストで「予告編妄想かわら版」、「PLANETS」で「ユートピア終焉──あだち充と戦後日本社会の青春」を連載している碇本学も読んでる。
《『群像』掲載の上出遼平『僕たちテレビは自ら死んでいくのか』を読む。上テレ東社長に対しての作り手側からの真摯でとても冷静な視線で書かれた抗議の章。メディアに関わる人は身に覚えや、考えることがたくさんある記事だと思います。読み終わったのでイノマーさんの番組をもう一度見ている。》
https://twitter.com/manaview/status/1368100018461179906
タモリ学」「1989年のテレビっ子」「笑福亭鶴瓶論」「全部やれ。」の戸部田誠のツイート。
《『群像』4月号、上出遼平による「僕たちテレビは自ら死んでいくのか」読んだ。悲鳴が聞こえるような切実な章。そして純度の高いどこまでも誠実な決意表明のようにも読める。必読!》
https://twitter.com/u5u/status/1368190385839697920
作家のくどうれいんのツイート。
《既に皆さんが言及していますが群像4月号上出遼平さんの「僕たちテレビは自ら死んでいくのか」ものすごいテキストだった 読むまでは内部告発?とはらはらしたが実際は彼自身の誠実で切実で知性のある提言のように思うし、こういう人がテレビに携わってくれているのは一視聴者としてとても心強い》
https://twitter.com/0inkud0/status/1367819630207660037
TOKION」が「テレビ東京で、プロデューサー兼ディレクターとして働く上出遼平に聞く、『テレビアップデート論』」を前後編で公開している。上出のテレビ論は実はテレビだけの問題ではないのだ。商業出版にも問われている問題なのである。
《テレビ業界は遅れている部分があるし、偏った目線だし、多様な視線が欠けているけれど、「今世界がこういう流れだから、それに乗るべきなのに乗ってなくないですか?」って議論に対しては、「その潮流自体をなぜ正解とするのか?」ということを、一回疑ってみないとダメじゃないのかという意識もあります。社会的潮流が「こっちだ」となったら、そっちじゃないほうに耳を傾けるのも大事なことなので。AかBかだけじゃなく、世界がBで、テレビがAだから、テレビもBに行けじゃなく、Cを探す義務が僕達テレビ番組制作者にはあるような気がしています。》
《そもそも「この時間じゃないと見られない」という意味がわからないし、僕より下の世代はみんなそうだと思う。見たいタイミングで最初から見られたらいいし、スマホで見たいだろうし。アクセスしやすいデバイス・プラットフォームに合わせてコンテンツを供給していけば基本的にはいいと思っています。》
《そもそも「この時間じゃないと見られない」という意味がわからないし、僕より下の世代はみんなそうだと思う。見たいタイミングで最初から見られたらいいし、スマホで見たいだろうし。アクセスしやすいデバイス・プラットフォームに合わせてコンテンツを供給していけば基本的にはいいと思っています。》
https://tokion.jp/2020/11/10/modernizing-tv-part1/
《僕は「わかりやすさ至上主義」と呼んでいます。最近はもうほとんどありませんが、例えば僕が1ディレクターとして誰かの番組のVTRを作って、それを上の人にチェックしてもらうと、まず「わかりにくい」と言われる。判断基準は「おもしろい・おもしろくない」よりも、「わかりやすい・わかりにくい」ということになってしまっている。本当は、おもしろいけどわかりにくいものこそが、新しい価値を作っていくと思っています。「わかりにくいけどおもしろいぞ」っていうモヤっとした混乱みたいなものを解きほぐしていく過程が制作者や受け手の成長になっていくはず。だから、わかりやすさを最上位に置いた瞬間、成長が止まってしまうんです。》
《作り手側の発想で音声コンテンツを作ったんですが、受け手側としてもものすごく新鮮で刺激的で、音声ドキュメンタリーにはものすごく大きな可能性を感じました。テレビの映像って受け取り手としては受け取りやすいんですが、モニターっていう明らかに外界を感じさせる障壁(窓)が用意されているので、その世界にどっぷり入っていくことが難しい。それに比べて音声コンテンツだと、鼓膜に直接外界が入ってくるので、仕組みとしてはその空間にいる感覚に近い体験ができます。》
《作り手側の発想で音声コンテンツを作ったんですが、受け手側としてもものすごく新鮮で刺激的で、音声ドキュメンタリーにはものすごく大きな可能性を感じました。テレビの映像って受け取り手としては受け取りやすいんですが、モニターっていう明らかに外界を感じさせる障壁(窓)が用意されているので、その世界にどっぷり入っていくことが難しい。それに比べて音声コンテンツだと、鼓膜に直接外界が入ってくるので、仕組みとしてはその空間にいる感覚に近い体験ができます。》
《基本的にはやはり一緒に飯を食べたいんです。街宣右翼の方にも取材しています。8月の終戦記念日靖国神社に行って、黒塗りの街宣車で走り回っている人に「すみません!」って声をかけて、一緒に飯を食いに行く。そこで「そんなことを考えて、こんなことしているんだって」ってすごく新鮮な話が聞けました。普段、道ですれ違ったら絶対目を背けるような、そんな人達も、話すとその辺にいる人と変わらないところもたくさんあるし、もちろん違うところも出てきて、取材していてめちゃくちゃおもしろいんです。》
https://tokion.jp/2020/12/10/modernizing-tv-part2/
上出遼平は「僕たちテレビは自ら死んでいくのか」を次のように閉じている。
《外へ出よう。
右の手には矜持の刀、左の手には倫理の槍を。
毅然と立ち向かうべきはご都合主義の「悪」ではない。
越えていくべきは我々を誘惑する目先の利益と、大いなる不安なのである。》
21世紀の田原総一朗が生まれようとしているのかもしれない。

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5)【本日の一行情報】

◎「ぶら下がり」で果敢に首相に質問を畳み込んでいった北海道新聞記者は鈴木誠であった。ただ、3月より防衛省担当に異動となった。
《先月26日の首相への #ぶら下がり 取材では多くの方に激励のお言葉をいただきました。また会社の方にも心温まるお手紙を含め、労いのメッセージをいただきました。これほど記者冥利に尽きることはありません。本当にありがとうございました。》
《私事ではありますが、3月から総理番を卒業して、防衛省を担当することになりました。まだまだ勉強不足ですが、さまざまな側面から防衛政策を掘り下げ、紙面を通じてお伝えをしていきたいと考えています。
今後も皆さんのご支援をいただければ幸いです。どうかよろしくお願いします。》
https://twitter.com/makomakoszk/status/1368110261266128900
https://twitter.com/makomakoszk/status/1368110263061245955

◎「藝春秋digital」村井弦が山田清機の「寿町のひとびと」を超面白いと絶賛している。
《神奈川で育った人なら子供の時に一度は親に「行っちゃダメよ」と言われたであろう横浜・寿町。そこで暮らす人々を描いた作家・山田清機さんの『寿町のひとびと』。超面白いノンフィクション。あまりに良くて、痺れました……。ちなみに山田さんは僕にとって県立多摩高校の大先輩でもあります。》
https://twitter.com/Murai_Gen/status/1368138477947133953
山田は徳間書店の出身である。小川紳介ドキュメンタリー映画どっこい! 人間節 寿・自由労働者の街」も、これまた超面白いことは私が保証する。
http://dig-mov.net/pg100.html

◎山陽堂書店が3月5日にツイートしている。
《本日山陽堂書店は130周年を迎えることができました。
同じ青山の地で、同じ「本屋」をつづけられていることに
感謝しつつ、これからもこの場所で本屋を続けていきたいと願っています。これからもどうぞよろしくお願いします。》
https://twitter.com/sanyodobook/status/1367662895920640002

◎またしても新聞の社説に「週刊春」の名前が踊った。
朝日新聞は3月5日付で社説「総務官僚接待 徹底した調査が必要だ」を掲載している。
《週刊春が、総務省の谷脇康彦・総務審議官らに対し、NTT社長らによる高額の接待が繰り返されていたと報じた。
NTTは政府が3分の1以上の株式を保有し、総務相が監督・命令権限を持つ。毎年度の事業計画を始め、事業について様々な許認可権限がある。総務省にとって国内最大の利害関係者といっていい。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14821857.html?iref=pc_rensai_long_16_article
毎日新聞は3月5日付で社説「NTTも総務官僚接待 根深い癒着構造の解明を」を掲載している。