【文徒】2021年(令和3)1月5日(第9巻1号・通巻1898号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】首相記者会見に協力を惜しまない記者クラブ
2)【記事】「ワセダクロニクル」が新聞業界最大のタブーに調査報道で切り込む
3)【記事】感染爆発しても東京オリンピックは強行開催するのだろうか?
4)【記事】コロナ禍によって格差社会が本格的に到来した
5)【記事】社会現象となった「鬼滅の刃」の進撃はつづく
6)【記事】「三省堂国語辞典編集委員飯間浩明が「紅白歌合戦」を実況生解説
7)【2020年の一行情報】
8)【2021年の一行情報】
9)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】首相記者会見に協力を惜しまない記者クラブ

首相の年頭記者会見。畠山理仁が今回はくじに当たって出席。ただし、質問はできなかった。
菅義偉首相年頭記者会見。くじに当たって参加したが、質問者には指名されず。会見時間は首相冒頭発言13分、質疑応答17分の合計30分。外国プレスにも当たらなかった。せっかく官邸でやるのだから、もっと時間をとってもらいたい。時間内に質問できなかった記者は書で質問を、とのこと。画像は会見前。》
https://twitter.com/hatakezo/status/1345927238445723648
沖縄タイムスの阿部岳の鋭い指摘だ。
菅首相が「国ではなく1都3県が悪い」と主張し、産経新聞の記者が「1都3県が国の要請に応じていれば今の状況は回避できたとお考えか」とアシストする「会見」。》
https://twitter.com/ABETakashiOki/status/1345934031066603521
別に産経新聞だけではあるまい。記者クラブメディアはなべて報道機関として失格だ。小説家・平野啓一郎のツイート。
《首相の余りにも乏しい記者会見の機会に、メディアは絶対に、緊急事態宣言と同時に、補償をどうするのか、検査・保護・隔離へと戦略転換するのか、ワクチンのスケジュールがどうなっているのかを質問し、その場ですべて「具体的に」答えさせるべき。それをせずに逃げさせるなら報道機関の意味はない。》
https://twitter.com/hiranok/status/1345910195726159878
日本共産党によれば、この記者会見は「追加質問はお控え下さい」という案内のもと行われたそうである。
《『追加質問はお控え下さい』という案内のもと行われる年初の首相会見。
そもそも多くの人が感じるであろう疑問や不安に、きちんと答えようという姿勢がないということがわかる。》
https://twitter.com/jcp_cc/status/1345921109238059008
これに記者クラブは異議を申し立てているのだろうか。いずれにしても右から左までガースーに幻滅しているようだ。門田隆将のツイート。
菅首相の会見に失望。ビジネス関係者往来に「相手国で“変異種が確認された場合”は即時に停止する」また「多国間主義を重視する。バイデン次期大統領にできるだけ早くお会いしたい」「中国とロシアとの安定的な関係を」と。真面目にやっている国民を狙い打ちする菅政権。もはや支持率低下は止まるまい。》
https://twitter.com/KadotaRyusho/status/1345925167810105344
朝日新聞社記者・上丸洋一のツイート。
《首相が緊急事態宣言を発出することを検討する考えを表明したと。「緊急」と言いつつ、何をのんびり「検討」するのか。会見の打ち切りばかりは脱兎の如く。》
https://twitter.com/jomaruyan/status/1345922434491318273
上西充子のツイートが鋭い。そう、その通りなんですよ。ここは質問しなくては駄目だろうに。
菅首相会見、冒頭で伊勢神宮への参拝延期を語ったことに違和感があった。首相記者会見の冒頭に語ることか、と。
逢坂議員の質問主意書への答弁書では、「内閣総理大臣が私人としての立場で行う伊勢神宮参拝については、政府として立ち入るべきものではない」とされている。》
https://twitter.com/mu0283/status/1345932536870965249
木村幹のツイートに込められた気持ちは分からないわけではない。
《現政権になって思うのは、安倍さん、あれでも日本の政治家の中では発信力も決断力もあったんだな。一挙にスピード感がなくなった気がする。》
https://twitter.com/kankimura/status/1345539517034295296
早稲田大学人間科学部教授・森岡正博が木村をリツイートしている
《これはたしかにそう思うな。あと安倍氏が独断で学校を休校させたことは結果論としてコロナ拡散を防いだ面がある。ただしマスクとかその他がひどかった。》
https://twitter.com/Sukuitohananika/status/1345738026131996672
拓殖大学学友会は「青年日本の歌」(昭和維新の歌)を掲げているが、二番にはこうある。
《権門上に倣れども 国を憂うる誠なし
財閥富を誇れども 社稷を念う心なし》
https://takushoku-alumni.jp/kasyu/seinennihon
むろん、作詞は五・一五事件に関与した三上卓だ。アクセルとブレーキをともに踏んでしまう首相に「社稷を念う心」はあるのだろうか。それは「傲り」ではないのか。「『差別はいけない』とみんな言うけれど。」(平凡社)で知られる綿野恵太のツイート。笑えます?
播磨屋のおかきトレーラーから武装グループが現れ、首相官邸国会議事堂、テレビ局、新聞社を占拠、緊急事態宣言の大権の発動を求めるものの、天皇は「朕自ら近衛師団を率い、これが鎮圧に当たらん」と激怒し、クーデターに失敗(2021年2月26日)。》
https://twitter.com/edoyaneko800/status/1345660650068951041

2)【記事】「ワセダクロニクル」が新聞業界最大のタブーに調査報道で切り込む

「P記者」が呟く。
《犯罪まがいの手法で契約を迫る新聞販売店…「押し紙」とともに新聞業界のアンタッチャブルに突っ込んだ記事。
正直に言う
情けないし脱力するし申し訳ないにゃ
批判する資格もワイにはないにゃ…》
https://twitter.com/nekowhisperP/status/1343481136626855936
「ワセダクロニクル」が12月28日付で「認知症まで標的に/家族や介護者ら月100件超の相談──高齢者狙う新聞販売(1)」を発表したのだ。
《東京都北区の都営アパートで一人暮らしをする母(84)のもとを、娘(45)が昨年9月に訪れた時のことだ。固定電話の下にある契約書の束を見て驚いた。読売、朝日、産経、毎日の4紙分がある。》
《娘はすぐに各販売店に電話し、解約を申し出た。「もの忘れの症状があるから、自分の判断で契約ができない。解約してくれ」。
産経はすぐに対応してくれたが、読売は「サービスの米の費用を回収しないといけないのでもう1ヶ月とってくれ」、朝日は「解約するならサービスのカタログギフトを返してくれ」と求めた。
毎日は一度断ったのに、今年3月、また母のもとへ勧誘にきた。娘は販売店ではなく毎日新聞本社に電話して伝えた。
「去年も押し売りでやってきた。母はもの忘れがあるのでやめてくれといったのに。新聞をとりたければこちらからいいます」
ようやく、毎日からの勧誘が止まった。》
https://www.wasedachronicle.org/articles/newspaper/np1/
「元新聞販売店経営者」がP記者をリツイートしている。
《自分もこの類の苦情はいっぱい受けました。本当に情け無い。訪問販売から抜け出さない限りこういった事例はなくならいでしょう
不思議なのは自系統の契約書には契約者の生年月日を記入する欄が無かったことですね。年齢が分かれば所長が契約書を見た時点で防げた苦情もあったと思うんですけど。》
https://twitter.com/5ZXYr7qMVBmqeMk/status/1343505656674840577
「元記者の紀谷理馬」が指摘している。
《今の新聞部数と65歳以上人口は大体同じということはこういうことなんですよ。新聞は昔からですが今は特に情弱ビジネスの色が増してますよ。》
https://twitter.com/motokisha/status/1344110530689081344
朝日新聞毎日新聞にはツイッター記者がワンサカ存在しているのだが、この手の記事については何故かシカトを決め込んでしまう。みんなサラリーマンなんだよな。
「ワセダクロニクル」は手を緩めない。12月29日付で「日本新聞協会の抵抗──高齢者狙う新聞販売(2)」を発表している。
《訪問販売で消費生活センターに寄せられる苦情が最も多い業種は、新聞勧誘だ。2010年度から2014年度で5万件超も報告されていた。
消費者庁取引対策課の山田正人課長は、認知症の高齢者が被害に遭うケースが多いことを指摘しこう述べた。
認知症高齢者には、ものすごく訪問販売が、言い方は悪いですけれども、食い物にしているというか、そういうふうな状況が見てとれると思います」》
こうした強引な勧誘について新聞協会の理事・山口寿一 (読売新聞グループ本社代表取締役経営主幹)は、こう言って正当化しているという。
《「新聞の勧誘の現場では、様々な接触のやり方があって、断られたけれども、とっていただくということも現実には多々あるのですね。それは、強引なセールスをしてということではないと思います
「それが必ず強引だという前提に立ってしまうと、一旦断られたら、もう二度ととらないということになるのでしょうけれども、そうではなくて、とっていただくというところまでこぎ着けることも多々あるのが新聞という商品の現実なので、事前の規制というものが強化されるのは、過剰な規制になっていくのではないか。新聞販売所の活力を必要以上に奪うことになるのではないかということを非常に懸念しているところです」》
https://www.wasedachronicle.org/articles/newspaper/np2/
「ぶんや@社内業界記者」が引用ツイートしている。
中の山口理事発言が日本語になってない、というか、あまりにひどい説明で目を疑う…
新聞の意義とやらと、強引な訪問販売への規制は関係ないだろ。》
https://www.wasedachronicle.org/articles/newspaper/np2/
これではガースーや前首相の発言を正面切って批判できないはずである。それにしても新聞は軽減税率を適用されるに本当に相応しい商品なのだろうか。

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3)【記事】感染爆発しても東京オリンピックは強行開催するのだろうか?

毎日新聞は2020年12月26日付で「GoTo、五輪開催は『悪魔の戦略』 命の選別につながる 野口悠紀雄さんが考えるコロナ社会」(吉井理記)を掲載している。野口の発言。
《私はこの国や日本社会が「命の選別」に手を染めることがないよう願っています。「GoTo」にせよ、東京五輪にせよ、本当に生活に困っている人たち、あるいは感染したら命を落とすリスクが高い人たちの声に、もっともっと耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。最近はこのようなことも、なかなか言えなくなっているような気がしてなりません。杞憂ならいいのですが。》
https://mainichi.jp/articles/20201223/k00/00m/040/168000c
朝日新聞デジタルは2020年12月26日付で「6人ですし会食、橋本五輪相釈明」を掲載している。
《この会食については、週刊春が報じていた。橋本氏によると店は貸し切りだった。3人と2人の二つのグループと、時間をずらして会食する予定だったが、橋本氏を含め計6人になった場面があったとした。橋本氏は「今後は感染症対策を講じた上で、不要不急の会合は控えていかなければいけないと思っている」と話した。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14744939.html
産経新聞は2020年12月30日付で「スポーツ入国特例一部停止 コロナ変異種で政府方針 来年1月末まで」を掲載している。
《来年に延期された東京五輪パラリンピックに向けた国際大会や強化合宿に参加する外国の選手、スタッフの入国を認めるスポーツの特例措置に関し、政府が新型コロナウイルスの変異種が確認された一部の国・地域の適用を停止する方針を日本オリンピック委員会(JOC)などに伝えたことが29日、分かった。期間は来年1月末まで。》
https://www.sankei.com/politics/news/201230/plt2012300002-n1.html
清水潔が引用ツイートしている。
《いつまでもダラダラとオリンピック中止を決められず、半年前にまだこの状態。これはもうトップが判断できない無能、無政府状態。この間にも五輪には税金が湯水のごとく投入されている。一方で自助だか何んだか知らないがロクなコロナ対策もできず、「有事に会食だけしている政権」だ。》
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1344068496527781890
民衆のオリンピック熱は冷めてしまっているのかもしれない。「『デモ』とは何か――変貌する直接民主主義」(NHK出版)の政治学者・五野井郁夫のツイート。
菅義偉首相は今すぐにでもオリンピック中止を宣言して、その予算をすべてコロナ対策に投入する決断をしても良いレベルだと思う。そういう局面。そしてコロナが収束した後に仕切り直すと言ったような知恵はないのだろうか。もう十分オリンピック利権関係者は潤っただろうに。強欲は国を滅ぼす。》
https://twitter.com/gonoi/status/1342837343221248000
「マンバ通信」編集長・伊藤ガビンのツイート。
《もうオリンピック関係者のほとんどが「できるわけないじゃん」と思っているよね。そう考えると、ここからの数ヶ月は「できるわけない」と思ってる人たちによる「実現に向けてがんばる」という演技を見ることになるのかなっていうか、そういう目でもう見てしまっている。》
https://twitter.com/gabin/status/1342870606488879104
武田砂鉄のツイート。
《「コロナ禍だけど、五輪できる? できない?」ではなく、「それどころではない」に差し戻す必要がある。つまり、早く中止を決めるべき。
と、ずっと言ってます。》
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1342983128646733824
武田は、こうもツイートしていた。
《人類がまだすぐには打ち勝てないのだから、その証としてオリンピックは中止したほうがいい。》
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1344535296793141251
鈴木耕のツイート。
《もう、野党がきちんと「東京オリンピックの中止を」と打ち出さなければならない時期だと思う。自民党はズルズルと五輪資金をつぎ込むだけなのだから「そのカネをコロナ対策に振り向けよ」と主張すべきでしょう。》
https://twitter.com/kou_1970/status/1343830363311751169
古谷経衡のツイートを最後に置こう。
《「閣下、オリンピック開催は、ちと、厳しいかと…」》
https://twitter.com/aniotahosyu/status/1342833988205875200
野口悠紀雄は 2020年12月31日午後6時53分にツイッターでこう警告していた。
《大晦日も正月もない。一刻も早く必要なのは、感染拡大を食い止めるために #緊急事態宣言 を出すこと。1日でも遅れれば、事態の収拾はそれだけ難しくなる。》
https://twitter.com/yukionoguchi10/status/1344582473267597314
讀賣新聞の1月1日付社説「平和で活力ある社会築きたい」が次のように書いていることに注目したい。遠まわしながらもオリンピック開催は無理だと言っているのではないだろうか。
《遅すぎたとはいえ、菅首相が「Go To トラベル」事業を年末年始の期間、一時停止したことは評価してよかろう。
もしこれを機にコロナが収束に向かい、オリンピック・パラリンピックが無事に開催されるようになれば、日本は世界に対して胸を張れるだろう。
しかし、仮にそうしたベストシナリオが実現したとしても、感染症との戦いがそれで終わるわけではない。ワクチンが普及するには時間がかかるし、いつ感染が再拡大するかわからない。》
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20210101-OYT1T50040/
「2050年のメディア」の下山進もツイートこの箇所に触れている。
《元日の読売社説は、「GOTOトラベル」事業の停止を遅すぎたとし、「経済を救うにはまず人命を救え」とした米シンクタンク分析を紹介、オリンピックについても、開催に懐疑的であることを表明している。健全な現実主義者は、すでに手仕舞を考え始めている。》
https://twitter.com/twnomics/status/1344899065788526592
一方、日刊スポーツは1月1日付で東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会森喜朗をインタビューした「コロナ後、世界中から振り返られるような五輪式典に」を掲載している。森の進軍ラッパが鳴り響く。
《-感染状況次第では最悪、無観客でも開催すべきか
「もう中止はできないから、たとえ無観客という指示が出たとしても工夫してやるべきだ。昨年1年間、無観客のイベントや無出社でテレワークするなど日本は工夫してやってきた。どんな苦難があっても乗り越えられる。明日の箱根駅伝に注目している。無観客で開催するというが、沿道の観衆をどうするのか」》
《-再延期はないか
「できるはずがないじゃないですか」》
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/news/202012310000300.html
ノンフィクション作家・清水潔が呟く。
《日本が戦争に負けたわけだ。
インパール作戦のまんまだ。》
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1344903216232681472
ガースーも年頭所感を発表。憲法改正には触れなかったが、オリンピックに関しては開催を明言した。1月1日付の毎日新聞が掲載した「『命と暮らし守り抜く』菅首相が年頭所感 オリンピック開催明言、憲法は触れず」は、こう書いている。
東京オリンピックパラリンピックについては「今年の夏、世界の団結の象徴となる大会を開催する」と明言。「安全・安心な大会を実現すべく、しっかりと準備を進める」とした。安倍晋三前首相が昨年の年頭所感で直接言及した憲法改正には触れなかった。》
https://mainichi.jp/articles/20201231/k00/00m/010/127000c
もっとも朝日新聞によると、「首相、五輪は『団結の象徴』 年頭所感でも表現抑えめ?」となり、こんなタッチで記事は書かれている。
安倍晋三前首相はオリパラ開催について「人類がコロナウイルスに打ち勝った証し」などと述べてきた。菅首相も昨年9月の国連総会での一般討論演説で同じ表現で開催への決意を語るなどしてきたが、昨年12月ごろから「世界の団結の象徴」との表現も用いるようになり、年頭所感でも「コロナに打ち勝った証し」との言い回しを使わなかった。》
https://digital.asahi.com/articles/ASND072M6ND0UTFK00S.html?iref=com_latestnews_02
小説家・平野啓一郎のツイート。
《野党も、現実的な五輪中止を掲げるべきタイミングではないか。世界の感染状況の分析と、損得の試算、中止の場合、コロナ対策にどれだけ集中できるか、そのお陰で経済がどうなるか。ファナティックな精神論で五輪を強行されたら堪らないし、実は中止前提で、ダラダラ準備名目の金を垂れ流されても困る。》
https://twitter.com/hiranok/status/1345212491735781376
東京五輪が「世界の団結の象徴」であるとするならば、夏までに全世界でワクチン接種を終えていなければならないのではないだろうか。それまでにワクチン接種を終えていない国や地域があるのであれば、少なくともフェアではないのではないか。そう思い至らないのは政権が視野狭窄に陥っているからだろう。東京五輪を「世界格差」の象徴にしてはなるまい。
「#東京五輪の中止を求めます」が立ち上がった。小説家の芦辺拓がツイートしている。
《#東京五輪の中止を求めます
スポンサーだから五輪批判ができないという新聞社は、友邦だから拉致問題を否定した巨大野党がどうなったか、指導者として重要だからとセクハラ・パワハラ被害を握りつぶした市民団体がどうなったか考えてみてはいかがでしょう。》
https://twitter.com/ashibetaku/status/1345525932136665088
「とある記者」のツイート。
《冷静に考えれば開催できないのは明らかなんだけど、中止なれば経済的ダメージが我ら斜陽産業にも回ってくると思う。
#東京五輪の中止を求めます》
https://twitter.com/toarukisha/status/1345615812615262210
元検察官・郷原信郎も投稿している。
《今年は、まず、コロナ感染の国内外の客観状況を考えれば開催できないことは明らかな東京五輪を、少しでも早く中止に追い込むこと。太平洋戦争のガダルカナルインパールのような「東京五輪・国家的敗戦」に向かって暴走を続ける菅政権・組織委を止めることだと思う。
#東京五輪の中止を求めます》
https://twitter.com/nobuogohara/status/1345533171501174784

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4)【記事】コロナ禍によって格差社会が本格的に到来した

産経新聞は2020年12月27日付で「餓死母親の息子『無戸籍で助け求められず』水と塩で…」を掲載している。
大阪府高石市の民家で9月、住人の高齢女性が餓死し、同居の息子も衰弱して入院した。生活費が底をつき、最後は水と塩だけでしのいでいた親子。いずれも戸籍がなく、息子は「無戸籍だったので助けを求められなかった」と語ったという。無戸籍であることに負い目を感じていたのか。近所の住民ら関係者の話からは、境遇や困窮ぶりを周囲に知られないように暮らしていた親子の姿が浮かぶ。》
https://www.sankei.com/west/news/201227/wst2012270007-n1.html
戸籍があろうとなかろうと「助けて」と叫べる社会を政治は目指すべきではないのだろうか。
朝日新聞デジタルは12月29日付で「年末年始の住まいも案内 新宿で『年越し相談村』」(榊原謙、吉田貴司)を掲載している。
《コロナ禍では、飲食や観光など、非正規の女性の働き手の割合が高い業界が打撃を受けている。相談会では、女性が相談しやすいよう、女性の相談員が対応する個室も用意してプライバシーに配慮する。技能実習生ら外国人労働者からの相談に対応するため、オンライン会議システムで通訳とも結ぶという。》
https://digital.asahi.com/articles/ASNDX6FTMNDXULFA022.html
朝日新聞の滝沢卓がこの記事を引用ツイートしている。
《取材に答えてくださった40代男性。新型コロナで建築関係の仕事が休業、その後に退職・退寮を余儀なくされ、ネットカフェで寝泊まりしながら日雇いで働く生活に。「この状態から抜け出すきっかけにしたい」と話しました。》
https://twitter.com/Takizawa_Suguru/status/1343831728721281026
格差は解消されるどころか拡大している、そんな実感を抱かざるを得ない年の瀬であった。朝日新聞の青木美希が連ツイを発表していた。
《大学時代、毎日朝6時からチラシ配りをし、ベネッセ模試の採点をし、和食料理店で夜10時まで働きながら、塾講師、家庭教師、大学教授秘書もし、授業に出ていました。大学時代のバイトは20種に及びます。法学部の教科書はどれも高く、中古を買ったり、大事なところだけコピーしたりしました。》
《友達に誘われた卒業旅行に行きたくて、暗闇の隔離実験の被験体をやったのが一番きつかった。出た後に倒れ、腕は注射跡だらけで1カ月しびれがとれませんでした。その頃は、政治的主張をする人たちを「いいなあ、そんなことを考える余裕があって」「お腹すいた。ふらふらだ」と思った記憶があります。》
《誰もが考え、調べ、声をあげることができる世の中になってほしい。私が生きているあいだに少しはよくなってほしい。
だけど、格差は拡大していくばかりでは…。なぜなのですか…。》
https://twitter.com/aokiaoki1111/status/1343550862472331265
https://twitter.com/aokiaoki1111/status/1343550864087162882
https://twitter.com/aokiaoki1111/status/1343550865882316800
毎日新聞は2021年1月1日付で「水面下で出回る中国ワクチン 富裕層から永田町へ? 狙われる日本市場」(鳴海崇、八田浩輔、北京・河津啓介)を掲載している。
《中国で製造したとされる新型コロナウイルス感染症の未承認のワクチンが日本国内に持ち込まれ、日本を代表する企業の経営者など一部の富裕層が接種を受けていることが明らかになった。2020年11月以降、既に企業トップとその家族ら18人が接種を受けたという。ワクチンは、中国共産党幹部に近いコンサルタントの中国人が持ち込んでいる。個人が自分で使う以外の目的で海外からワクチンを持ち込むのは違法の可能性があるが、中国側がワクチンをテコに影響力拡大を狙っている姿が浮かんだ。》
https://mainichi.jp/articles/20201231/k00/00m/040/137000c
朝日新聞の三浦英之が引用ツイートしている。
毎日新聞の「元日記事」。後味が何とも言えないけど、「今」をえぐる立派な調査報道だと思う。格差が国民の命を左右する。それが「今」という時代なんだと思う》
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1344782265339973633
邪推もしたくなる。会食に出席した政治家は中国通としてしられているのだから。松井計のツイート。
《既に永田町にも出回ってるとすれば、与党政治家があれだけ自分達の会食に無頓着な理由も説明できることになってしまいますね。そうであれば大変なことですが。》
https://twitter.com/matsuikei/status/1344844636628475905
格差に対する怒りは社会のあちこちで露呈しはじめているように思われる。しかし、どの怒りも孤立している。怒りをひとつにまとめあげる「政治」がわが国の議会制民主主義の領域では欠如してしまっているのである。本来であれば、それが「野党」の役割であろう。その結果として政権交代が可能になるのだ。

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5)【記事】社会現象となった「鬼滅の刃」の進撃はつづく

スポーツニッポンは2020年12月27日付で「『鬼滅の刃』大ヒットの要因は…『少年漫画の王道×女性的視点』が融合、ポスト鬼滅は?」を掲載している。
漫画原作者で東京・三軒茶屋の老舗漫画喫茶、ガリレオの上関久美子店長によると、劇中の(1)女性キャラの描き方(2)強さの求め方(3)仲間との関係などに、女性的感性が見られるという。「女性キャラはガチで強く“女だから守られ、男だから守る”という構図がない。主人公は最強を目指すというより、妹を守るのに必要なだけの強さを求めているように見える。自身がリーダーでなくても集団が目的に向かえば良いという姿勢も、従来の主人公像とは違うが時代の空気に合っている」と分析する。
https://www.sponichi.co.jp/society/news/2020/12/27/kiji/20201226s00042000498000c.html
毎日新聞は2020年12月28日付で「映画『鬼滅の刃 無限列車編』が『千と千尋』抜き興収国内トップに」を掲載している。
《公開中のアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入が324億7000万円に達したと28日、配給元の東宝などが発表した。歴代1位だった「千と千尋の神隠し」(316億8000万円)を抜いて、国内興収記録を19年ぶりに更新した。》
https://mainichi.jp/articles/20201228/k00/00m/040/084000c
同紙同日付に掲載した「映画『鬼滅の刃』はなぜ興行収入新記録を樹立したのか ビジネス変える桁外れの力」(勝田友巳、屋代尚則)は書いている
《12月4日、コミックスの最終23巻が発売されると各地の書店で山積みにされた。電子版を含めた累計発行部数は1億2000万部超。出版取り次ぎ大手の日本出版販売によると、漫画をもとにしたノベライズ(小説)本も大ヒット。20年の年間ベストセラーの総合ランキング(19年11月24日~20年11月23日集計)で、1位は「しあわせの花」(吾峠さん原作、矢島綾さん著・集英社)、2位が「片羽の蝶」(同)、4位が「風の道しるべ」(同)と上位を占めた
ダイドーが発売した、キャラクターをあしらった缶コーヒーは約3週間で5000万本が売れ、同社は21年1月期の連結最終(当期)利益予想を上方修正。他にもコラボ商品は続々と作られている。舞台とされる土地を「聖地」として観光資源化を図る自治体も多く、波及効果はとどまるところを知らない。》
https://mainichi.jp/articles/20201228/k00/00m/040/250000c
「BusinessJournal」が2020年12日24日付で「ポスト『鬼滅』?『呪術廻戦』入手困難に…「ジャンプ」大ヒット連発の裏にしたたかな戦略」を公開している。「別の漫画雑誌を編集する集英社関係者」の次のような発言は示唆的である。
《『ジャンプ』編集部では数年前くらいから、大御所の連載陣の終了が相次ぎ、社内では今後の展開が危惧されていました。その背景には高齢化する『ジャンプ』読者層の若返りをはかりたいという思いがあったと聞いています。そのために、まず連載陣の若返りや、世代交代を図らなくてはいけない。すでに多くの固定ファンを持っている大御所作家の作品を切るのは大変勇気がいることだったと思いますが、結果として『鬼滅』の吾峠先生や芥見先生などの若手漫画家にうまくバトンタッチができたということだと思います。
また、『鬼滅』がきれいに最終回を迎えたように、どんな人気作品でも、作者の意志を大事にして無駄な引き伸ばしはしないという編集姿勢も、読者に好意的に受け止められていると思います》
https://biz-journal.jp/2020/12/post_198664.html
2016年に「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の連載を終えたことが転換点であったのかもしれない。「鬼滅の刃の連載が始まるのが2016年11号からであり、「こちら葛飾亀有公園前派出所」の連載を終えたのが2016年42号であった

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6)【記事】「三省堂国語辞典編集委員飯間浩明が「紅白歌合戦」を実況生解説

三省堂国語辞典編集委員にして、「知っておくと役立つ 街の変な日本語」(朝日新書)などの著書を持つ飯間浩明が何とツイッターを駆使して「紅白歌合戦」全曲を「実況中継」してしまったのである。
《2020年も今日で最後になりました。今年もNHK「紅白歌合戦」を見ながら、興味深いことばがないか、リアルタイムで用例を採集しつつ、ツイッターでご紹介したいと思います。よくも悪くも凝り性な私ですが、番組を楽しむことを第一に、あくまでゆるくことば集めをするつもりです。》
《とは言いつつ、事実と異なることをツイートするのが怖いので、最低限の参考用の辞書やデータベースは素早く確認できるように用意して、随時参照しながらつぶやきます。誤りに後で気づくこともあるかもしれません。正誤訂正のツイートにもご注意ください。歌詞の個人的な解釈はお許しください。》
https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1344479554484588546
https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1344479616916811777
これが傑作!ツイートを番組とともに堪能できたことは飯間浩明深謝せねばなるまい。こんな感じのツイートが並んだ。
《1曲目のKing & Prince「I promise」は今月出た新曲とのこと。〈震えてる画面越しの〉というフレーズから、遠くの恋人とSkypeやZoomでコミュニケーションしている様子が浮かびます。コロナ禍とは関係ないのかもしれませんが、しっくり来る歌詞です。ポップスにもコロナが影響して不思議はありません。》
https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1344593510704455680
《Foorin「パプリカ」は子どもの歌のようですが、歌詞が比喩に満ちていて難しい。たとえば、〈夏が来る 影が立つ〉はどういう状況でしょうか。人影が立っているわけではなさそう。この直後に一番星を見つける描写があるので、夕方で長く伸びた影が、塀などに映って立ったように見えたのでしょう。》
https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1344594365210009601
この連ツイで私の酔いは吹っ飛んでいった。何しろ、こんなツイートが並ぶのだ。圧巻と言わずして何と言おう。
山内惠介「恋する街角」の〈惚れたね ほの字だね〉の「ほの字」は「惚れた」ということですが、こういう言い方はけっこう古く、江戸時代からあります。ほかには、たとえば「すの字」で「好き者」を、「との字」で遊郭に「泊まる」ことを表しました。》
https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1344594914508562433
《milet「inside you」。〈ただ広がるspace 青いままのflames〉のように句の最後に英語を交ぜるのは、類音を繰り返して一種の韻を踏むためなのでしょうね。昨年の紅白で言えば、GENERATIONS from EXILE TRIBEの〈君のExperience/志すGreatness〉などがこのパターンです。》
https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1344596045779533824
坂本冬美ブッダのように私は死んだ」は、どういう状況を歌った歌だろうと思いましたが、〈この世から出て行くわ/魂が悟ったよ〉とあるように、歌の主人公は、字どおり亡くなった(殺められた?)模様。「骨までしゃぶる」イカせる」「捨てる」に二重の意味が込められているのでしょう。》
https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1344605704431177728
さだまさし「奇跡」に〈僕は神様でないから 本当の愛は多分知らない〉と、愛を知らないようなことを歌うのは一種の反語法ですね。その直後に〈けれどあなたを想う心なら 神様に負けない〉と、最初に言ったことよりむしろ強いメッセージを投げかける。さだまさしさんのことばの魔術です。》
https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1344608259097858049
五木ひろし「山河」では、故郷の山河に恥じない生き方をしているかと自問する。〈足跡を山に 残したろうか〉〈河に浮かべたろうか〉は、今の若い人なら「残しただろうか」「浮かべただろうか」と「だ」を入れて言うのではないかな。小椋佳さんは、あえて古風なことばを使っているのだろうと思います。》
https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1344613042181423104
こうして全曲を紹介し、次のようなツイートで締める。
《大トリの曲紹介は、大泉洋さんが〈福山雅治さんで、家族になろうよ〉。二階堂ふみさんが〈MISIAさんで、愛のカタチ〉。「誰々で、曲名」という「で」の使い方はわりあい新しいのですが、いつ頃からかを調べるには、過去の紅白の録画の全曲紹介を調べないといけないので、いまだに実現していません。》
https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1344655067400425472
ね、凄いでしょ。時間の余裕があれば全ツイートを閲覧してもらいたい。出版化の凄みの一端に触れられるはずだ。むろん、年が明けて巖谷國士が次のようなツイートを投稿していることも承知している。
《昨夜は紅白歌合戦をすこし見て、男女を戦わす仕掛の無神経さや、コロナ人災への無感覚さばかりでなく、流行したとかいう歌の空疎さ、貧しさ、哀れな「現実ばなれ」ぶりに困惑した。こんな時代だからこそ「歌」をとりもどしたい。》
https://twitter.com/papi188920/status/1345028726338146306

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7)【2020年の一行情報】

讀賣新聞は2020年12月25日付で「『鬼滅』ヒットの恩恵、郊外書店の売り上げが好調…出版物販売金額の減少幅縮小」を掲載している。
《出版科学研究所は25日、2020年の紙の出版物の推定販売金額が1兆2100億円台になり、前年比2%程度の微減にとどまる見込みだと発表した。》
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20201225-OYT1T50208/

◎LINE取締役CSMO(最高戦略・マーケティング責任者)・舛田淳がツイッターで報告している。
《昨日、2020年12月29日をもってLINE社は上場廃止たしました。
2016年7月に異例となる日米同時上場を果たしましたが、あの日のNYSEでの光景や体験は個人的にも強い記憶として残っています。
株主の皆様には、長年にわたり、当社の経営へご理解とご支援いただきましたこと、心より感謝申し上げます。》
《LINE誕生から10年となる来年2021年、
さらなる大きなチャレンジに向けて、Zホールディングスと経営統合いたします!
今後とも"普通には進んでいかない"LINE社ですが、Zホールディングスの仲間たちともに、変わらぬご理解とご支援をどうぞ宜しくお願いいたします》
https://twitter.com/masujun/status/1344229924664614913
https://twitter.com/masujun/status/1344232171624566784

◎犬童 一心!オレと同じじゃねぇか。私もペキンパーが誰よりも好きである。「キラーエリート」だって傑作さ。
《ペキンパーだ。誰より好き。
ペキンパーには会えなかったが、コバーンには、ピリーザキッドのレーザーディスクにサインを貰った。自分からサインをお願いしたのはチャンバラトリオさんとコバーンさんだけだ。戦争のはらわたのラストシーンは意味なく日々見直している。好きな曲を聴くかのように。》
https://twitter.com/inudoisshin/status/1343846290447237120

乙武洋匡ツイッターで祝福していた。
《もう25年ほど前になるのかな。まだ『五体不満足』が出版され