今井照容責任編集【文徒】2019年(平成31)3月5日(第7巻40号・通巻1458号)
Index------------------------------------------------------
1)【記事】評判の書店人、隆祥館・二村知子が「ランク配本」「見計らい本」に物申す
2)【記事】どうなる?!文化庁独走のダウンロード違法化
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2019.3.5 Shuppanjin
1)【記事】評判の書店人、隆祥館・二村知子が「ランク配本」「見計らい本」に物申す
竹熊健太郎がデザイナーのほうとうひろしのツイートにこんな感想を呟いている。
「本が売れなくなった大きな原因がこの硬直化した流通体制にあると分かる。なぜヘイト本が書店に並ぶのかの理由も」
https://twitter.com/kentaro666/status/1102066840283439104
ほうとうひろしのツイートは「BUSINESS INSIDER JAPAN」に隆祥館書店を率いる二村知子が寄稿した「なぜ書店にヘイト本があふれるのか。理不尽な仕組みに声をあげた1人の書店主」からの引用であった。ほうとうは次のようなところをツイッターで紹介している。
「…亡き父はいつも、『書店経営はただ送られてきた本を右から左に売れば良いのではない。本は毒にも薬にもなるんや』と言っていました。…ところが実際は、本当にお薦めしたい作品が手に入らず、これは正直あまり薦めたくない…本が、仕入れ先から届けられるという現状…」
「取次店から『月刊Hanadaセレクション』のバックナンバーが見計い本でいきなり配本されて来たときは驚きました…過去、さすがに2年前のムックが送られてくるということはこれまでなかった…販売実績を少しでも見てくれれば、うちはこの『月刊Hanada』はほとんど売れていない…のになぜ?」
https://twitter.com/HiroshiHootoo/status/1102060809788649472
https://www.businessinsider.jp/post-186111
二村知子は既に「週刊金曜日」2月8日号にも「出版取次店『見計らい本』制度の見直しを」を寄稿し、百田尚樹の「日本国紀」批判で知られている「論壇net」がこの記事を取り上げている。
https://rondan.net/15086?fbclid=IwAR2VGu9leJG8NBJB-UAI3TbF3RHZfYtf6Cunm0tBnOhifsNUkCcfYICNPzE
このところ書店人としてすっかり有名になった二村だが、もともとはシンクロナイズドスイミングの選手としても知られていた。「オシムの言葉」で知られる木村元彦は次のように書いている。
「…『オシムさんと井村先生は似ているんです』と教えてくれたのが、シンクロナイズドスイミングの日本代表として、その黎明期に活躍した二村知子である。環太平洋パンパシフィック大会において連続世界3位に入賞した二村が、井村先生と呼ぶのは、言うまでもなく日本、中国でシンクロの指導者として両国に五輪でメダルをもたらした井村雅代である」
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimurayukihiko/20180619-00086693/
木村は隆祥館書店についても、こう書いている。
「隆祥館は店舗面積がたった13坪しかない。それでいて都市部の大型書店と堂々と渡り合っているのは、ひとえに二村の存在である。
小さな間口から店内に一歩入ると、右手の棚には『今、読まなければ』と思わせられる時代を映す骨太のノンフィクション作品が並び、書籍の目利きであることがいきなり印象付けられる。仕入れだけではない。二村は店を愛好してくれる1000人ほどの読者の顔と名前、そして嗜好をほとんど把握しており、新刊が入る度にどんな多忙でも自らが必ず読み込んで店内であるいは電話で案内するのだ。『〇〇さんは、この本は、ぜったい気に入ると思います』」
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimurayukihiko/20180619-00086693/
なるほど、私にとっては苦手なタイプの書店であるようだ。仮に私は書店から「ぜったい気に入ると思います」などと勧められた本を買うことは絶対にあるまい。書店にとってセールスの基本は棚にどう並べるか、平台にどう置くかにとどまるべきだというのが私の持論である。
いずれにしても隆祥館書店と二村知子の名前を全国区に押し上げたのは8年前から始めた「作家と読者の集い」と題したトークイベントによってであろう。「作家と読者の集い」を始めるきっかけとなったのは百田尚樹の「永遠の0」がベストセラーになったことであった。産経WESTは次のように書いている。百田は「作家と読者の集い」に3回は招かれている。
「『永遠の0』がベストセラーになったころ、お客さんが言った。
『何であんなにくわしく戦争中の話が書けるんやろう? 作者に会って、話を聞いてみたい』
超多忙の百田尚樹氏(現在59歳)を口説き落とし、第1回『作者と読者の集い』を開いたのは2011年10月だった」
https://www.sankei.com/west/news/150615/wst1506150048-n1.html
前述「BUSINESS INSIDER JAPAN」で二村は『ランク配本』について次のように書いている。
「私は4年前に小野雅裕さんの『宇宙を目指して海を渡る』という本に感動し、著者にNASAからお越しいただき、ト-クイベントを企画し本を販売しました。
そして昨年2作目の『宇宙に命はあるのか』を発刊される時に小野さんから逆オファーをいただき、再びト-クイベントをすることになりました。
『宇宙を目指して……』の販売実績は1位アマゾン、2位隆祥館 3位楽天 4位紀伊國屋書店新宿店と、リアル書店では1番でした。にもかかわらず、2作目「宇宙に命を……」がランク配本で入ってきたのはなんと『1冊』でした。イベント用に120冊は事前確保していたのですが、売り切れそうになり、藁をもつかむ思いで出版社の編集担当者の方にお願いしたら、40冊を敏速に手配してくだささり、お客様に届けることができました。
もちろん取次の担当の方の中には、この制度に抗うように小さな書店の依頼に親身になって本の手配に奔走して下さる社員の方がいらっしゃいます。悪いのはこの制度なのです」
また、「見計らい本」について次のように書いている。
「これは出版流通業界の慣行なのですが、書籍の問屋にあたる取次店が、書店が注文していない本を勝手に見計らって送ってくるシステムです。かつて出版業界がビジネスとして好調だった頃は、書店は自分で本を選ばなくても良いのでこのシステムを評価する人もいました。
しかし、一方的に送られてくる本の中には、隆祥館としては売りたくない差別を扇動するヘイト本やお客様から見てニーズの低い5年も前に出た本などが多く含まれています。そういう本も送られて来た以上、書店は即代金を請求され、入金をしないといけないのです」
https://www.businessinsider.jp/post-186111
2018年末で経済産業省を退職したという石塚康志のツイート。
「日本の取次でこのようなバカげた配本が続く限り、日本の取次はアマゾンによって滅ぼされるのは必定でしょう。個性のある町のリアル書店のニーズと、出版社をマッチングメカニズムでつなぐベンチャーでも始めようかな???」
https://twitter.com/yasushiishizuka/status/1102037644781998080
一方で、こんなツイートも発見した。
「委託配本に頼っているからだろ。リスクとって仕入れないで良い本を仕入れたいというのは他の業種から見たら甘えと見られてもしょうがない」
https://twitter.com/mmasuda/status/1102032828047323136
------------------------------------------------------
2)【記事】どうなる?!文化庁独走のダウンロード違法化
「弁護士ドットコムNEWS」が「DL違法化『文化庁は与党に正確な情報を提供していない』知財法専門家が批判レポート」を公開している。
「ダウンロード違法化の対象範囲を拡大する著作権法改正案をめぐり、文化庁が自民党の部会で配布した資料について、明治大学・知的財産法政策研究所のワーキンググループが3月3日、『国民の声は正確に与党議員に届けられているのか、疑義がある』として批判する検証レポートを発表した」
https://www.bengo4.com/internet/n_9322/
朝日新聞デジタルも3月4日付「『賛成意見を水増し』DL違法化、専門家が文化庁を批判」でこう書いている。
「慎重な意見については、8人の委員の連名で慎重な検討を求める意見があったことも付記されてはいたものの、分科会の議事録と照らし合わせると、法改正に『積極的な意見』のうち【学者】の発言とされた四つが、1人の2回にわたる発言を論旨ごとに四つに分割したものだったという」
https://www.asahi.com/articles/ASM3351BKM33UCVL007.html
ならば検証レポートを早速、読んでみよう。次のような点は議論をするに際して、しっかりと押さえておきたいところだ。
「文化庁は 『違法な情報源から積極的に便益を享受しようとするユーザーの行為に正当性はない』『インターネットユーザーの自由が重要なものであっても許容できるものではない』と説明している。
しかし、この考え方は誤りであり、非常に大きな問題がある。
著作権法に抵触している情報源を含むあらゆる情報源からの情報収集の自由を積極的に認めることこそが、我が国の創作活動やインターネット文化を豊かにし、コンテンツ産業の基盤となって、我が国の国際的な競争力の形成において重要な役割を果たしている」
「文化庁は、海賊版(商業的な目的で提供されている作品を丸ごと複製したもの)以外にも、例えば、作品の一部分のダウンロードも規制の対象としている。
しかし、『作品の一部』がアップロードされているケースとしては、漫画の一コマ、書籍のうちごく短い数行の文章、アマチュアが非商業目的で書いたブログ記事の一部分を転載したものなど、著作権者に及ぼす不利益が小さなものが多く含まれている。国民の情報収集の自由の保護の重要性に鑑みれば、このようなダウンロードまで規制する『正当性』はないと言うべきである」
「文化庁はドイツやフランスを含む外国法の運用状況調査を行わないまま、これらの国を踏まえることがことさら強調されており、文化審議会での議論が無視されている。文化庁案と異なる制度を採用する国(アメリカ、韓国、台湾、シンガポール、イギリス、オーストラリア等)はなぜ参考にしないのか、理由が不明である」
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190303kensyou1.pdf
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190303kensyou2.pdf
衆議院議員の古川康が自らのブログに「週刊yasushi 808号『著作権法改正案について与党議員の1人として考える』」をエントリしている。
「今回の案の取りまとめについては文化審議会著作権分科会における議論を元に行われた。その様子を関係者からヒアリングすると、著作権分科会法制・基本問題小委員会でかなりの反対があったにもかかわらず、主査が『委員の意見をもう一度聞く機会を作るのでそれを踏まえてまとめる』旨発言されたため、それではまた意見を聞き、議論する機会があるのだと思っていたという。ところが、ある日の午前2時くらいに文化庁からメールが来て、『意見があれば翌日の夕方までに出すように』といわれたとのこと。
これが事実だとしたらそれで専門家の意見を踏まえて文化庁の原案が出来上がっている、ということにはならないのではないか?
また、この分科会での議論に参加した専門家の意見が、正しく報告書に反映されていないとの指摘もある。すなわち文化庁の考え方に対してもっと規制を制限すべきだと発言した委員の発言部分が省略されていたり、またはまとめに採用されていないということだ」
http://www.power-full.com/n201903.html
文化庁は自民党をさしおいて法改正に前のめりであることがわかる。楠正憲が呟いている。
「文化庁による与党軽視、限られた日程で騙してでも法案を通してしまえばいいという姿勢は許されないのでは?」
https://twitter.com/masanork/status/1102195152066506752
楠は、こうもツイートしている。
「漫画村を常習的に見てる輩に刑事罰を科すことに異論はないが文化庁に任せるとGoogleやTitter、Pixiv、ニコニコ動画もおちおち見られずNetflixやKindleしか安心して使えない時代が来てしまいかねない。理念だけでなく法文レベルで専門家を入れて検討しないとまずいんしゃないかな」
https://twitter.com/masanork/status/1102200797608067073
水野祐は、こう危惧している。
「ダウンロード違法化拡大に関するヒアリングは3/6(水)8時に自民党にて開催とのこと。CODA、出版社、漫画家協会、有識者などを対象にしているようです。ただ、対象者は文化庁案に賛成している関係者が多く、ヒアリングした外形だけが整えられることが懸念されます。あと漫画関係者だけで本当にいいの?」
https://twitter.com/TasukuMizuno/status/1102352409714552833
漫画関係者だけではダメな理由も水野はツイッターで指摘している。耳を傾けたい。
「著作権法はクリエイターの業界法から『お茶の間』法に変化していると言われて久しい。影響が限定的な支分権や制限規定ではなく、今回のダウンロード違法化拡大のような広い範囲に影響がある法改正は、海賊版対策だからといって漫画業界だけから意見を聞けば良いという話ではない」
「あとMANGA議連の声で漫画家らにヒアリングをという話になったが、ダウンロード違法化拡大はすでに言われているとおり漫画だけでなく、その他分野のクリエイター、ビジネスパーソン、一般人という広い範囲に影響がある。漫画家からヒアリングすればよい、という今の流れは適正手続として疑問だ」
「文化庁は自分たちに考えの近い漫画家や団体のみからヒアリングすることで済ませようとしているようだ。そんな『お手盛り』は許されない」
https://twitter.com/TasukuMizuno/status/1101777610592251904
https://twitter.com/TasukuMizuno/status/1101774307313631233
https://twitter.com/TasukuMizuno/status/1101772622482661376
さて、文化庁はどのように修正するつもりなのだろうか。「この法案をこの通常国会で成立させることについては総務会で了承を得られている」のである。産業技術総合研究所情報セキュリティ研究センター主任研究員の高木浩光の次のようなツイートは示唆的である。
「部会では欠陥があるのでは?との指摘が出たのに、発注担当者は欠陥ではないようだと突っぱねたのね。それが役員会議にかけられたとき、おかしいぞちゃんと確認しろと差し戻されたわけ。業者は欠陥ではありませんと子飼いの関係者を呼んで言わせる予定」
「製品の欠陥を発注者が見抜くのはそもそも難しいこと。普通は業者を信用している。しかし業者が誤魔化してきた時どうするのか…という話。第三者検査(ヒアリング)するにしても、検査先をそういう業者が選定するようではどうなるかは目に見えてるよね…という話」
https://twitter.com/HiromitsuTakagi/status/1102371656725520384
https://twitter.com/HiromitsuTakagi/status/1102381801513791488
大塚英志事務所がこんなツイートを投稿している。
「選挙が近いわけです。オタク周辺は安倍が選挙の時アキバで必ず演説する程度に『票』と見なされている。半端な新宗教よりは票として大きい。これでまんが界を海賊版から守り二次創作にも理解がある自民党に投票しよう、なんてまんが関係者やファンが思わないようにね」
https://twitter.com/MiraiMangaLabo/status/1102389990460289024
ちなみに漫画議員連盟会長は古屋圭司衆議院議員。成蹊大学OBである。大塚英志事務所はこんな未来も予言している。
「二次創作の自由を→認めない→じゃあ合法的で簡単な許可をする仕組みを作るのはどうだろう→それはいい→まんがアニメ版JASRACが二次創作管理→利権発生→この界隈が理事に。メディア代表で新聞社0Bも→ポストまだありますね→文化庁の天下り先ゲットという流れ。クールだなあ」
「この国のすべての政策は中央から地方まで官僚の天下り先の確保が落とし所としてセットになっているという当たり前のことを踏まえての可能性です。大学だって文科省の認可助成の情報入手や役人にしか分からん事務の段取りの対処のため文科省出身者が結構天下っていて新興産業周辺は新たな天下り開拓先」
https://twitter.com/MiraiMangaLabo/status/1101491273519661056
https://twitter.com/MiraiMangaLabo/status/1102383393545674753
------------------------------------------------------
3)【本日の一行情報】
◎メディア芸術祭賞の大賞が発表された。
エンターテインメント部門の大賞はNHKのテレビ番組「チコちゃんに叱られる!」。この番組の制作プロダクションはフジテレビを親会社とする共同テレビジョンである。当初、共同テレビジョンは当然のことながらフジテレビに企画を提出したが、フジが断ったためNHKに持ちかけたそうだ。フジテレビの駄目さ加減がこんなところにも顔を出している。
アート部門は古舘健の「Pulses/Grains/Phase/Moire(eはアクサン記号付き)」が大賞。アニメーション部門の大賞は短編「La Chute」(仏 ボリ・ラベ)。マンガ部門の大賞は「ORIGIN」(韓国 ボウイチ)が大賞。「ヤングマガジン」(講談社)の連載である。
なおマンガ部門の優秀賞に選ばれた原作:宮川サトシ、作画:伊藤亰による「宇宙戦艦ティラミス」は新潮社が運営する漫画配信サイト「くらげバンチ」の作品。同じくコナリミサトの「凪のお暇」は秋田書店の「Eleganceイブ」に連載されている作品。同じく紗久楽さわの「百と卍」はpixivコミックに連載され、単行本は祥伝社のon BLUEコミックスから刊行されている。
http://festival.j-mediaarts.jp/award/art
http://festival.j-mediaarts.jp/award/entertainment/
http://festival.j-mediaarts.jp/award/animation/
http://festival.j-mediaarts.jp/award/manga/
デジタルボーンのマンガの存在感が強まりつつあるようだ。新人賞の黄島点心の「黄色い円盤」もそうだし、鶴谷香央理の「メタモルフォーゼの縁側」もそうだ。花伝社から刊行されたマドモワゼル・カロリーヌ/原作:ジュリー・ダシェ/訳:原 正人「見えない違い──私はアスペルガー」も新人賞を受賞している。
http://festival.j-mediaarts.jp/works/manga/kiiroi-enban-yellow-disk/
http://festival.j-mediaarts.jp/works/manga/metamorphose-no-engawa-metamorphosis-at-the-veranda/
http://festival.j-mediaarts.jp/works/manga/the-invisible-difference/
◎ヤマハ発動機は、京王電鉄と、講談社協力のもと、バイクとサウナと「終電ちゃん」のコラボ漫画を、サウナの日である3月7日から、「ととのったMAGAZINE」(https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/lmw/sauna/)で配信する。
サウナの日である3月7日には、コラボ漫画の配信を記念し、「終電ちゃん」の著者である藤本正二のトーク&サイン会と井の頭線下北沢駅徒歩3分の高架下イベントスペース下北沢ケージにて開催中の「CORONA WINTER SAUNA SHIMOKITAZAWA」でのサウナ体験がセットになったイベントを実施する。
https://news.yamaha-motor.co.jp/2019/017431.html#_ga=2.111279747.689516894.1551499842-1311930025.1551499842
◎「大家さんと僕」(新潮社)で手塚治虫文化賞を受賞した矢部太郎の父親は絵本・紙芝居作家のやべみつのりである。
https://dot.asahi.com/aera/2019022100028.html?page=1
◎博報堂DYメディアパートナーズとシグマクシス、ユナイテッドアローズは、試着シェアアプリ「fitom」(フィットム、URL:https://www.fitom.jp/)を提供する合弁事業を開始した。
https://www.hakuhodody-media.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/02/HDYMP20190301_1.pdf
◎小学館は、90年以上の歴史をもつ児童学習誌「小学一年生」ブランドの新たなデジタル動画メディアとして、「ピカいち CHANNEL」をYouTubeで3月1日に開設した。チョコレイトと組んでいる。チョコレイトは映像を軸として番組、アニメ、映画から、漫画、ゲーム、雑貨、空間、VRなど、あらゆるエンターテイメントを越境して作り出していく「コンテンツスタジオ」だそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000236.000013640.html
◎日本文芸社の「週刊漫画ゴラク」の「江戸前の旬」が連載1000回に到達した。1999年に連載がスタートし、単行本は97巻まで刊行されている。
https://natalie.mu/comic/news/321980
◎「BUSINESS INSIDER JAPAN」の「『1分で話せ』仕掛け人・ベストセラー連発編集者に聞く『読者の“色濃い本音”の読み解き方』」はSBクリエイティブの多根由希絵にインタビューをしている。多根は2018年末に発表された、ビジネス書年間ベストセラーランキング(日本出版販売)のトップ5のうち1位の「大人の語彙力ノート」(齋藤孝)、2位の「10年後の仕事図鑑」(落合陽一、堀江貴文)、5位の「1分で話せ」(伊藤羊一)という3冊を手がけている。多根は日本実業出版社の出身である。
「個人的には、20万部超のヒットになる本はテーマありき、つまり、ニーズを掘って企画を立てたパターンが多い気がします」
「大雑把にとらえると、『著者』×『テーマ』×『見せ方』、あるいは『時代性』。そういう掛け算で本の売れ方がある程度見込める部分はあるように思いますので、『名前だけで売れる』方でなくてもヒットする可能性は十分にあると思っています」
https://www.businessinsider.jp/post-186156
◎ニールセン・デジタルが発表した2019年の1月の日本における無料/有料動画アプリの利用状況によれば、無料動画の利用者は昨年同月から14%増え4,509万人、有料動画は25%増え836万人。有料動画アプリの利用者推移を年代別で比較すると、18-34歳の増加率が最も高く昨年から35%、その次に50歳以上が28%、35-40歳では12%伸びている。有料動画サービスの中で利用者数が多かったのは「Amazon Prime Video」(509万人)と「Netflix」(171万人)だった。
https://www.netratings.co.jp/news_release/2019/02/Newsrelease20190227.html
◎ハースト婦人画報社が、カタログギフト大手のリンベルと共同運営する通信販売事業「婦人画報のお取り寄せ」は、第2回「婦人画報のお取り寄せアワード」を開催し、木の実をふんだんに使用した箱根SAGAMIYAの「ナッツヴェセル ハイクラス」を「婦人画報のお取り寄せアワード2019」大賞に選んだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000096.000008128.html
◎大日本印刷とKaizen Platformは2月20日、資本業務提携契約を締結した。両社は、ITにより新しい価値を創出するデジタルトランスフォーメーションの支援を目的に、動画を活用したマーケティングの強化やスマートフォンなどのモバイルサイトでの体験価値の向上など、共同の取り組みを進める。
https://www.dnp.co.jp/news/detail/1191059_1587.html
◎大日本印刷は、シンガポールを拠点とするブロックチェーン関連のスタートアップBlockPunk社とパートナーシップ契約を締結した。BlockPunk社は、ブロックチェーン技術を活用し、アニメを中心としたデジタルアート作品を仮想通貨Ethereum(ETH)等で販売する「blockpunk.net」を運営している。
https://www.dnp.co.jp/news/detail/1190992_1587.html
◎小川町駅から徒歩1分の場所にマンガ約5,000冊を揃えるカプセルホテルがオープンした。
http://www.manga-news.jp/news/body/2699
https://mangaarthotel.com/
◎マガジンハウスの「BRUTUS」3月1日発売 888号(マガジンハウス)の特集は「WE LOVE 平成アニメ」。「最新アニメ副読本」のトップを飾るのは「Fate」シリーズ。スタイリストが考案したギルガメッシュ、エルキドゥの私服イラストが描き下ろされ、ビギナー向けの用語集や、「Fate/Grand Order」の魅力を語る座談会なども掲載している。
https://mantan-web.jp/article/20190301dog00m200004000c.html
「BRUTUS」は雑誌らしい雑誌である。あっ!まだ雑誌が生きているんだなと再認識させられる。雑誌は雑誌で良いんだよね。オレの言っている意味、分かる?
◎マガジンハウスの「現代演劇大全」は大衆演劇も取り上げているの!ステキじゃないか。亡くなった沖浦和光は大坂の大衆演劇の大ファンであった。新世界にある大衆演劇の小屋である「浪速クラブ」などに足を運んでいた。
https://ananweb.jp/news/219321/
◎スタンダードブックストア心斎橋が4月に閉店する。
「突然ではございますが、2006年11月22日にオープン以来12年余りお引き立ていただきましたスタンダードブックストア心斎橋を、ビルとの契約満了により2019年4月10日頃をもちまして、閉店することとなりました」
次のようにも書いている。
「そして、まだほとんど何も決まっていませんが新しいお店を創ろうと思っています。
心斎橋で10数年チャレンジ、そして実験を繰り返してきました。正直まだまだ納得いかない部分も多いです。しかしながらやりたいことがかなり明確になってきましたので、これまでとは違う新しいスタンダードブックストアにチャレンジします。
本屋に立飲みをくっつけたいなあなんて。そしてギャラリーも」
http://www.standardbookstore.com/archives/66305727.html
◎イーブックイニシアティブジャパンは、ヤフーと協力して新しい「ebookjapan」を運営し、Yahoo!ブックストアと従来の「eBookJapan」のサービスを一本化する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000721.000001485.html
◎新井見枝香が双葉社が運営する「日刊大衆」で次のように書いている。
「本能的に、人間は大切なものを守ろうとする生き物だろう。お金は箪笥の底に、日記は鍵をかけた引き出しに、芸能人は本当に行きつけのバーなんて絶対にテレビで紹介しないし、書店員は本当に大切な本に「5回泣ける」なんてアホなPOPは付けない。
読んでおもしろかった本を紹介する企画だったが、そもそも私は『本好きとつながりたい』と思ったことはなく、勧めたい本があっても、相手は不特定多数ではない。この両手で抱えられる人数くらいにしか興味を持てないし、誰が何を読んでどう思ったかなど、どうでもいいのだった。
だが、誰が何を日々食べているかには本能的に興味がある」
https://taishu.jp/articles/-/63685?page=1
この文章で私は新井を見直すことに決めた。
◎2018年12月26日付文徒でも紹介した「マイ・ブックショップ」が3月9日より公開される。シネスイッチ銀座に走るべし。
https://www.sankei.com/premium/news/190302/prm1903020005-n1.html
https://teru0702.hatenablog.com/entry/2019/01/28/070958
実家が書店であった作家の林真理子が「本当にいい映画。本への愛おしさがこんなに込められた映画ってない」と絶賛している。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw4918432
◎「別冊少年マガジン」(講談社)に連載されている「荒ぶる季節の乙女どもよ。」がTVアニメ化され、7月より放送開始。
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1551417051
◎「PRESIDENT Online」がニューズフロント代表取締役の小久保重信による「『GAFA』でさらに化けるのはアマゾン」を掲載している。
「結論からいえば、今後『GAFA』で覇権を握るのは同社ではないかと私は考える。その理由は一番何にでも『化けうる』業態だからだ」
https://president.jp/articles/-/27041
「ニューズウィーク日本版」の特集「徹底解剖 アマゾンエフェクト」も評判が良かった。花田紀凱をして「今週も『ニューズウィーク日本版』(3・5)の独走状態だ」と言わしめている。これは花田も引用している箇所だ。
「今のベゾスは石油王ジョン・ロックフェラーと発明王トマス・エジソン、新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストの3人を束ねたような実業界の大立者」
https://www.sankei.com/life/news/190301/lif1903010057-n1.html
◎絵本ナビは、「絵本ナビプレミアムサービス」と、NTTドコモの運営する「スゴ得コンテンツ」で提供している「絵本ナビプレミアム forスゴ得」上で、NHK Eテレで放送中の「てれび絵本」のうち12作品23話の配信を開始した。
配信作品一覧(50音順)
「あらしのよるに」全5話(出版社:講談社/作:きむら ゆういち/絵:あべ 弘士)
「いいからいいから」前編・後編(出版社:絵本館/作・絵:長谷川 義史)
「キャベツくん」(出版社:文研出版/作・絵:長 新太)
「こんとあき」前編・後編(出版社:福音館書店/作・絵:林 明子)
「でんしゃにのって」(出版社:アリス館/作・絵:とよた かずひこ)
「パパのしごとはわるものです」(出版社:岩崎書店/作:板橋 雅弘/絵:吉田 尚令)
「ぼくおかあさんのこと」(出版社:文溪堂/作・絵:酒井 駒子)
「ぼくのくれよん」(出版社:講談社/作・絵:長 新太)
「まいごのどんぐり」前編・後編(出版社:童心社/作・絵:松成 真理子)
「モチモチの木」前編・後編(出版社:岩崎書店/作:斎藤 隆介/絵:滝平 二郎)
「ももたろう」前編・後編(出版社:福音館書店/作:松居 直/絵:赤羽 末吉)
「ルリユールおじさん」全3話(出版社:講談社/作・絵:いせひでこ)
https://corp.ehonnavi.net/wp-content/uploads/2019/03/00689a55c9a7b452108f5ba5c180a00f.pdf
◎「ORICON NEWS」が「NGT48や『SPA!』騒動の共通点、SNS全盛のいま問題提起する“署名サイト”の意義とは?」を掲載している。“署名サイト”とは「Change.org」(チェンジ・ドット・オーグ)のことである。
https://www.oricon.co.jp/special/52603/
◎「日刊ゲンダイDIGITAL」が掲載した「ユーザー数1000万人 ブログでもSNSでもないnoteの稼ぎ方」でライターの尾越まり恵が次のように指摘している。
「ツイッターでは字数が限られるし、フェイスブックは実名。mixiブームが終わってから、匿名で作品を発表できるメディアが個人のブログくらいになってしまっていた。noteは匿名でボリュームのある作品も投稿できるのが、ちょうどよかったのではないでしょうか」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/248556
◎東京新聞3月2日付夕刊「成人雑誌撤去 ミニストップ社長に聞く 売り上げ影響『ほとんどない』」で、ミニストップ藤本明裕社長は次のように語っている。
「店舗によってばらつきがあるものの、売り上げ全体に占める成人雑誌の割合はわずか。そもそも雑誌全体の売り上げの減少傾向が続いており、店舗での陳列数も減っている。売り上げへの影響は、ほぼないというか(額が少なくて)分からない状態だ」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/CK2019030202000283.html
最近、コンビニで立ち読みをしている若者を見かけなくなった…。
◎「nicola」4月号(新潮社)の付録はマンガ冊子「コミックニコラ」である。
https://natalie.mu/comic/news/321968
------------------------------------------------------
4)【深夜の誌人語録】
力になるのは信念よりも意地である。