【文徒】2019年(令和元)11月11日(第7巻203号・通巻1623号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】君は石川優実を見たか!オレは見た!サインも貰った!写真も撮った!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2019.11.11 Shuppanjin

1)【記事】君は石川優実を見たか!オレは見た!サインも貰った!写真も撮った!

9月27日のことである。上野千鶴子が「あいちトリエンナーレに国の補助金不交付決定について、ツイッターにこんな投稿をしている。
《あいちトリエンナーレへの国の補助金不交付決定。めちゃくちゃだ。責められるべきは不当な脅迫をした者たちなのに。これでは日本は世界に冠たる「表現の不自由」国になってしまう。》
https://twitter.com/ueno_wan/status/1177577358510841857
このツイートに有本香が素早く反応した。
《なるわけないでしょう。女性がハイヒールを履く自由まで抑圧しようというあなたが「表現の自由」を語るとは笑止千万。思惑通り補助金にありつけなかっただけのことを、「表現の不自由」にすり替えるだなんて。それこそめちゃくちゃなこと言うんじゃありませんよ。》
https://twitter.com/arimoto_kaori/status/1177763416229859330
こんな有本に是非読んでもらいたい本が刊行された。石川優実の「#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム」(現代書館)はがそうだ。石川が求めているのは「ハイヒールを履かせられている不自由」からの解放に他ならない。タイトルは靴と、苦痛と、#MeToo三重奏を織りなしているのだ。石川の展開している職場でのパンプス義務付け反対運動こそ「#KuToo」なのである。次のように石川がツイッターで呟いたのは、今年の1月24日のことである。
《私はいつか女性が仕事でヒールやパンプスを履かなきゃいけないという風習をなくしたいと思ってるの。
専門の時ホテルに泊まり込みで1ヶ月バイトしたのだけどパンプスで足がもうダメで、専門もやめた。なんで足怪我しながら仕事しなきゃいけないんだろう、男の人はぺたんこぐつなのに。》
https://twitter.com/ishikawa_yumi/status/1088410213105917952
このツイートは、こう続く。
《今のバイトも大好きだけどパンプスはほんときつい。これがなければどれだけ動きやすいか、足音気にしなくていいか、足痛くならなくて済むか。いつかこの風習なくすんだ。履きたい人はもちろん履いてください。》
石川優実の「本気のフェミニズム」は、ここから始まった。「#KuToo」の一丁目一番地なのである。
https://twitter.com/ishikawa_yumi/status/1088410215878283264
石川優実は英BBC「100人の女性」に選出される。それでも、クソリプが「#KuToo」に向けて襲いかかっている。「#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム」は石川のツイッターにおける140字の戦いを「クソリプ」もそのまま晒しながら収録している。「本気のフェミニズム」とは「怒りのフェミニズムであることがよくわかった。誤解を恐れずに言えばマルクスエンゲルスが「共産党宣言」を出さざるを得なかったように石川優実も「#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム」を出さざるを得なかったのである。
《私たちはとにかく怒らせてもらえなかった。怒ると「ヒステリー」「モテないよ」「そんな言い方じゃ話聞かなないよ」という言葉で抑え込まれる。
喜怒哀楽の中の「怒」だけ、どこかに置いてけぼりにされていたように感じる。》
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-5868-6.htm
現代書館からは「シモーヌ」(Les Simones)も創刊された。「雑誌感覚で読めるフェミニズム入門ブック」と謳っている小さな(=薄い)雑誌である。しかし、その「志」の大きさはファッション一辺倒の大手出版社の女性誌遥かに凌駕しているのではいだろうか。既存の女性誌にフラットシューズを特集する度胸くらいあっても良いと思うのだけれど…。
シモーヌ」というタイトルは「第二の性」のシモーヌ・ド・ボーヴォワールに由来する。今年は「第二の性」が発行されて70年という節目にあたる。「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」という言葉はあまりにも有名である。
この「シモーヌ」の巻頭グラビアを飾っているのがパンプス、ヒールの苦痛を葬送する石川優実なのである。石川は生まれなおすべくインベカヲリのカメラを前にヌードを披歴している。石川優実は、断固として言い切る。
《ムキムキの男性が筋肉を売りに仕事をしても「男を売りにしているのだから男性差別を語るな」と言われないのならば、私だって自分のこの身体を活かして仕事をしたっていいはずだ。フェミニストが脱いで何が悪い。私か脱いだからって、誰も私の「人としての権利」を奪うことはできない。》
シモーヌ」には掲載されなかったカットをツイッターで公開している。ツイッターではセミヌードだが、「シモーヌではフルヌードだ。
https://twitter.com/ishikawa_yumi/status/1192677629020667905
11月7日に東京堂で開かれたトークイベントで明らかにされたことだが、「シモーヌ」の巻頭企画が先行し、そこから「#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム」が生まれたそうである。私もトークイベントに出席、何と石川優実と記念撮影までしてしまった。それが、コレ。
https://www.facebook.com/terumasa.imai/posts/2538791399508164
これは石川のツイート。そう石川はネクタイ姿で私たちの前に現れたのである。
《初めての出版イベントでした。夢が叶ったのです、協力してくれた皆様のおかげです。本当にありがとうございます。男の人がネクタイも辛いと言うので気持ちを知らないと、と思いネクタイしました。》
https://twitter.com/ishikawa_yumi/status/1192452720193605632
シモーヌ」創刊号の特集はむろんボーヴォワール。直球勝負がすがすがしいではないか。斎藤美奈子東京新聞の「本音のコラム」で書いていたように刺激的な論考が並んでいる。
連載の「書店からはじまるフェミニズム」で今野書店の水越麻由子ロクサーヌ・ゲイの「バッド・フェミニスト」(亜紀書房があったから「私は自分をフェミニストだと、小さな声でも宣言することができます」と書いている。
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-9101-0.htm
書院営業部のツイートだ。
《すてきなフェミニズム入門ブック『シモーヌ』が創刊されました。特集はシモーヌ・ド・ボーヴォワール。彼女の回想録、『別れの儀式』はサルトルの死後出版されたもので、その関係が彼女の言葉で記されています。そして今月『老い』も重版いたします!ブックとともにぜひ。》
https://twitter.com/jimbunshoin_s/status/1192305864159322113
エトセトラブックスも「シモーヌ」を絶賛している。
《『シモーヌ』(現代書館)創刊号では、弊社の本も紹介いただいてます!巻頭の石川優実さんのヌードが最高でした。同誌担当編集氏からもらったお手紙に”In Sisterhood”とあってじーん…シモーヌ&陽子、どちらもぜひ》
https://twitter.com/__etcbooks/status/1191991236204224512
東京堂書店2階のエスカレータ前では、「#KuToo」刊行記念フェアが展開されているが、「平井の本棚」は「#KuToo」「シモーヌ」と高群逸枝を並べてみたそうである。
https://twitter.com/gendaishokan/status/1192951217648857088
https://twitter.com/hirai_hondana/status/1192289335447445504
くまざわ書店 武蔵小金井北口店のツイート。
《【新刊】『シモーヌVol.1』(現代書館)「女である」とはどういうこと。想像しよう。姉たちが「女である」ことをどう受けとめ、その扱われかたにどう抗ってきたか。考えよう。どんな性であってもそこに弱者がつくられないように何ができるか。語ろう…雑誌感覚で読めるフェミニズム入門ブック。》
https://twitter.com/kbc_koganei/status/1192584375235297280
「#KuToo」が「2019ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされた。
https://mdpr.jp/news/detail/1891842
石川優実の「#KuToo」は現に世の中を動かし始めている。「BUSINESS INSIDER」は11月1日付で「KDDIが社員の服装規定を廃止。『男性だからスーツ』の固定観念を見直し」を公開している。
NTTドコモドコモショップスタッフの靴について、女性スタッフはパンプス、男性スタッフは革靴を着用するよう規定していたが、2019年8月からパンプス・革靴以外の靴の着用を解禁した。》
https://www.businessinsider.jp/post-201687
「#KuToo」がなければ、こうした「解禁」はなかったに違いない。
<追記>
11月7日に東京堂で開かれたトークイベントに登場したのは石川優実、インベカヲリ、小川たまか。会場の入口では「#KuToo」や「シモーヌ」ばかりではなく、インベの写真集や小川の「『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話を。」(タバブックス)も販売されていた。「#KuToo」をメインにしトークイベントであったこともあり、イベント後のサイン会では石川やインベに長蛇の列ができていた。
そうしたなか現代書館の営業のベテランは小川の「『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話を。」を購入し、サインを求めていた。加えてインベの写真集も購入していた。版元の営業は、こうでなければ!
http://tababooks.com/books/hotondonaikoto

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2)【本日の一行情報】

◎知らなかった…。何と川島雄三陶淵明の「雑詩」を翻訳しているのである。しかも、ひらがなで訳している。川島雄三を知らない!「幕末太陽傳」「貸間あり」の川島雄三監督である。「ぴあ」に連載されていた「玉川奈々福浪花節的ココロ」で知った。
《そして、人間全般に対する認識が「みちにさまようちりあくた」
これ、森の石松や、左甚五郎や、小松村七五郎の女房お民の自己認識だろうなあ。つなぐべきものも、背負うものも何一つ持たない。身を要なきものと思いなしている。吹けば飛ぶような我が身である。だから自由だし、いつ死んでしまっても、仕方ない。》
御意!「玉川奈々福浪花節的ココロ」は今回で最終回なんだけれど、連載を川島雄三で閉じる奈々福師匠のセンスの良さには、ただ脱帽するしかないのである。
https://lp.p.pia.jp/shared/cnt-s/cnt-s-11-02_2_b6843c43-77a7-4480-a341-8857b1d4944f.html

◎これは日本での話だけれど10月9日、フランス大使館は「【東京】映画『絞死刑(監督:大島渚)』上映 & 作家・平野啓一郎とのディスカッション」なんていう企画を主催していた。
https://www.amnesty.or.jp/get-involved/event/2019/1009_8319.html
鈴木邦男をぶっとばせ!」によれば、鈴木も出かけて行ったようだ。
http://kunyon.com/
何故、こんなことを書き始めたとと言えば、ドキュメンタリー映画愛国者に気をつけろ!鈴木邦男」の予告編が公開されたからだ。
https://www.youtube.com/watch?v=xjr5TDIi5zg
頭脳警察の「ふざけるんじゃねえよ」が使われている! 中島貞夫の「鉄砲玉の美学」でも使われた「名曲」である。
http://j-lyric.net/artist/a057373/l034518.html
監督は中村真夕。2001年に化庁芸術家在外研修員に映画監督として選出されている。
https://cinepu.com/education/prHtuPbZ88_/
愛国者に気をつけろ!鈴木邦男」が2020年2月上旬より東京ポレポレ東中野で公開される。
https://natalie.mu/eiga/news/354401?fbclid=IwAR1Ed9SszHcwPyx7SDhaKopYB85YqvdowEzHPVGEQxC7PyMvXazFWb_tDJw
原一男監督の「れいわ一揆」も面白そうだ。
http://docudocu.jp/reiwa/

◎ユーザベースグループのニューズピックスは、「ビジネスは希望を創る」というメッセージを掲げ2018年に創刊したフリーマガジン「HOPE by NewsPicks」を大幅リニューアルし、新たに「若者の未来に、HOPE(希望)を。」というメッセージを掲げ、フリーマガジン「HOPE magazine」を創刊し、NewsPicksアプリ上に学生ユーザーだけが参加可能な「HOPE online」をローンチ予定。オフライン×オンラインの連携で、学生向けの高品質なコンテンツを提供していく予定だ。11月5日(火)からティザーサイトを公開している。
https://www.uzabase.com/company/news/newspicks-hope-teaser-open/

◎メディアの信頼度調査。新聞が一番信頼されている。新聞の次はテレビ。テレビの次はインターネット。雑誌はインターネットよりも信頼されていない。こういう調査には雑誌業界をあげて反論しておかないと。
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20191106-00149203/

◎「グランドジャンプの『王様の仕立て屋』が#KuTooの話題に触れるが某界隈に叩かれてしまう」なんていう、まとめサイトもある。
https://togetter.com/li/1427351

◎藤原緋沙子は「龍の袖」(徳間書店)を引っ提げて故郷に凱旋した。高知新聞は11月6日付で「龍馬と佐那の青春描く『龍の袖』刊行『我慢の人生に共感』藤原緋沙子さん高知市で講演」を掲載している。藤原は立命館大学だから高知を離れて50年が経つ。
https://www.kochinews.co.jp/article/322008/
千葉佐那北辰一刀流の千葉家で生まれ育ち、十六歳の時千葉道場で龍馬と出会う。明治維新へと至る時代の荒波が二人を切り裂く。
http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198648824
高知は〆に屋台で喰うマヨネーズラーメンが最高に旨い!
https://syoga-udon.com/archives/62131

藝春秋の新谷学編集局長には、これからは落穂拾いをしていかなければ生き残れないことがわかっているのだ。「週刊春が迫る、BEAMSの世界」はファッション誌であったわけだが、「週刊春」を冠にした男の料理誌もあれば、終活情報誌もあれば、健康誌もあるはずだし、映画誌だって、音楽誌だって可能なはずだ。旅行誌、美術誌、演劇誌もあろう。
タイトルを新たにした月刊誌によるビジネスではなく、年2回刊が可能な雑誌を「週刊春」の名のもとに6誌でも7誌でも立ち上げ、週刊誌ならではのIPビジネスを確立することが「春砲」を守ることなのである。私が新谷であれば、そう考えるが、果たして新谷は?
https://www.wwdjapan.com/articles/971306
私が言う落穂拾いとは、「高倉健、その愛。」がベストセラーになったならば、それこそ「週刊春が迫る、その男 高倉健につき」のような雑誌を出してしまうことである。「週刊春」のテイストを活かせるのであれば何でもありなのだ。

◎週刊誌ジャーナリズムの世界は「週刊春」の孤軍奮闘という様相を呈して来た。大臣二人を辞任に追い込み、今週は「森田健作千葉県知事 台風被害の最中に『公用車で別荘』疑惑が浮上」でしょ。新聞記者は情けなくならないものなのかしらん。
硬派だけではなく、軟派記事でも「週刊春」が独走だ。「スポーツ報知」は11月7日付で「玉川徹氏『週刊春』の女医との交際報道を羽鳥アナから『見ましたよ』と突っ込まれ『はい。すみません』」を掲載している。
テレビ朝日の玉川徹氏が7日放送のコメンテーターを務める同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・前8時)に生出演。この日発売の「週刊春」で美容外科医の40代の女性との交際報道について司会の羽鳥慎一アナウンサーから突っ込まれた。》
https://hochi.news/articles/20191107-OHT1T50067.html

◎「NHK NEWS WEB」が「下村元科相 “事業者と蜜月関係”報道を否定」を公開している。これも「週刊春」だ。
自民党の下村元部科学大臣は、延期された大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入をめぐり、民間事業者と「蜜月関係にある」などと、7日発売された「週刊春」で報じられました。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191107/k10012167761000.html
実は「週刊新潮」も、取り上げているのだけれど。「民間事業者」とはベネッセのことだろう。「日刊ゲンダイDIGITAL」が11月7日付で「民間試験問題をめぐり…ベネッセと科省の“深すぎる関係”」を掲載している。
《発売中の週刊春と週刊新潮によると、同社は下村博科大臣と密接な関係にあるという。ベネッセ教育総合研究所の所長と理事だった人物が下村氏を支援する「博友会」のパーティーなどにたびたび出席。ベネッセの元社長・福島保氏も後援会名簿に名を連ね、「蜜月関係」にあるというのだ。》
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/264365
東京新聞は11月9日付「こちら特報部」で「ベネッセ往時の面影は」を掲載している。ベネッセが福武書店と呼ばれていた頃。同社は芸誌「海燕」を擁していたことなど今は昔なのだろう。吉本隆明の「空虚としての主題」「マス・イメージ論」「ハイ・イメージ論」は福武書店から刊行されたし、吉本ばなな福武書店から「キッチン」でデビューした。
学を〈凝視する〉」(岩波書店)の東大教授・阿部公彦がツイートしている。
《「週刊春」の下村博祭。もう入試疑獄じゃん。まずは下村博さんの主導で、三木谷さんの楽天東進ハイスクールがTOEFL利権をあさる。次は同じく下村さんの主導でベネッセが記述式と民間試験。高校生の方々、これは忘れてはいけない。》
https://twitter.com/jumping5555/status/1192397574595960832
「MAG2NEWS」は11月9日付で「落胆の三木谷氏。ゴリ押し英語民間試験『身の丈』発言への恨み節」を掲載している。
《大学入試にTOEFL、GTECなどいかがなものかと、専門家から強い疑問が呈されるなか、三木谷氏は官邸の産業競争力会議科省の有識者会議をリードし、科省を動かした。何ごともなければ、2020年度から大学入学共通テストに民間の英語試験を活用する新制度がスタートするはずだった。》
https://www.mag2.com/p/news/423310

サントリー食品インターナショナルは、「サントリー クラフトボス ミルクティー 500mlペットボトル」の回収を決めた。
《このたび、「サントリー クラフトボス ミルクティー 500mlペットボトル」に、中味成分が分離し、香味変化が認められた商品があることが判明しました。これまで健康被害は確認されておりませんが、万全を期すために、対象ロットを自主回収することとしました。
今回の原因は、包材における微生物の残留および製造工程の管理状況等が複合的に関連し、ごく一部の商品に微生物が残存したことによるものと考えております。
今後はより一層、品質管理体制を徹底し、再発防止に努めてまいります。
お客様およびお取引先様には多大なるご心配とご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。》
https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF0922.html
この決断の速さは、リスクマネジメントがしっかりしている証拠だろう。

◎みんな同じこと思っているのではないだろうか。「デイリー新潮」は11月6日付で「『マラソン札幌開催』に理解を示す朝日新聞に聞きたい『真夏の甲子園』問題」を発表している。
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/11060731/?all=1
周知のように朝日新聞は10月18日付社説で「マラソン札幌案 選手の健康優先で臨め」で「夏季五輪の時期を7、8月とする現在のやり方は限界にきている」と書いているけれど、朝日新聞の言わば「国体」たる夏の甲子園にしても高校球児の健康優先で考えたならば現在のやり方は限界にきているはずだ。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14221902.html?iref=editorial_backnumber
犠牲者が出てからでは遅いのである。夏の甲子園の場合、空調を効かせることのできるドーム球場で開催すれば良いのではないか。朝日新聞は何を躊躇っているのだろうか。IOCのように決断してもらいたいものだ。

◎世界化社の通販事業「家庭画報ショッピングサロン」は、「家庭画報のオリジナル調味料」と「家庭画報の極みだし」の販売を10月末よりスタートしている。オリジナル調味料は白だしポン酢、玉ねぎドレッシング、金ごまドレッシングというラインナップ。極みだしは、だしにこだわる京都の名料亭が使う、利尻昆布とまぐろ節の組み合わせだしを再現したそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000684.000009728.html

◎「時事ドットコムニュース」は11月6日付で「RIZAP、情報誌『ぱど』売却=個人投資家に、24億円で」を発表している。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019110601086&g=eco
個人投資家とは畑野幸治のこと。FUNDBOOK 代表取締役CEOだ。「プレジデントオンライン」に顔写真も掲載されている。
https://president.jp/articles/-/23894

◎「論座」に11月6日付で「若松プロは、なぜ上映ボイコットを決断したのか 『主戦場』上映中止騒動から見えてくる『脳内リスク』の増殖」(大友麻子)が掲載されている。「表現の不自由展・その後」に出展した大浦信行の「遠近を抱えて PartⅡ」で昭和天皇肖像画を燃やすシーンも撮影した辻智彦は「止められるか、俺たちを」のカメラマンでもある。
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2019110600003.html
辻は「完全なる飼育 赤い殺意」以降、若松孝二の映画の撮影を総て担っている。「実録連合赤軍 あさま山荘への道程」も、「キャタピラー」も、「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」も、「海燕ホテル・ブルー」も、遺作となった「千年の愉楽」も撮影は辻だ。また、大浦信行が監督した映画の撮影も辻智彦である。具体的には「9.11-8.15 日本心中」「天皇ごっこ 見沢知廉・たった一人の革命」「靖国・地霊・天皇」がそうだ。

凸版印刷のグループ会社である総合電子書籍ストア「BookLive!」の書店員と、フェリシモが運営するファッション通販サイト「haco!」のスタッフが、女性のお悩み相談に答えるタイアップ企画「ほんばこ!」の特設ページを11月7日より(木)より公開している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000022823.html
https://continew.haco.jp/entries/39666

新海誠「小説 天気の子」の発行部数が65万部を突破した。KADOKAWAアニメを核にしたIPビジネスは、新海誠効果もあり、集英社小学館講談社というマンガ大手3社にとっても脅威だろう。「小説 天気の子」ディスプレイコンテストにおいて優秀店舗に輝いた3書店への特賞として開催される「新海誠監督サイン会」の日程が決定した。
金賞のTSUTAYA柏駅前店は2019年12月1日(日)、銀賞の水嶋書房くずは駅店が2019年11月30日(土)、銅賞の喜久屋書店仙台店が2019年11月30日(土)の開催。
https://kadobun.jp/news/press-release/93fgxk32hgkk.html

◎毎日出版化賞が決まった。
学・芸術部門>川上未映子「夏物語」(藝春秋)
<人・社会部門>関根清三「内村鑑三 その聖書読解と危機の時代」(筑摩書房
<自然科学部門>該当なし
<企画部門>「シリーズ ケアをひらく」(医学書院)
<特別賞>ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(新潮社)▽池内了「科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはいけないか」(みすず書房
https://mainichi.jp/articles/20191103/ddm/001/040/083000c
「特別賞」は、こうでなくちゃね。

電通は、日本の伝統化の担い手とさまざまな企業・団体を結びつけ、新しいコミュニケーションやビジネスチャンスを生み出すプロジェクトチーム「JAPAN CULTURE HUB」(ジャパン・カルチャー・ハブ)を立ち上げ、サービスを開始した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2019103-1108.pdf

◎日本雑誌広告賞が決まった。グッチジャパンが経済産業大臣賞(グランプリ)、総合賞を獲得した。グッチのクリエイティビティの高さについては、「」でも触れている。昨年の5月17日付である。私は、こう書いている。
《グッチが「1968」を再現した広告を公開している。日本の女性誌は「1968」を取り上げるのだろうか。
https://www.gucci.com/jp/ja/st/stories/advertising-campaign/article/pre-fall-2018-shoppable
フォトグラファーのピーター・シュレシンジャーが、グッチ2018年プレフォールコレクションを撮影するために足を踏み入れたのは、ダリオ・アルジェントの作品に登場するロケーションだった。日本の女性誌ダリオ・アルジェントの名前に即座に反応できるのだろうか。
https://www.gucci.com/jp/ja/st/stories/advertising-campaign/article/pre-fall-2018-disturbia-shoppable
矢澤利弘の「ダリオ・アルジェント―恐怖の幾何学」(ABC出版)なんていう本もある。》
https://teru0702.hatenablog.com/entry/20180608/1528422979
蛇足ながら書いておくと、ダリオ・アルジェントという名前から映画「サスペリア」を連想できれば、取り敢えずは合格なのだが、ここで想起してもらいたいのはアルジェントがセルジオ・レオーネ「ウエスタン」において、ベルナルド・ベルトルッチとともに脚本家としてクレジットされていることだ。

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3)【深夜の誌人語録】

未来から理解する。